ベクトル空間のまとめを書いておきたいと思っている。あまり数学的な細かい話ではなく、大枠での話としてだが。
適当な参考文献がないかと思い出した。当初は数学的に一次独立とか一次従属だとかの話を書くべきかなと思っていたが、そういう細かなことはやめてもっとざっくりしたことで済ませたいと思っている。
線形代数のテクストならば、数冊持っているのだが、そこには詳しい事柄は述べてある。
佐武一郎『行列と行列式』(裳華房)によれば、ベクトル空間の公理はペアノが考えたらしいが、これをどういう風に考えたかということなど、どの本にも書いてない。そのことの実際はどうであったか知らないが、私の推論を述べておきたいと思っている。
ベクトル空間の元である、ベクトルは線形性をもったものである。それであまりベクトルの積はでて来ない。もちろん、計量ベクトル空間になるとスカラー積が出てくるが、その前の一般のベクトル空間には、という意味である。
ベクトル空間の公理をペアノがどのように考えついたかの私の推測は正しいかどうかはわらないが、数学の公理などはだれか頭のいい数学者が考えたものだという考えを少しでも払拭したいなどとたいそれたことを考えている。
そういう気概が、少なくとも発見法的に数学を学ぶのに役立つことであろう。
(2023.1.13付記) ベクトル空間のことは別に単独に書いておきたいということではなくて、小著『四元数の発見』の第6章との関連でまとめておきたいと思っている。この書の他の部分はすでに書き変えた原稿が存在するが、6章だけはどうしたらいいのか。改訂の方針というか改訂したい内容がまだ固まっていない。そこが一番の問題だと思っている。
それに付録として補充すべき文章はほとんど用意ができて、すでに発表もされている。出版社の都合で小著『四元数の発見』の改訂の許しはでていないが、いずれは改訂をするつもりである。