物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

「一般から特殊へ」か「特殊から一般へ」か

2021-11-16 11:23:27 | 本と雑誌
水道方式で有名になった民間教育団体「数学教育協議会」のモットーは「一般から特殊へ」であった。数を教えるのでも1,2,  3,・・・の後で特殊な0を教えるのが普通である。

外国語を学ぶ場合には英語でいうbe動詞とかhave動詞をまず学ぶ。英語ではbe動詞はともかくとしてhave動詞はhaveとhasしかない。

しかし、ドイツ語にしてもフランス語にしてもhaveにあたる動詞の変化は各人称ごとに変わっている。たとえば、

ドイツ語なら、ich habe, du hast, er hat, wir haben, Ihr habt, sie haben
フランス語なら、j'ai, tu as, il a, nous avons, vous avez, ils ont
である。

要するに、特殊の動詞から学び始めて一般の変化する動詞を学ぶのが普通である。

この違いをどうしたらいいのか。外国語を学ぶ際に水道方式に類似した方式はできないものだろうか。

(2021.12.21 注)ドイツ語のもつhabenの人称変化を書いていたら、いつまにかseinの変化を終わりの方で書いていた。恥ずかしい。さっき気がついてようやく直した。




熱力学第一法則とは

2021-11-16 10:34:13 | 物理学
熱力学第一法則とは力学的エネルギーと熱的エネルギーとを合わせた一種のエネルギー保存則である。

物質の内部エネルギーUと熱エネルギーQと力学的仕事d'W=-pdVとの間に

  dU=d'W+d'Q=- pdV+TdS

という関係である。- pdVと負になっているのは着目している系にされる仕事を考えているからであったと思う。またd'QはTdSと表される。

系がいつでも主体であって、系の外の外界から仕事をされるのは自分から仕事をするのではないから - の符号ついているとのことだったと思う。間違って覚えていなければだが。

ちょっと詳細に入るが、上の式の右辺でdWではなく、d'WとかdQではなくd'Qとかいてあることだ。これは数学的な言葉で言えば、これらがdUとはちがって完全微分ではないことを示している。

ところがここが興味深いところだが、d'Wとd'Q自身は完全微分ではなく不完全微分だが、それを足し合わせたdUは完全微分になっている。

物質の内部エネルギーがU(A)からU(B)に変化するときには、これはその変化の道筋には関係なくAという状態とBという状態から内部エネルギーは一義的に決まってしまう。

このことを知ったときにどうしてそういうふうになるのか不思議でたまらなかった。しかし、これはエネルギーがどこかでつくる出すことができず、エネルギーが保存されていることだと知れば、そういうものかもしれないとすこしはなっとくするがそれでもまだ十分納得できない感じがする。

発電機で電気を起こし、ガソリンで自動車のエンジンを動かしているので、私たちはエネルギーを作り出しているような気がするが、上に述べたことはこういうことを否定しているのではない。

物理学を長年教えてきたわりには熱力学も私にはよくわかっていない。そういうことを告白するような文章であるが、それが私の現状であるからしかたがない。