武谷三男のよかったことはどこだったか。
彼は認識の三段階論を提唱し、また技術論の新しい定義を提唱した。物理学者としてのよかった点はこういうことではないような気がしている。
一つには理論の適用限界を強調したこととか、または概念の分析を強調したことなのであろう。
適用限界の強調による核力研究の方針は日本の核力グループには大きな影響を与えた。いまでもそれを金科玉条としている人もおられる。
あまり信仰がきついと困ったものだが、それから無批判でなければ、学ぶところは多い。
もう一つ、概念分析の重要性の強調はまた私たちの学ぶべきところがある。
こういったところを学ぶべきではないのだろうか。