球面三角法の書を探している。これは『平面・球面三角法』という並列のタイトルの付いた本ではなく、単に『球面三角法』というタイイトルの本である。
これが意外と少ない。ある書を探し当てたのだが、これは1927年発行の『球面三角法』(新宮恒次郎著)である。今この出版社があるのかどうか知らないが、富山房という出版社から出版された。
この序文を昨日読んだのだが、再版の序がついており、それによると昭和2年の初版のさいに2,000部を出版したらしい。これを売り切って昭和7年に再版となったらしい。
2年前だったか、私も自著の『四元数の発見』(海鳴社, 2014)の改訂ができるかどうか出版社に尋ねたが、初版の2,000部がまだ500部以上が残っており、一年に売れる部数はひいき目に見ても70部だから、まだまだ再版の機会はありませんといわれた。
それで『球面三角法』(新宮恒次郎著)の意外な売れ行きのすごいさに驚かせれた。
ちょっと話は変わる。普及したのかどうかはわからないが、私の本の無料pdfがインターネットで出回っていたりして、私自身が驚かされたといういきさつもあった。
もっとも税抜きで2,000円の定価でこの手の本としては安価だのに無料pdfが出回るのは著者としては納得しかねた。そのうちにその無料pdfはインターネットから消えたが、私の本は他にも『数学散歩』も『物理数学散歩』(いずれも国土社発行)も無料pdfがしばらくの間だが、出回っていた。これらも高価な本ではなかったのに。
現在、無料pdfはインターネット上では見かけないようだが、ある分野の方々には需要があったのだろう。古本で2万円以上の定価がついていたこともあった。
さすがに手元には『数学散歩』は10冊以下の残部しかないが、『物理数学散歩』の方は200部くらいの残部がある。もちろん新品である。
要するに、必要な人には渡らないという現象が生じていたらしい。