グラフの移動による三角関数の還元公式の導出については数学・物理通信に書いたことがある。それを改訂したいと思い出している。
これは「三角関数の還元公式(3)」というタイトルのエッセイであったが、それを今読み返してみるとその記述がいたるところで気に入らない。
第一、それを書いた本人である私が一瞬これは何を言いたかったのだろうというような書き表し方をしていたりする。これではその意図はいいとしてもエッセイとしては不合格であろう。
そうそう、三角関数の還元公式という用語を聞かれたことのない方々が大多数であろう。三角関数には負角の公式だとか、余角の公式、補角の公式というものがある。それ以外にもそれとよく似た公式がある。それらをまとめて還元公式というのだ。
三角関数の還元公式の導出については「数学・物理通信」にその(4)まで掲載している。インターネットで検索していただければ、名古屋大学の谷村先生のサイトで読めるので関心のある方は読んでみて下さい。
「三角関数の還元公式」という用語は東京都立戸山高校の名物数学教師だった武藤徹先生の命名ではないかと思う。
(2024.3.24付記)「三角関数の還元公式」について3つも4つもシリーズのエッセイを書いたりして、何の役に立つのだ。「そんなことは労力の損失だ」。そんな声が世の中の賢明な学者先生から聞こえてきそうだ。御説ごもっともである。
だが、徹底的に調べておきたいという性質なので仕方がない。こういう考察は何の役にも立たないかもしれないが、高校で数学を教える先生方は知っておくべきだろうと思っている。それを全部教えるなどということは絶対ないのだとは思うが。