今日は高松に行った。妹の夫の49日の法要があったからである。
彼は私より2歳上の86歳で亡くなった。このことから私も自分の余命がそんなに長くはないと悟った。
それで以前からの課題であった『四元数の発見』の英訳に自分の仕事を絞って活動したいと思い始めたのは彼の死によってである。
いつだったか電話したときに出てきて、「わしもあんまり歩けなくなってのう」とは聞いていたが、こんなに早く亡くなるとは思っていなかった。
もっとも私には『四元数の発見』の英訳だけではなくて、課題が残っている。それはベクトル解析をわかりやすく解説した本を書いておきたいとも考えている。
こちらの方もベクトル代数とかベクトル解析の公式の導出では、ある程度わかりやすい説明ができるようになったと思っているが、まだ私の納得できる説明ができないのが、実はベクトル解析の中心課題である、ストークスの定理とガウスの定理の証明である(注)。
この二つの定理がまだ私には納得できていない。『Feynman物理学』2巻(岩波書店)のこの二つの定理の証明のしかたをしっかりと学んでおきたい。以前に読んだことは何回かあるのだが。十分納得していないから。
(注)ベクトル代数とかベクトル解析の公式の導出については私にもなっとくできる説明ができていると考えている。これらはいくつかのベクトル解析のテクストでもすでに実現しているかとは思うが、私の著書『数学散歩』、『物理数学散歩』の後ろの方に書いてある。
さらに、インターネットを検索されれば、「数学・物理通信」にも上の本に書いたものの一部は改訂版を書いてある。名古屋大学の谷村先生のサイトをご覧ください。
関係あるタイトルをここに掲げておく。新しい記事から古いものに遡る風に引用する。
1. 「Levi-Civitaの記号の縮約」再々論 数学・物理通信11巻7号 (2021.12)
2.Levi-Civitaの記号とベクトル解析 数学・物理通信9巻6号 (2020.1)
3. ベクトル3重積の記憶法 数学・物理通信9巻3号 (2019.6)
4. ベクトル代数再考 数学・物理通信4巻1号 (2014.3)
5. テンソル解析の学習の問題点 (『物理数学散歩』所収)
6. 「Levi-Civitaの記号の縮約」再論 (『物理数学散歩』所収)
7. \rot \rot \bm{A}=\grad \div \bm{A}-\Delta \bm{A} の導出 (『物理数学散
歩』所収)
8. ベクトル積の成分表示 (『物理数学散歩』所収)
9 ベクトルの三重積の公式の導出 (『物理数学散歩』所収)