本当のタイトルを知らないが、私が「もず」と呼んでいる古い反戦歌をここに紹介しておこう。
歌詞も正確には知らない。聞いて覚えた歌なので歌詞がまちがっているかもしれないが、インターネットにでも歌詞が載っていれば、修正の機会はあるだろう。
もずが枯れ木で鳴いている。
おいらは藁をたたいてる。
糸引き車はおばあさん
コットン水車も回ってる
みんな去年と同じだよ
けどもたんねい(たりない)ものがある
あん(兄)さの薪割る音がねェ
バッサリ薪割る音がねェ
あんさは満洲へ行っただよ
鉄砲が涙で光っただ
もずよ、寒いと鳴くがよい
あんさはもっと寒いだろ
この歌は大学の研究室で一緒だった I 君(同郷)が歌っていたので、聞いて覚えた歌である。
今朝、夢うつつでいる状態で、この歌詞がどうしたものか浮かんできた。それもすべてが一緒ではない。ある箇所が突然頭に浮かんできたのだ。
それを何回か頭の中で反復しているうちに欠けた部分が埋まってくるという不思議なことが起こった。
朝食の準備をしながら、歌ってみたが、どうも頼りない声しかでて来なかった。
想像するに、どこかの北日本のある地方の農家かの一家の男が徴兵で満洲(今の中国東北部)の軍隊に行ってしまった状況を、その弟が歌っているという想定であろう。一度インターネットで検索をしてみたいと思う。
この歌を思うとき、フランスのシャンソンAu temps de cerieseを思い出す。この「サクランボの実るころ」とでも訳せるこのシャンソンも単なる若い男女の恋の歌であるだけではなく、反戦歌であるということを聞いている。