物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ガウスの定理とストークスの定理の覚え方

2020-10-19 16:56:39 | 数学
ガウスの定理とストークスの定理の覚え方といってもあまり知られていない方法ではない。微分形式を知っている方なら、既知のことであろう。

いまさっき志村五郎さんのちくま学芸文庫の『数学をいかに使うか』の第2章の一部を読んで、微分形式を形式的に知るだけでも、ガウスの定理とストークスの定理の覚え方となることを知った。

どうもストークスの定理のどちらの項に負号がついているのかとかは、覚えにくいし、覚えていてもごっちゃになる可能性があると思っていた(注)。

最近、微分形式でないストークスの定理とか平面上のグリーンの定理とかの証明を調べていてマイナス記号がつく項の存在がどうも積分変数の順序の入れ替えと関係しているようだと思いだしたので、志村さんの本の当該箇所をチェックしてみた。

そしたら、案の定そうだった。前にちょっと微分形式を勉強したことがあったが、すぐに内容を忘れてしまったし、それに以前にはガウスの定理とストークスの定理と関係させて微分形式を学んでなかった。

志村さん自身がストークスの定理で項のどちらに負号がついているのかわからなくなりそうだと書かれている。だからこの符号の問題は私だけがごっちゃになるわけではなさそうだという感じがしていた。

もっとも志村さんの本にはガウスの定理の方については微分形式では示していなかった。それでスウの『ベクトル解析』(森北出版)の該当ページで補足しなければならなかった。

(注)これは定理を証明するときの問題である。ベクトル記号でのそれぞれの定理の表し方にむつかしいことがあるわけではない。


Nul n'a 'et'e prophete en son pays

2020-10-19 11:46:05 | 物理学
Nul n'a 'et'e prophete en son pays. (ナル ナ エテ プロフェート アン ソン ペイ) 「誰も自分の国では、予言者だったことはない」(注:アクサンは記入できないので省略してある)

というフランスのことわざを書いた本を昨日見かけた。物理学者の高林武彦さんの書いた本である。

高林さんはフランス語ができるので、フランス語のことわざを書いてあったのだった。

この場合にはナル(誰も)とは坂田昌一先生のことを意味する。

Nul n'est prophete en son pays.(ナル ネ プロフェート アン ソン ペイ)と現在形でいうのが普通らしい(注)。この意味は「身近な人に認められるのは難しい」という含意をもつらしい。このことはLe Dico(白水社)に出ていた。
 
(注)普通フランス語の否定は動詞をneとpasで挟んで使う。しかし、pasを伴わない語がいくつかある。有名なのはrienであるが、nulもそのうちにはいるのだろう。personneもそういう語だったと思う。

Il n'y a rien(何もない)だとか Il n' y a personne.(だれもいない)とかいう風な文句が思い浮かぶ。