物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

球面三角法の書

2021-02-19 12:14:49 | 数学
球面三角法の書を探している。これは『平面・球面三角法』という並列のタイトルの付いた本ではなく、単に『球面三角法』というタイイトルの本である。

これが意外と少ない。ある書を探し当てたのだが、これは1927年発行の『球面三角法』(新宮恒次郎著)である。今この出版社があるのかどうか知らないが、富山房という出版社から出版された。

この序文を昨日読んだのだが、再版の序がついており、それによると昭和2年の初版のさいに2,000部を出版したらしい。これを売り切って昭和7年に再版となったらしい。

2年前だったか、私も自著の『四元数の発見』(海鳴社, 2014)の改訂ができるかどうか出版社に尋ねたが、初版の2,000部がまだ500部以上が残っており、一年に売れる部数はひいき目に見ても70部だから、まだまだ再版の機会はありませんといわれた。

それで『球面三角法』(新宮恒次郎著)の意外な売れ行きのすごいさに驚かせれた。

ちょっと話は変わる。普及したのかどうかはわからないが、私の本の無料pdfがインターネットで出回っていたりして、私自身が驚かされたといういきさつもあった。

もっとも税抜きで2,000円の定価でこの手の本としては安価だのに無料pdfが出回るのは著者としては納得しかねた。そのうちにその無料pdfはインターネットから消えたが、私の本は他にも『数学散歩』も『物理数学散歩』(いずれも国土社発行)も無料pdfがしばらくの間だが、出回っていた。これらも高価な本ではなかったのに。

現在、無料pdfはインターネット上では見かけないようだが、ある分野の方々には需要があったのだろう。古本で2万円以上の定価がついていたこともあった。

さすがに手元には『数学散歩』は10冊以下の残部しかないが、『物理数学散歩』の方は200部くらいの残部がある。もちろん新品である。

要するに、必要な人には渡らないという現象が生じていたらしい。

femme fataleファム ファタル

2021-02-19 11:19:56 | 本と雑誌
femme fataleファム ファタル(注)というような女性が現実に多くいるとは思わないが、現在NHKのラジオのフランス語講座「まいにちフランス語」応用編で講師の井上櫻子さんが取り上げている。

長年このフランス語講座を聴取しているので、femme fataleファム ファタルは今回はじめて取り上げられたわけではない。

今年の放送の最初のfemme fataleはCarmenであったが、二番目のfemme fataleはManonである。この二人とも詳しくドラマ仕立てで取り上げられたことがあるのを覚えているが、その内容までは詳しく覚えてはいない。

Manonの方は物理学者の武谷三男の若いときの愛読書の一つであった。これを彼は岩波文庫の当時の新訳で読んだものと思われる。もう一つ、これは大正時代末のやはり岩波文庫訳の武谷の愛読書があったはずだが、今思い出さない。

もっともこれは武谷だけの愛読書の域を越えて、この時代にベストセラーであったらしい。

(注)femme fataleはフランス語の辞書によると「男を破滅させずにはおかない女、妖婦」とLe Dico(白水社)にはある。fatalはフランス語ではファタールと発音する。ちなみにfemmeはファムと発音する。まちがってもフェムとは発音してはいけない。

松山にhomme et femmeとかいう名のヘアサロンがあるが、これがオム エ フェムとかなっており、おかしい。オムはともかくとしてフェムは発音がおかしい。hommeは男性であり、femmeは女性のことである。