武谷三男についての研究も実体論的段階に入った感がする。
これは先日以来私の読んでいるNさんの『武谷三男の生涯』を読んで私の頭に浮かんできた考えである。
私は現象論的段階というつもりで武谷の「著作リスト」とか「業績リスト」とかを素粒子論研究とその電子版に発表してきた。
ところが武谷史料室ができて、そこで武谷の子ども時代とか学生時代その他の資料を見ることができるようになった。これにふんだんに触れてNさんの『武谷三男の生涯』のような労作が出来てきた。
それで武谷三男についての研究も実体論的段階に入った感がするのである。本質論的な研究が私もふくむ武谷三男の研究者にできるのかどうかはまだわからない。だが、そういう研究をしないことには私には十分な研究が行われたとは思えない。
だが、Nさんの『武谷三男の生涯』は実体論的段階の研究であり、優れたものである。出版されて多くの人が読んでほしいと思っている。
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