「思い切ってやれば、半ば成功したも同じ」
Frisch gewagt ist halb gewonnen.
(フリシュ ゲヴァクト イスト ハルプ ゲヴォネン:これはドイツを知らない人のために発音をカナで表したものであるから、ドイツ語の得意な人は無視してください)
これはドイツ語のことわざである。
70年くらい昔の中学生か高校1年生のころに覚えた英語のことわざには
Well begun is half done. (ウェル ビガン イズ ハーフ ダン)
というのがあった。これは「はじめよければ、半ばの成就」と訳がついていたと思う。それとよく似ている。
Well begun ・・・の方はもしかしたら、有名な英語の大学受験参考書である、原仙作『英文標準問題精講』(旺文社)の扉に出ていたことわざだったかもしれない。もっともこの書を通読したことはまったくない。
この英語のことわざに対応したドイツ語のことわざを聞いたり、読んだりしたことは昨日までなかった。
しかし、ニューアンスは少し異なるが、ほぼ同じ発想であろうか。「思い切って」というところはwagenという動詞が表している。ちなみにwagenとは関係がないが、die Waage(ヴァアゲ)なら秤(はかり)になる。
waagerechtとsekrechtとはそれぞれ「水平な」と「垂直な」という形容詞である。『ドイツ語基本単語辞典』(白水社、1971)にはこの2つの語は出ているが、基本語3000語の辞典には出ていない。ちなみに私の知っている、Wattennmeerは『ドイツ語基本単語辞典』にも載っていない。
waagerechtとsekrechtもWattennmeerもドイツ人の先生である R 氏から耳で聞いて覚えた言葉である。文章で読んで覚えた言葉ではない。