国連の場で議論されて、条約が締結された核兵器禁止条約が国連加盟の50か国の批准を得て、90日後に発効することになった。
これは画期的なことである。ところが唯一の被爆国である日本ではこれを批准していない。
日本はアメリカの核の傘(nuclear umbrella)の下にあるという理由で批准をしていないらしいが、現在の国際情勢を全く読み誤っている。
確かに大国は核保有国をはじめとしてこの核兵器禁止条約の批准をしていないのだが、これらの国は現在の小国の意向に完全に反しており、それはとても旧式の世界意識なのだということを知らねばならない。
確かに現在も核兵器を多量に持つ大きな国があり、それを気にして核兵器を自分の持とうしている小さな国、北朝鮮のような国もある。
核兵器をもつことが時代遅れの力の考えであるということを私たちは知らねばならない。
人を殺すことにしか使えない核兵器は人類のためにはならないのだという思想が早く世界全体のスタンダードにならねばならない。軍事的な力で他国や他民族を脅かす国や民族が、人類史上で高邁な理想に燃えた国であるとはいえない。
いわゆる自分のもつマインドセットを、そういう風に転換しなければならないときがもう来ているのだ。
世界で少なくとも軍隊を憲法で持たないことを宣言している国は一つか二つしかないが、それは人類の未来を見通したすごく高邁な思想である。その思想がいかに大切なのかをもう一度かみしめるときであろう。