現代の未来社会像はどういうものか。
私たちが若いときには社会主義が未来の社会像としてあったが、これは1989年ころの東ヨーロッパとかソヴィエトの崩壊で少なくともそのままでは未来社会像としては成り立たないことがわかった。
いわゆる社会主義国家としては中国とか北朝鮮とかその他の国がまだ残ってはいるが、それも実質は大きな変更を強いられている。
独占資本主義国家としてのアメリカの世界的な地盤沈下でアメリカみたいな国ががいいと思う人も少なくなったと思う。
1989年頃からつい先ごろまで資本主義国家の勝利とかいわれていたが、リーマンショック以降それを信じる人はほとんどいないと思う。
私自身は小学生のころには北欧の福祉国家が理想の国だと思っていたが、現在ではそのイメージも完全に落ちてしまったわけではないが、スェ―デンとかノルウエーのような比較的人口の少ない国では機能するかもしれないが、人口の多い国ではなかなか機能しにくいのではないかと感じている。
ということで理想の国家の未来像がなくなってしまったという感が強い。私自身はアメリカを理想の国だと思ったことはいまだかってない。
医療保険に限った話でも、まだ健康保険のある日本のほうがアメリカのほ保険制度があまり完備していない国よりはいいと思っている。
社会主義国家の崩壊の原因は国家の官僚化とかの硬直性にあり、比較的流動化できているのが、現在の資本主義国家である。しかし、そこには社会主義的な側面がある程度なくてはいけないことは確かであろう。
そう考えると協同組合等の社会主義的な要素が含まれた社会でないといけないのだと思われる。
それは私たちが子どものころに頭に描いていたすばらしい国家像ではないかもしれないが、漸進的な側面が必要とされるのであろう。
それと矛盾するかもしれないが、自治体としての都市の機能が十分に機能する社会であると羽仁五郎の「都市の論理」とかの考えとも一致できるかもしれない。