物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

思い切ってやれば、

2020-10-12 11:16:43 | 本と雑誌
「思い切ってやれば、半ば成功したも同じ」

Frisch gewagt ist halb gewonnen. 

(フリシュ ゲヴァクト イスト ハルプ ゲヴォネン:これはドイツを知らない人のために発音をカナで表したものであるから、ドイツ語の得意な人は無視してください)

これはドイツ語のことわざである。

70年くらい昔の中学生か高校1年生のころに覚えた英語のことわざには
 Well begun is half done. (ウェル ビガン イズ ハーフ ダン)
というのがあった。これは「はじめよければ、半ばの成就」と訳がついていたと思う。それとよく似ている。

 Well begun ・・・の方はもしかしたら、有名な英語の大学受験参考書である、原仙作『英文標準問題精講』(旺文社)の扉に出ていたことわざだったかもしれない。もっともこの書を通読したことはまったくない。

この英語のことわざに対応したドイツ語のことわざを聞いたり、読んだりしたことは昨日までなかった。

しかし、ニューアンスは少し異なるが、ほぼ同じ発想であろうか。「思い切って」というところはwagenという動詞が表している。ちなみにwagenとは関係がないが、die Waage(ヴァアゲ)なら秤(はかり)になる。

waagerechtとsekrechtとはそれぞれ「水平な」と「垂直な」という形容詞である。『ドイツ語基本単語辞典』(白水社、1971)にはこの2つの語は出ているが、基本語3000語の辞典には出ていない。ちなみに私の知っている、Wattennmeerは『ドイツ語基本単語辞典』にも載っていない。

waagerechtとsekrechtもWattennmeerもドイツ人の先生である R 氏から耳で聞いて覚えた言葉である。文章で読んで覚えた言葉ではない。






 


原子核反応でエネルギーを取り出す2つの方法

2020-10-12 10:34:26 | 本と雑誌
原子核反応でエネルギーを取り出す2つの方法としては核分裂反応を用いるのがいま原発として行われている。

しかし、これ以外に方法がないわけではない。それは核融合反応である。しかし、こちらは地球上ではまだ実現していない(注1)。

そういう話を先日の朝食後に妻と話をした。一般人にとっては原子核物理学での常識も知られていないということがわかった。

朝食後の妻との話でいろいろなことが話題になる。それで私も学ぶことが多いのだが、逆に妻もそうだろうと思う。

そういうことで、たとえば私の発行している「数学・物理通信」で原子力工学のわかりやすい入門を連載することも意味のあることではないかと思いついた。

これは大学工学部に勤めていた関係で、電気・電子工学科の学生に対しての応用物理学の講義で実は『原子力工学』という本をテクストにして講義を7,8年続けた経験があるからそのノートをもっているからである(注2)。

それにしても亡くなったO先生の「量子力学講義ノート」の第3部の編集にまだ全く取り掛かっていないので、それが終わってからにしなくてはならない。

(注1)恒星(一番の身近な恒星の例は太陽)のエネルギー源は核融合反応によっている。

(注2)O教授の「量子力学講義ノート」の第1部と第2部とは「素粒子論研究」電子版に掲載されている。インターネットで検索すれば、閲覧することができる。



ベクトル解析の歴史には

2020-10-12 10:15:30 | 数学
ベクトル解析の歴史については、Croweの "A History of Vector Analysis" (Dover, 1985) があるのだが、私の知りたいことはあまり古いことではなく、もっと新しいことである(注)。

上記の本は話が1910年で終わっている。それ以降の話の筋道を知りたいという気がしている。

ところが、私の知る限りではあまりそういう話はどこにも書いてないようである。数学史の専門家である高瀬正仁さんあたりが研究してくださればいいのだが、問題意識というものは個人的なものであるので、なかなかそうはいかない。

先日も書いた志賀浩二先生の『ベクトル解析30講』(朝倉書店)のはしがきには多様体へと至る話は書いてあるのだが、私の関心は1910年以降で多様体論が出現する前の時代の隙間に至る時代についてである。

そこらへんがどうもみなさんの関心の隙間という気もしている。だからこれは私の勝手な個人的な話であり、普遍性がある関心事ではないのかもしれない。

(注)小著『四元数の発見』(海鳴社、2014)にも四元数の積からベクトル解析でのベクトルのスカラー積とベクトル積が出て来たことを述べている。
だから、Croweの本にはそういうことからベクトル解析の話は書かれている。