数学・物理通信14巻1号の体裁は整えたが、中身の方はまったく見ていない。
編集とは本当は中身を見てすることだろうに。しかたがない。自分の原稿に気をとられてしまっていたので。
今回もだが、自分の昔のエッセイの修正がなかなか収束しなかった。それほど難しいとは思えない内容であるにもかかわらず。
引用した多くの文献を再度見直すということをしたのだが、一部あまりきちんとは見直せなかった文献もある。大体私はいつも該当箇所だけを読んでなんとかしようとしている。ほんとうは前後のページをしっかり読んでよく理解しなければならないのに。
だが、なかなか前後関係がよくわかるわけではない。きちんと調べられていないのは実は有名なWignerの著書Group Theoryのそれも数ページである。この本の日本語訳もあり、古本で購入して自分でもっていると思うが、私が直接参照しているのは英訳本である(注)。
その中の2次の行列の要素が複素数であるはずだのに実数みたいな表記になっている箇所があった。それであまりよく考えないで独断で虚数単位の i をつけた。ここが突っ込み不足のところである。他の箇所はたぶん大丈夫だと思う。
(注)英訳本だと書いたが、原本はドイツ語である。もっとも英訳するときに大分増補されたらしいから、ドイツ語版よりは英語の本の方がよくなっているであろう。
Wignerはドイツ人ではなく、ハンガリー人だったと思う。もっとも教育を受けたのはオーストリアかドイツなのでドイツ語ができるのは当然かもしれない。
とても視野の広い数学者だったと最近どこかで読んだ。大学では元々化学を学んでいたとらしい。
もっとも日本でも化学出身の物理学者もけっこういる。私の知っている方では朝永先生門下の田地(Tachi)さんだとか、はたまた東大教授だった柳田勉さんもおられる。この二人は素粒子物理学畑の方であった。