宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

半島振興法改正案起草「域内経済」「二地域居住」「交通施設」を盛り込み委員会通過、石破茂首相「1期生に10万円の商品券」は「官房機密費ではない」と明言

2025年03月14日 19時27分12秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]警備の都合で自民党員だけのゾーンで握手する石破茂首相、きょねん10月26日、都内で宮崎信行撮影。

 石破茂首相が公邸で1期生議員と会う前に、商品券10万円を配ったと報道されました。首相は答弁で15名が参加したとしました。自民党の1期生は国会初当選が14名いるので、無所属の元大分県知事の息子も参加したのでしょう。

 私は、およそ28年前、前年の10月の衆院選で初当選した自民党議員49人ほどが、3グループに分けて、昼に橋本龍太郎首相・総裁と懇談会をしたのを取材しました。橋本さんは官邸の内装の話題だけして、政策・選挙対策の話はまったくしなかったそうです。商品券を配ったということはないでしょう。但し、このときは、小渕派の1期生が募集を募ってアレンジしており、田村憲久さん(正確には無派閥)と大村秀章さんが幹事をつとめました。だから他派閥で同期の河野太郎さん、渡辺喜美さんらが「田村さん、大村さんに言えば総理総裁に会える」という残像が脳裏に残ったら、田村さん、大村さんのその後の政治人生に「便宜」があったかもしれません。橋本さんも「小渕派」といえども党内基盤が弱かったので、梶山静六官房長官・江田憲司政務担当秘書官らが優秀で、赤澤亮正大臣・吉村麻央政務担当秘書官とは違うということだと思います。

 ところで、百貨店の名前は不詳です。政治ジャーナリストでありながら生まれながらの警視庁の古物商の生活安全警察防犯協力会会員としてのコネクションをいかして「岡田克也グループの東京の地下経済・裏社会情報担当」という奇特な地位も兼ねる私ですが、三越伊勢丹だったら極めて悪質です。三越伊勢丹は1万円の商品券を出してます。高島屋は五千円までです。三越伊勢丹の1万円商品券が10枚あれば大黒屋は日銀券1万円かける9枚以上と交換してくれると思います。マネーロンダリングとしては、クレジット枠のの現金化よりずっと手数料が安いです。高島屋が5千円までしか発行しないのはそれをわかってわざとブランディングにしていると推測されます。ただし、鳥取在住でもないし、首相退陣という話にはつながらないでしょう。

【参議院予算委員会 きょう令和7年2025年3月14日(金)】

 「令和7年度予算案」(衆議院修正=参で再修正することを自公が表明済み)の審議は8日目で、集中審議2本目「物価高・経済、通商政策」。

 森本真治さんは「今国会の重要テーマは政治の信頼回復です。私は参議院の政治倫理審査会の委員です」「その中で、昨日の報道でございます。総理が自民党議員を公邸に招いての食事会ということで、そのお土産としての商品券10万円ですね。非常に大きな額のお土産を配布をされた」としました。首相は「私費で行っております。それは議員を40年近くやっておりますと、それなりに自由に使えるお金というものはございます。それはもう官房機密費とかそういうものではなくて、長いこと少しずつ積み重ねているものもございます。あるいは、これも収支報告は出しておりますが、亡くなった親の遺産もございます」と答弁しました。

 週明けの月曜も9時から集中審議7時間。石破茂さんにとっては胸突き八丁の国会中継となります。現時点で、立憲は商品券を攻めない見通し。れいわ新選組の山本太郎代表も登場しますが、代表として「1期生でなく国民に10万円を配れ」とタイムリーに談話を出しており、この線で攻めるかもしれません。切り抜き動画が参院選前後まで拡散されるかもしれません。

【衆議院国土交通委員会】
 「半島振興法を10年延長して改正する法律案」(217衆法  号)が起草されました。討論なく採決されましたが、賛成多数で決まりました。賛成しない会派の意図はわからないところですが。南房総、能登の被災を受けて現行法の「半島防災の振興」に「地域経済の円滑な運営の阻害防止」を加えたり、「物資の流通確保」に「交通施設の整備及び保全」を加えたりする包括的な改正がなされました。「二地域居住の促進」の法文が出入のどちらか気になるところですが。立憲は党内ワーキングチームはこの委員会の次席理事の森山浩行さんを座長として、役員室の災害危機管理担当の石川3区・近藤和也さんの知見もあわせて超党派の立法に盛り込みました。

【衆・財務金融委】
 「関税定率法改正案」(217閣法6号)を全会一致で政府原案通りに可決すべきだと決めました。本会議へ上程。

【衆・法務委】
 「裁判所職員定員法改正案」(217閣法14号)は自公立などの賛成多数で可決すべきだと決めました。共産は討論で、非正規職員に配慮して、純減法案どころか、むしろ純増すべきだとしました。

【衆・震災復興・災害対策特別委】
 「地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律を5年延長する改正法案」(217衆法 号)を全会一致で本会議に提出することを決めました。

【衆・文部科学委員会】
 きのうの本会議でつるしがおりた「大学修学支援法改正案」(217閣法8号)が趣旨説明され、法案審査1巡目の前半、与党のみの質疑がありました。ところで、自公維3党の「高校授業料」に関する法案は今国会では予定されていません。

【衆・経済産業委員会】
 大臣所信に対する一般質疑1日目。自民党は三重4区で得票率60・2%で当選した鈴木英敬さん。立憲は三重3区で得票率60・9%で当選した岡田克也さんが質問に立ちました。
 岡田さんは武藤容治大臣の訪米で、自動車関税の追加25%検討の議定書について確認したか問いました。武藤大臣は前の通商代表の「アルトハイザー」さんを「ナイトハイザー」と間違えるなど、たどたどしさを見せました。岡田さんは「仮に自動車で追加関税25%が課されると、我が国の経済に大きな影響がある」として、国会法104条第1項にもとづき委員会として省に訪米議事録の提出を求めるよう委員長に求めました。
 岡田さんは閣議決定された第7次エネルギー基本計画で「原発依存度を低減する」との文言が削られたと指摘。大臣は「GXとDXの推進が国際競争力にかかわる」と答弁。岡田さんは「ソフトバンクの孫さんが、5000億ドルのスターゲート計画をやっている。これから4年間集中的にやろうとしているので、原発再稼働は間に合わない。実際、ソフトバンクは原発でなく再生可能エネルギーを使うと計画に書いている」と指摘。巨大官庁・経産省の職員にとっては耳の痛い指摘だったように感じます。

【衆・厚生労働委】
 「大臣の所信的あいさつに対する質疑の1巡目の後半、2日目」という相変わらずの旺盛ぶりで、動き出しました。

【衆・環境委】
 所信に対する質疑。この後の議事は協議されていましたが、そのまま散会しました。

【衆・地域こどもデジタル特別委】
 伊東、三原、平3大臣の所信に対する質疑・
【参・地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委】
 2大臣(伊藤、平)の所信的あいさつ。
【参・災害対策特別委】
 坂井防災、赤澤防災庁設置準備の2大臣の所信的あいさつ。

【衆・政治改革特別委】
 企業・団体献金の審議。法案は、大串博志さんら立有参の「216衆法10号」と、小泉進次郎さんの自民単独の「217衆法4及び5号」、青柳政調会長らの維新単独の「217衆法14号」の4法案の質疑がありました。
 この中で、小泉さんが労働組合をめぐって立憲、国民に対する挑発的な答弁を繰り返すさまを、維新の質疑者がとがめる場面がありました。週明け月曜日も午後2時から再開。有名4教授の参考人質疑で、採決はそれ以降。

【参議院本会議】
 「地方税法改正案」(217閣法2号)と「地方交付税法改正案」(217閣法3号)が村上誠一郎総務大臣から趣旨説明されました。ことしも重要広範議案に指定されておらず、登壇物ですから、大臣が答弁しました。

 会議の冒頭で、中央選挙管理会委員に、城島光力さん、魚住裕一郎さんら、予備委員に元宿仁さん、豊原昭二さんらを充てる人事が決まりました。会議の最後に「参議院規則の改正案」「参議院憲法審査会規定の改正案」がはかられ、参考人のオンライン出席ができるように決まりました。衆側でも同様の議事がはかられます。

●定例金曜日ですが、衆議院本会議は開かれず、議運理事会もありませんでした。

●来週の予定 国会同意人事第2弾の採決があることから、立憲民主党は次の内閣を水曜日に1日繰り上げます。

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あべ俊子文部科学大臣「大学就学支援金改正法案」答弁し委員会付託も、前岸田政権・こども家庭庁「加速化プラン」が混乱の根源だったことが徐々に明らかに

2025年03月13日 18時13分46秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]こども家庭庁が入るビル、東京・「霞が関3丁目2番(文部科学省と同じ)」で、きょねん4月、宮崎信行撮影。

 予算の再修正が固まり、大学就学支援金法改正案をあべ俊子文部科学大臣が趣旨説明して、吊るしが下りました。ちなみに「吊るしが下りる」衆議院警務部が作成した見学用パンフレットにも明記されており、公文書で使われている言葉です。

【衆議院本会議 きょう令和7年2025年3月13日(木)】
 中央選挙管理会の委員に、城島光力さん、魚住裕一郎さんら、予備委員に元宿仁さん、豊原昭二さんらをあてる人事を決めました。
 次に、与野党が「登壇議案」だと申し合わせた「大学就学支援法改正案」(217閣法8号)があべ俊子文部科学大臣から趣旨説明されました。「重要広範議案」として珍しく文科の「給特法改正案」(217閣法9号)が指定されており、こちらは後日、総理もひな壇に座って審議されます。
 あべ大臣は「これまでの低所得世帯に加えて、多子世帯も対象にする」としました。野党議員は「こども未来戦略の加速化プラン」に盛り込まれていたと明かし、高額療養費の上限引き上げをめぐる混乱と同根だと指摘しました。大学生の兄弟姉妹は「子」なのかどうかも含めて所得控除にもからむ話になりそうです。

【参議院第一種常任委員会】
 文教科学委員会は、堂故茂委員長のもと、一番狭い「分館の2階の第22委員室」で開かれました。立憲は、改選の水岡俊一議員会長と斎藤嘉隆国対委員長が属しています。あべ大臣は答弁をそつなくこなしましたが、斎藤さんが「555日後に迫った愛知・名古屋アジア大会2026の運営について」質問した際には、事務秘書官が答弁中のあべ大臣にA4判1枚紙をあわてて差し出すシーンもありました。
 経済産業委員会は、武藤容治大臣が訪米帰りで所信的あいさつ。外交防衛委は開かれず。その他の委員会は大臣所信的あいさつに対する一般質疑がいっせいに開かれました。

【参議院予算委員会】
 「令和7年度予算案」は7日目で、中央公聴会。女性の立教大学教授の公述人からは「選択的夫婦別姓と労働経済の相関関係を示した統計による論文は、欧州でも見当たらないので、丁寧な議論を求めたい」との趣旨の後述がありました。日本総研の男性研究員からは「OTC医薬品に関して、私も薬剤師の資格があるが、日本では人口あたりの薬剤師が突出して多く、他の業務もしているため、単価を押し上げている」との説明がありました。3部では、元日本未来の党共同代表の飯田哲也さんも久しぶりに登場しました。

【衆議院予算委員会】
 予算の実施状況に関する件「高額療養費等」が開かれました。野田佳彦さんは、石破茂首相に対して、今後も当事者団体の声を聞いて、今秋の検討でも見送るべきだとしました。また重要広範議案の「年金法改正案」(未提出)を提出できないのは、福岡資麿大臣を更迭して首相も責任を負うべきだと迫ると、「与党に指示した」として与党内の調整を急がせる考えを強調しました。福岡さんとは「長い仲だ」としました。福岡さんは衆議院時代に派閥が一緒の時期があったようです。

【衆・議院運営委】
 10時半に理事会が始まり、年金法改正案の提出遅れを官房副長官が謝罪。委員会では、本会議の段取りの後、茶谷栄治・公正取引委員長候補の所信と質疑がなされました。

【衆・憲法審査会】
 今国会1回目の開催となりました。タイトルは「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関する基本法制」とくに「選挙困難事態」。
 まず、在任7年5ヶ月となった余人をもってかえがたい橘幸信・衆議院法制局長から経緯の説明。この後のやりとりで、自民党の細野豪志さんは「原発災害当時、私は総理補佐官だったが、たしかにあのときに選挙をするのは困難だった」との意見が出ました。和田有一朗さんは「1995年1月の阪神・淡路大震災で、4月の選挙が特例法で6月になった」経験を持ち、出身の灘区から奥さんの地元・淡路島に近い神戸市垂水区にうつって再挑戦した県議選でも議席を得られなかった当時を振り返りました。

 和田さんは「私は地元は実は神戸でございまして、1・17阪神淡路の震災のときに被災地の真ん中で延期をされた統一地方選挙に出馬をした経験を持っています」と述べました。和田さんは「電気ガス水道は止まって道路は切れるし、鉄道は止まるし電車とこないし、何にもできない、駅立ちもできない。学校は避難所になっている、瓦礫の中で街頭もできない、ビラ配りもできない。こんな状況です」と述べました。そのうえで、現職の仲には、水を配ったり、パンを配ったり、弁当を配ったりした人もいたとしました。和田さんは「このとき、銭湯を経営している人もいました。落としてる人で。この人、無料で開放せずにお金を取ってお風呂開けたんです。落ちました。街の人なんて言ったと思いますか。この人ね、無料で開放してたらトップ当選だったのねって言われたんです。他の配った先生もパン配った先生も当選しました。これが現実です」と語りました。憲法とどう関係するかはあまり分かりませんが、2ヶ月延長特例法の経験者の発言が議論の厚みを増しました。

【衆・消費者問題特別委員会】
 伊東良孝大臣が所信的あいさつし、提出済みの「公益通報者保護法改正案」(217閣法32号)への意気込みを語りました。ちなみに「元彦法と呼ばれている」とし、斎藤元彦兵庫県知事(再選)のふるまいが立法事実だとする一部世論がありますが、そういうことではありません。

【官邸】
 デジタル田園都市甲子園の表彰式がありました。

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【岡田克也】あすの経済産業委でまさかのトップバッター訪米帰りの武藤容治大臣「関税」「エネ基」「さらなる高み」

2025年03月13日 08時11分48秒 | 岡田克也、旅の途中
 岡田克也さんが、あす2025年3月14日(金)の衆議院経済産業委員会の、武藤容治大臣の所信的あいさつに対する質疑で、まさかの野党トップバッターで登場することがわかりました。

 岡田さんが経済産業委員になるのは、連続当選。35年目で初めて。立憲民主党の大勝で、同党には現在12名の経産委員がいますが、意外にもトップバッターとして登場するはこびとなりました。

 第2次トランプ政権スタートにあたり、新・商務長官、通商代表との会談から帰国したばかりの武藤大臣に対して「2019年9月25日の日米首脳会談」と関税、自動車の追加関税と数量規制、既に発表された鉄鋼・アルミ関税について質問。

 閣議決定されたものの、とくに法案にはならない、新しい「エネルギー基本計画」について、AIの電力などで使用量が増える前提となったことについて中立的に質問。通産省時代は「エネ庁石油部」だったことと原発依存度が低い中部電力労組の管内であることからあまり積極派でなかったものの、郵政解散の敗北で、「51歳の元代表」になってしまったものの、2008年に後輩の福山哲郎参議院議員に誘われるかたちで「民主党地球温暖化本部長」をあしがかりに復権したことをきっかけに原発推進派に転向したことから、多角的な見地から質問すること考えられます。質問通告には「高みに向けた挑戦について」という若手議員からは見られない項目も加えました。

 岡田さんは城山三郎さんの「官僚たちの夏」が出版された翌年4月に入省。その一方で、父の岡田卓也さんが元通産省官房長を同年末に「ジャスコ」の取締役に迎えており、裏取引説がアンチにあります。卓也さんの義母が関係全国団体副会長をつとめた厚生省とあわせて通商産業省と2つの内定をとっていますが、東京大学法学部は自分の実力で入ったので、さほど不公平感は持つ世論はありません。そもそも本人の意思とは何ら関係ありません。自民党の田村重信元職員が、大店立地法(監督官庁は都道府県)で便宜を図った2つの著書に書いたことを、東京地裁・高裁が「デマだ」と認定して、高裁では田村さんに賠償金の支払いも命じています。このような経緯から、岡田さんは初当選後に、厚生委員会を希望しますが、これも本人の意思と全く関係なく入会した竹下派「経世会」の先輩・粟屋敏信筆頭理事から、「岡田君、新人の中で君が一番最初に質問できるように手配してあげたよ」とささやかれたことが、逆に、小沢一郎さん・羽田孜さんの庇護下とはいえ、1期目で自民党を離党する大胆な行動につながりました。

 通産省同期のうち、岡田秀一さんが一番出世しましたが、一年後輩の安達健祐事務次官の下で経済産業審議官をつとめる異例の人事となりつつも、事務次官はゼロでした。細野哲弘資源エネルギー庁長官と寺坂信昭原子力安全・保安院長の2人は東日本大震災東京電力福島第一原子力発電所事故の責任をとって、更迭・退職しました。

 岡田さんは昨日の同党常任幹事会で、3月20日(祝日)から23日まで、北京・南京・上海を訪れて「中国共産党との党間交流覚書」(昨年8月)にもとづく第1回(昨年8月を入れれば第2回)訪中団長として党費で訪問することが決定するなど、きょねん9月の幹事長退任後の半年も独自の存在感を発揮しています。

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参議院でも法案が審議入りの直前自民党議員総会で首相退陣論を西田昌司さんが発言、この時期は異例、石井準一国対委員長らと福岡資麿厚生労働大臣ら重要広範議案「年金法」の提出で水面下で混乱

2025年03月12日 18時16分13秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]およそ15年近く、自民党に割り当てられている、参議院の本館2階の皇居側の「第十控室」、8年前の2017年5月、宮崎信行撮影。

 当ニュースサイトは、衆議院予算委員会が始まると、日ごとの読者数をうつす「IP」が減ってしまう珍現象があります。今年も16%減りました。ところが、ページビュー(PV)数は1・6倍に増えました。衆通過後は、IPは元の水準に戻りつつも、増えたPV数は維持できている理想的な運営ができています。

 「所得税法改正案」(217閣法1号)が参議院本会議で審議入りする直前の、参議院2階第十控室、自民党議員総会で西田昌司さんが石破茂首相の辞任を求めたと、報じられました。西田さんは3期、66歳。西田さんは税理士として70ほどの社長の確定申告をしており、繁忙期を終えて、とくに衆側の審議は見ずに上京して、世間の空気を代弁したのかもしれません。京都2人区では、3年前に自立維共の乱戦となりました。西田さんは元安倍派で、政務三役の経験はありませんが、全国市町村会館で地方議員団と待ち合わせる様は完全に古い地元政治家です。自民党は「総裁選前倒し規定」があり、国会議員だけの過半数で総裁選を実施できます。決選で石破さんに入れたうち、今日現在現職国会議員なのはいずれにせよ半々前後ですから、予算成立後に動きがあるかもしれません。

【参議院予算委員会 きょう令和7年2025年3月12日(水)】
 「令和7年度予算案」は6日目で、一般質疑1回目の片道方式およそ4時間強コースがありました。

【参議院本会議 同日】
 「所得税法改正案」(217閣法1号)が加藤財務相から趣旨説明され、石破首相、加藤財務相が答弁しました。参は、衆から3月4日に、「閣法1号乃至3号」と「衆法9号及び10号」の5法案の送付を受けています。このうち審議入り第1号となりました。重要広範議案4本(所得税法、能動的サイバー防御、給特法、年金法)のうちの1本。
 質疑では茨城2人区で当選後に、国民民主党・新緑風会に入会した堂込麻紀子さんも登壇し、基礎控除と暫定税率の自公国3幹事長合意について問いました。

【参・議院運営委 同日】
 茶谷栄治・公正取引委員長候補が所信を述べて「競争政策の果たす役割は大きい」と語りました。昭和61年、旧大蔵省入省で、証券局(現在は財・金分離で金融庁)を経て、前財務事務次官。財務事務次官の出身県は参議院1人区多い傾向にありますが、茶谷さんは奈良県出身で、そのアクセントで話す傾向がありました。衆の審議はあすになります。

【衆・政治改革特別委員会】
 最後に大串博志さんら立有参の「216衆法10号」、小泉進次郎さんら自民の「217衆法4号及び5号」、青柳仁士さんら維新の「217衆法14号」が審議入りしました。企業団体献金禁止は3月末までに結論を出すことが合意されています。
 これに先立つ、政治改革に関する件「企業・団体献金の在り方」自由討議は、平成6年1月の政治改革4法の「総総合意」をめぐり言った言わないの大論争になりました。江田憲司さんは、附則の「検討の5年間」の後ろ半分を知っているとして、与党・社民党の土井たか子党首が企業献金を廃止するよう「自社さ3党首会談」で迫ったのに、橋本龍太郎首相は「企業献金がないと事務所が回らない」と存続を決めたと語りました。これについて、そのような史実はないとの指摘が殺到しました。小泉さんが、総総合意で企業献金廃止が含まれるのか、立憲民主党が党内で小沢一郎さんに確認するよう要求。江田さんは細川護熙首相の当時の記者会見での発言を重視すべきだとし、伊吹文明さんは当時は総総合意の核心に迫れる幹部議員でなかったと語りました。

【衆・厚生労働委】
 福岡資麿大臣の所信的あいさつに対する質疑を2回に分けて行うことになり、まず立憲の3人いる代表代行の筆頭である長妻昭さんが質問しました。

 長妻さんは「まず年金が心配なんですね。何か年金法案を出す出さないで揉めてるというとんでもないことが起こっているようでございます。これ重要広範議案にですね、国会に予告をして、国会が自民党も合意して重要広範議案にしてんですね。4本指定してるんですね今国会では、そのうち3本はもう全部出てるんですよ、過去ですね重要広範議案の法案が提出されなかった事例は1回もありませんということなんで、これですね大臣もよくご存知だと思いますが、去年のですね、財政検証ではっきりしたんです。何がはっきりしたかというと、就職氷河期世代以降の方々が、受給するときに基礎年金が3割、実質価値が減る、3割目減りするということははっきりした去年そしたらですねこれ法案を出すというのは、通例なんですね。就職氷河期の方々で最年長がおそらく今54歳ぐらいだと思うんですが、ですから10年ぐらいすると、どっとですね順次年金受給になってくるんですよ。これをどうするかっていうのが喫緊の課題にも関わらず、そういう就職氷河期世代以降の方を見捨てるんでしょうか。法案出さないということは、ひどい話だというふうに思います。審議会の先生方もですね長期間綿密に本当にですね、審議をされておられて、こういう報道が出ること自体も怒っておられる方も多いんですね。これは間違いなく出していただいて、きちっとした議論をしなきゃいけない」と述べました。

 これに対して、福岡大臣は「今回の法案では、国民のライフコースが多様化する中で経済が好調に推移せず、基礎年金の調整期間が長期化する場合の備えとして将来の基礎年金の底上げを図り特に氷河期世代以降の若い方に幅広く恩恵が及ぶよう、基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了すなわち当面の年金額の抑制措置の期間を短縮できる仕組みについて検討しているところでございまして、引き続き提出に向け各方面のご理解を得られるように努力してまいりたいと考えています」「もう一度、提出に向けまして各方面のご理解を得られるようにまさに作業をしている最中でございます。(あさっての閣議までに決定できなければ大臣として責任を取るのかという)その仮定の話についてはお答えを控えさせていただきます」と語りました。

【衆・農林水産委】
 所信に対する質疑。その後、「土地改良法改正案」(217閣法22号)が趣旨説明されました。法案審査の質疑は次回。

【衆・財務金融委】
 「関税定率法改正案」(217閣法6号)の質疑の1巡目の3日目。

【衆・法務委】
 大臣の所信的あいさつに対する一般質疑。立憲は有田芳生さんが統一教会とオウム真理教地下鉄サリン事件の30年を問いました。この後、「裁判官職員定員法改正案」(217閣法14号)が審議入りしました。

【衆・文部科学委】
 あべ俊子大臣の所信的あいさつに対する一般質疑5時間コース。この委員会は重要広範議案(給特法閣法9号)の審議が予定されています。一般質疑では、埼玉3区比例の立憲・竹内千春さんが同県の嵐山町にある国立女性教育会館の法案が一年以上遅れていることに関連して、改正法案が成立した後の建物の使い道や利用者からのヒアリング状況を内閣府に問いました。

【衆・国土交通委】
 参に1日遅れて、大臣の所信的あいさつがなされました。

●衆・消費者問題特別委は理事懇談会を開きました。定例日の経済産業、外務、内閣の各委員会は開催されませんでした。

【参・東日本大震災復興特別委員会】
 黙とうの後、大臣では伊藤忠彦復興大臣だけが所信的あいさつをしました。衆側は、災害と合併したので、復興、防災、防災庁設置担当の3大臣が出席する形式となっています。

●立憲常任幹事会
 水曜日に繰り下げて開催されました。岡田克也常任顧問を団長とする訪中団を3月20日から23日まで党費で派遣することを決めました。随行は、石川かおり、梅谷守、伊藤俊輔の各議員。きょねん8月の政党間覚書にもとづくもの。なお、先方から、5月はメーデーで休みだから来ないでほしいと言われたことも、大型連休ではない3月の訪中日程に影響したとみられます。
 企業団体委員会と政務調査会が連携して「経済団体等交流フォーラム」を新設することが決まり、今週は日本鉄鋼連盟、来週は日本スーパーマーケット協会と業界の現状、課題をヒアリングすることが報告されました。
 党員の獲得状況が発表されました。それによると、一般党員と協力党員は合計12万2030人に増えました。県別では、都連が1万5872人、道連が1万0527人、神奈川県連が1万0058人で、この3つが1万人を超えました。一方、高知県連はわずか86人にとどまっています。東京政治部や労組中央組織の全国一律での「野党共闘」だとか「維新躍進」といった報道や選挙対策が意味をなさない時代を映していると思います。だからといって、斎藤元彦知事や、石丸新党を持ち上げていても、全体は見えないと思います。

●あすの予定。参・予算委の中央公聴会では第3部に「日本未来の党」共同代表だった飯田哲也さんも登場。午後3時54分散会予定。衆・予算委は午後3時50分に開会すると設定されました。石破首相の10分程度の発言とそれに対する質疑がなされます。野田佳彦さんと玉木雄一郎さんは自ら質問。また、衆・憲法審査会が今国会初めて開かれ、一時要件をを失っていた有志の会が復活し、れいわ新選組の大石あきこさんも自由討議に登場する予定。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読くださり、ご寄付をお願いします。 
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衆参野党国対委員長会談で「予備費では、違憲」と3党合意の維新も同調で、予算案は参議院で再修正し、衆議院へ回付へ

2025年03月11日 18時33分13秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]日本維新の会の高木かおり参議院国会対策委員長、3年前の2022年5月、大阪府内で、宮崎信行撮影。

 野党、与野党国対会談に前後して、衆参野党国対委員長会談が常任委員長室で開かれました。この後、日本維新の会の漆間譲司、高木かおり衆参国対委員長から「3党合意の維新としても、予備費支出だけでは、憲法違反だと考える」との趣旨の方針が明示されました。坂本哲志国対委員長は「参で再修正する」と確約しました。あさっての中央公聴会の裏で、衆で集中審議をする案は、石井準一・参自国対委員長がつっぱねました。

【参議院第1種常任委員会 きょう令和7年2025年3月11日(火)】
 福島市の式典など東日本大震災関連行事が優先されたため、予算委が全く開かれませんでした。第1種常任委員会は、参は掛け持ちができませんので、午前10時から一斉に開かれました。但し、武藤経産相はラトニック新・商務長官とグリア・新通商代表(USTR)と会談しているので、委員会は開かれませんでした。また、衆参とも定例日が火曜と木曜のみとなる総務省は、衆参同日だったので、参は昼過ぎになりました。

 三宅伸吾・財政金融委員長は、会議の冒頭で「足立敏之前委員長は昨年12月27日逝去されました。誠に哀悼痛惜にたえません。また、東日本大震災からの発災から本日で14年を迎えます。ここにお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげささげたいと存じます」と述べ、1回黙とうしました。

 大臣の所信的あいさつがありました。

 そして、委員派遣の報告がありました。このうち、外交防衛委の視察では、呉市役所を訪問し、呉市長・市議会議長から製鉄所の跡地における多機能な複合防衛拠点の整備に関して経緯を聞いたとしました。呉市が防衛省に要望する7項目の説明も受けました。その後、市長らと議員らが、防衛省より先に呉市が検討していた活用案や、呉教育隊の移転を前提にした自衛官募集の連携でのウィンウィンの関係性に関して、議論を交わしたとしました。

 国土交通では、小西洋之委員長を団長として、愛知、岐阜県を訪れ名鉄タクシーからライドシェアの説明を聞いたとしました。他の委員会も含めて、地方整備局など地方支分部局の国家公務員一般職の採用の人手不足を目の当たりにすることが多かったようで、SNSの活用の必要性といった派遣委員の視察後の感想も加筆した報告がなされました。

【衆・財務金融委員会】 
 「関税定率法改正案」(217閣法6号)の法案審査2日目(趣旨説明だけの日を含む)で、1巡目の質疑として野党のみ1時間コースで質問しました。あすも9時から。
【衆・地域・こども・デジタル特別委】
 平将明・デジタル相、三原じゅん子・子ども家庭相、伊東良孝・地方創生相が所信的あいさつ。そして、議員立法「第215衆法1号」(マイナンバー)が立憲議員の申し出により、撤回することが全会一致で認められ、廃案。
【衆・安全保障委】
 外相、防衛相が所信的あいさつ。
【衆・農林水産委】
 「令和の米騒動」に見舞われている江藤拓農相の所信的あいさつで、大船渡の山火事の鎮圧についても言及しました。
【衆・環境委】
 浅尾慶一郎環境相が新・COP条約の社会実装など所信的あいさつをしました。
【衆・総務委】
 一般質疑。
【衆・議院運営委員会理事会】
 本会議は開催されませんでしたが、午前11時から、議運の理事会は開かれました。
【衆・情報監視審査会】
 開かれました。岡田克也さん、本庄知史さんらが会員となっています。

●あすは10時から参議院本会議、午後1時から参議院予算委員会が開かれます。さらに、参議院議院運営委員会は、公正取引委員会の委員長候補である茶谷栄治・前財務事務次官(昭和61年大蔵省入省)から午後1時ごろから所信聴取と質疑をする予定。

●「全国維新」立ち上げの事務局長的役回り・藤川晋之助・元大阪市議逝去

 元大阪市会議員で選挙プランナーの、藤川晋之助さんがけさ亡くなりました。藤川さんは、日本維新の会の石井苗子参議院議員(全国比例で2期目、地元事務所は会館)の政策担当秘書をつとめ党幹部の信認もあつく「全国維新」の事務局長のような役回りをしていました。国会閉会中には、石井議員が、東北の旅館を泊り歩くような感覚で、県選管に政治団体の設立届を出して回りました。これにより、例えば、仙台市議会(総定数55)では、全5選挙区で1人ずつ公認新人が当選したので「維新は0議席から5議席への大躍進」との見出しが立つような印象を与えました。また、石井議員は、都内では、区政報告会も丁寧にまわり周辺の仕事もしています。石井議員ら「全国維新」の藤川さんの活動や貢献は、馬場伸幸前代表らも、当然のことながら一目置いていたと思います。藤川さんは、もともと、三重県の山本幸雄議員の竹下派秘書軍団の出身で、その後、「藤川基之大阪市議」としても活躍。「小沢ガールズ」と呼ばれた三宅雪子衆議院議員の政策担当秘書をつとめたのち小沢一郎さんの「日本未来の党」が大きく議席を失ったことで大阪維新の会に流れた地方議員・国会議員秘書ら元・小沢秘書軍団も「東京・永田町、パレロワイヤルに藤川さんがいる」と精神的に頼っていました。吉村洋文代表も「全国維新最大の功労者・藤川さん」と評価しているだろうと推測されますが、同党内の「主流派・大阪組」と「前主流派・東京組」の隙間風に影響が出るのはひっしと思われます。

 ちなみに、石井議員が閉会中に各地を渡り歩きながら地方組織づくりをしていることを、本会議場すぐ近くの立憲民主党議員は「全く知らなかった」と驚いていました。

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