[写真]参院選の全国比例の候補(予定者)、いそざき哲史(磯崎哲史)さん、いそざき哲史公式サイト内「メディアキット」から。
昨日の「YouTube動画書きおこし」エントリーが好反応だったので、続けます。
きょうは、全国比例の新人の、いそざき哲史(磯哲史、いそざきてつじ)さん。
自動車総連組織内候補です。まあ、私は外野手(ライトかセンター)で、詳しい人は「おいおい産別の候補は産別にまかせろよ」と言うでしょうが、YouTubeにのせた動画を書きおこしちゃいけない、などということはありえません(参照:日本国憲法21条など)。
[書きおこしスタート]
みなさん、こんにちは。いそざき哲史(てつじ)です。本日はお疲れのところ、本集会にお集まりいただきましたことを心より感謝申し上げます。
さて、日頃より、私への支援を広げる活動に組合員のみなさまがご協力いただいておりますことに、重ねて深く感謝を申し上げます。
昨年1月(2012年1月)より、みなさんにご協力をいただきながら、全国の仲間のみなさんを訪問する活動をずっと続けて参りました。
(摂氏)30度を超える猛暑のなかで、ツナギを油まみれにして汗だくになって働いている(工場の)仲間。
真冬の雪が降りしきる中で、お客様の車を素手でていねいに洗う(販社の)仲間。
そうした仲間のお一人お一人に会い、地域は違っても、仕事は違っても、懸命に働く仲間のみなさんの思いと現状を、深く、深く、心に刻んで参りました。
そして、今改めて思います。なぜ、こんなに真面目に懸命に努力をしている仲間、そのご家族、若者、子どもたちが、こんなに不安を抱かなければならないのか、やりどころがない不満を抱きながら生活しなければならないのか。
額に汗して真面目に働く者が将来に安心できる環境をつくっていかなければなりません。自動車関係諸税の(シンプル化の)とりくみで、私たちは結果を出しました。(自民党政権時に)40年間も実現できるかどうか分からない不安があるなかで、訴え続けてきました。そして、昨年その税金の体系に風穴を開けました。まだまだ、活動は途中です。この活動をさらに続けて行かなければならないと思っています。私はあきらめたくないんです。何としてもこの活動、石にかじりついてもでもやり抜いていかなければならないと思っています。
自分たちの将来を安心できる環境をつくるために、みんなで声を上げましょう。活動を続けていきましょう。
私を自動車の仲間の代表にしてください。
お願いします。私は必ず仲間のみなさまの思いを形にします。よろしくお願いします。本日はありがとうございました。
[書き起こしは以上です]
ということで、いそざき哲史さんの自動車総連の働く仲間への思いでした。
いそざき哲史さんは44歳。もちろん、自動車総連の働く仲間全員の代表ですが、日産労連からの挑戦です。日産労連は先代の「寺さん」寺崎昭久さんの引退から12年間全国比例の参院議員を出していませんでした。12年ぶりに日産労連にお鉢が回ってきたということは、NRP(日産リバイバルプラン)の後では初の全国比例新人ということになります。奇遇にも、私はNRP(ゴーン・ショック)のとき、私は日経新聞横浜支局県内自動車業界(おもに県内販社と、県内に本社があるメーカー、部品会社)をメーン担当していました。まあ、NRPの前と後で、同社広報の態度は豹変しましたが、そんなことはどうでもいい、ある意味人として当然ですから、なんとも思っておりません。
いそざきさんは、44歳と若いですが、次に日産労連の新人にお鉢が回るのは、12年後56歳になりかねないので、さっと決意を固めたのでしょう、と推測します。
きょうの読売新聞にトヨタ自動車本社が愛知県内工場の期間従業員を募る求人広告を出していました。円安もあり、自動車産業も求人増ということのようです。アメリカでは、UAW(United Auto Workes)という産別があり、聞くところによると、フォードのラインは本数は違うかも知れませんが、フル稼働に戻っているようです。終身雇用で健康保険などいたれるつくせりだったフォード。
さて、選挙の事前情勢ですが、連合傘下の産別から9人が立候補を準備を進めています。全員当選は極めて厳しい情勢です。ただ、産別候補は、どんな順風のときでも1人、2人取りこぼすところがあります。ですから、しっかりと組織内を固めるだけでなく、「政治離れをしている組合員」あるいは、協力会社など組織化されていない自動車産業で働く人が「自動車の仲間の代表」という意識を持つべきだと考えます。だから、外野手というより、観客席なので、このブログを書きました。
そして、火力発電用燃料の輸入で、少なくともあと数年、我が国の貿易赤字は続きます。それを縮小する力を持つのは、自動車産業しかありません。自動車産業で働く人は、全員が経済界の日本代表チームのメンバーです。
いそざき哲史候補(予定者)の背中を押すことで、「自分の将来を安心できる環境」と同時に「日本人全員が将来を安心できる環境」も、つくっていただきたい。国家を担って額に汗する人は鮮やか。必ず報われます。
[写真]定例記者会見する細野豪志・民主党幹事長、2013年6月27日(木)、民主党本部内ホール、民主党ホームページ写真から。
民主党の細野豪志幹事長は、2013年6月27日(木)の定例記者会見で、自民党の安倍総裁(首相)が前日の記者会見で「この参議院選挙、負けるわけにはいきません。必ずやねじれを解消しなければなりません」と強調したことに関して、仮に衆参ねじれが解消したら、消費税増税の負担軽減に関する自公民3党税制協議について「慎重に考える」と述べ、離脱することを示唆しました。
ところで、政治記事用語の「党幹部が示唆する」の「示唆する」とは、「それとなく気づかせる」「その可能性を否定しない」という意味です。「明示する」と字面が似ていますが、全く違います。
記者会見で 細野幹事長は、「政権再交代直後は、(自民党税制調査会などは民主党の)税調に配慮してきたが、社会保障制度になると不熱心で、(現在まで)そういう対応にとどまっている中で、慎重に考える、ということです」と述べました。
衆参ねじれが解消した場合は、自公民3党税制協議から離脱し、消費税増税の負担軽減などの税制改正協議を、公明党と自民党だけにまかせ、国会提出後に民主党が審議・採決に参加するだけの対応にとどまる可能性を示しました。
昨年6月の3党合意にもとづき、衆院選挙後も民主党は松本剛明税調会長が、自民党の野田毅税調会長と協議して、「平成25年度国税改正法(平成25年法律8号)」 には、はじめから附則に民主党の意見を入れたうえで、政府が国会に提出し、無修正で成立しました。
昨日閉会した第183通常国会では、昨年6月から積み残した「マイナンバー法」(平成25年法律27号)」と消費税転嫁法が成立し、税制分科会の3党合意の法律化はとりあえず完成。「一体改革」の片方である社会保障分科会の3党合意の実現に関心が移ったところ「社会保障制度改革国民会議」が「民主党の最低保障年金は残された課題」などとして先送りするかまえをみせています。
公明党が要望した2014年4月1日の消費税8%時の「米、味噌、醤油、新聞への軽減税率」は自民党などの反対で先送りが決定。2015年10月1日の10%時の実現についても、自民党は消極的。
一方、民主党がマイナンバーの先に見すえる「給付つき税額控除」ですが、参院選の結果にかかわらず、「衆院の57議席で、任期2016年まで」では、第46期衆議院の第2次野党民主党での法制化は時間的にも、議席的にも、「残された課題」。そのため、消費税増税にともなう低所得者や住宅購入者への負担軽減は、公明党と自民党に任せる可能性がでてきました。
参院選の国民的争点というよりも、参院選の永田町的争点が浮上しました。
【追記 2013年6月29日(土)午後6時】
[民主党幹事長会見録から部分抜粋引用はじめ]
○3党の税制協議について
【フリーランス・宮崎記者】
仮に参院選の結果衆参ねじれが解消した場合、民主党が税調3党協議から外れて、消費税の負担軽減策などは自・公だけで協議し、政府提出法案として国会に出してもらう可能性はあるのか。
【幹事長】
そこは慎重に考えないかんでしょうね。去年のあの消費増税のときの経緯がありますので、私どもとして税の3党協議もそうですし、社会保障と税の一体改革の3党協議もそうですけれども、どうするかは慎重に最終的には判断していく必要があると思います。
ただ、1つ言えることは、政権がかわった瞬間に、税調の場合はかなり丁寧にやっていると、与党の皆さんも民主党に配慮している面があると思いますが、特に社会保障と税の一体改革については非常に不熱心ですよね。実質的に年金とか高齢者医療などについて具体的な案が与党から出てきていませんから、そこは私は極めて問題が多いと思いますね。
そういう対応にとどまっている中で、この協議をどう考えるのか、そういう段階までは来ていると思います。特に社会保障と税については、本当にやる意味があるのかどうかについて、真剣に考えなければならない状況にあると思います。
【フリーランス・宮崎記者】
可能性はあるということか。
【幹事長】
慎重に考えなければならないと。
[部分抜粋引用おわり]
【追記おわり】
2013年7月4日(木)公示、2013年7月21日(日)投開票の第23回参議院議員通常選挙から、インターネット選挙が解禁されます。
そこで、断続的に、私たち選挙権者の立場から、どうやって民主党を立て直し、第47回衆院選(2016年7月~12月か)への挑戦権を維持するかについて、書いていこうと思います。
私は政治学科卒ですが、アメリカ大統領選の投票行動分析の「エリー調査」という研究成果などによると、投票先の決定は「友人・知人・家族からの働きかけ」が4割以上と圧倒的です。「選挙公報を読んで」が2割程度ありますが、「ポスターを見て」はわずか2%程度です。
このごにおよんでも、民主党に失望して離れていった人を取り戻し、背中を押す決定力が大事です。
さて、再来週の水曜日の7月3日(水)午後11時59分までにすべきことはなんでしょうか。
【候補予定者のサイトのアドレスを友人に紹介したり、応援メッセージを書き込むことは公示前でもできる】
ただ、立候補予定者の個人サイトは意外に知られていない場合が多いので、サイトの存在を多くの人に教えてあげましょう。例えば、「石井一 Supporters Page」(http://www.facebook.com/hajime141)のアドレスを、メールで送って、「いいね!を押してね」と案内したり、応援メッセージ(例「民主党に頑張ってもらわないと、自民党の利権政治が復活します。ズルズルと落ち込まないよう知恵を絞って下さい。」)を書き込むことは、公示前でもできます。まず、口頭も含めた全媒体で「全国比例は石井一さんに投票してください」「全国比例は大島九州男さんに一票を」 といった「投票依頼」はできません。事前運動になります。
【公示後に向けて、取材する】
どのようなメッセージをSNS(ブログ、フェイスブック、ツイッター、2ちゃんねる、ニコニコ動画コメント、YouTubeコメント)で発信するか。習熟度、リテラシー、時間的自由、フォロワー数などで違いがあります。しかし、一つだけ共通するのは、できるだけ短い文章で、多い内容を伝えるということです。そのために、取材しましょう。
まず、選挙区の定数や、立候補予定者を確認します。例えば三重県は定数1で、自民党の候補予定者の吉川有美さんは、新人です。民主党の高橋千秋さんは現職ですし、3年3ヶ月間与党議員として副大臣・政務官を務めました。この構図を理解した上で、短くどういうメッセージを発信するか。
例えば、三重県なら、「岡田かつや後援会会報2013年夏号(33号)」、プレス民主号外三重県連版5月9日号に高橋千秋候補予定者と岡田克也さんの対談が載っています。
高橋千秋さんは副大臣もやりましたが、岡田さんは「経産政務官として最も力を注いだ政策と、その成果についてお聞かせください」との最初の質問に対して「事業仕分けです」と断言。岡田さんの「具体的には?」との質問に対して、高橋さんは「経産省所管の競輪の関係です。パリに事務所を置くということがありましたが、不必要との判断で廃止させました」と答えています。正直、私は競輪が経産省所管ということを忘れていましたし、パリ事務所構想というのは具体的に知りません。かつて自民党では同省の大臣になると、経団連が自動的に後援会をつくってくれ、自民党総裁選コースに載っていきました。高橋経産政務官も似たようなことができたかもしれませんが、「事業仕分け」した。これは自民党ではできません。さらに自民党の中でも新人ならば、そもそも政府の役職の経験があるわけありませんから、まさに「異次元」の実績の違いです。三重県民の方は、より詳しく調べてみたりしながら、短いメッセージを用意して欲しいと考えます。
そして、7月13日(土)午後11時59分の選挙運動終了までに、こちら。
この写真ですね。「岡田が言うなら高橋でしょうがないか」。習熟度が違っても、「いいね!」と押すことはできるでしょう。あるいは、投票所記載台でそれを表現することができます。
「岡田かつや・たかはし千秋対談」のネット版はこちら→http://www.katsuya.net/taidan2013.html
【ブログ、FB、Twitterの特性を本で学ぼう】
SNS(ショーシャル・ネットワーク・システム)を、バイブル的なガイドブックを机上におかずに使う人がいますが、それは無理です。
例えば、2016年をみすえて、この参院選からブログを始めるという人は、インプレス社の「できるシリーズ」が使いやすいです。例えば、Googleの検索のひっかかりが上がるノウハウもこういった本を読めば簡単に分かります。Twitterは税制改正決定直前に政策を反映させるためには良いと思います。参院選に向けては、FB(フェイスブック)の方が力が強いと思いますが、松宮義仁さんの本も手頃です。FBを使う人はほとんどが「自分の顔が映った写真を載せるといいねが増える」ということを経験で学んでいるかも知れませんが、この本を先に読めば、数分で知れる法則に過ぎません。
有権者が電子メールで投票依頼することはできません。でも、「全国比例の大島九州男さんの演説会があるので、行こう」という連絡はできます。あるいは全国比例のしくみについて説明することはそれ自体が選挙運動にもつながっていきます。そのためのインプットも大事ですが、アウトプット先の整理も必要です。
思い立ったら吉日、名刺整理、年賀状整理を休みの日に一気にやったらいいかもしれません。選挙は、個人と家庭と社会の出入りです。選挙を活用して、自らを高めようという当事者意識が必要です。公示前の準備は、防災訓練のようなもので、そなえよつねに、の当事者意識があって初めて当事者能力を持てます。
まだまだ、いろいろと書いていきます。
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2013年6月13日(木)の東京証券市場は、安倍晋三内閣があす閣議決定する成長戦略「日本再興戦略」の実行力に国際的な失望が広がり、日経平均は800円以上下げました。大引けでも1万2000円台になる見通し。前場の日経平均225種のうち、唯一「関西電力」だけは株が上がっており、「原発再稼働」をのみ評価されている状況。225種の中では、首相の地元にある「ユニクロ(ファーストリテイリング)」がもっともマイナスになっています。
円高も94円台になり、輸出企業総崩れの状況になってきました。GPIFによる株の買い支えも厚生年金の運用評価損という最悪のシナリオが現実化しそうです。
とくに3本目の矢の成長戦略について3回スピーチしたが、これは第1弾で、秋に第2弾、第3弾を出すとした日曜日の安倍晋三首相による「戦力の逐次投入」発言や、秋に税制改正法を成立させ投資減税をするという古典的手法が失望売りにつながったようです。
今週は黒田緩和から2度目の日本銀行金融政策決定会合で金融政策が維持されました。これは正しい。しかし、これにより、金融再緩和期待がなくなるという悪循環から、マネーの手じまい感が出てきました。円高により、輸出企業の設備投資にも冷や水をかける格好に。
先週金曜日には、実態経済でポジティブな数字が出たら、ダウ平均が下がるという現象が起きました。これは実態経済がポジティブだから、金融緩和が早く終息するのではないかというネガティブな反応があったということで、「実態経済とマネーマーケットの乖離」どころか、「実態経済とマネーマーケットの逆転」という大変危険な状況が出てきました。
このため、既得権益業界団体との関係で、マネーマーケットへの反応がにぶい安倍自民党に対して、冒頭の写真のように、6年前のように、都議選・参院選敗北を期待する声が出始めています。
[画像]2004年の岡田民主党の第20回参院選「奇跡の夏」を報じる新聞。
岡田克也さんはブログで「参議院選挙が近づいてきました」とし、「民主党に対して大変厳しい状況であることは変わりませんが、少し状況が変化しつつあるのではないかと、期待感を込めて思っています」と反応がよくなっていることを明かしました。
そこで、思い出されるのは、2004年の第20回参院選、「奇跡の夏」です。
みなさん、もうお忘れでしょうが、実は、岡田さんは野党時代に1度だけ、短い期間、民主党代表を務めたことがあります。これは2004年通常国会のさいちゅうに、菅直人代表が国民年金未納問題で「未納3兄弟」という今でもよく分からないギャグをとばしたところ、ブーメランで菅代表が辞任し、参院選の敗北が確実視される中、火中の栗を拾う格好で岡田幹事長が無投票で代表になりました。さらに投票直前に拉致被害者の曽我ひとみさんと夫ジェンキンスさんが再開するという小泉サプライズ劇場。しかし、このとき、熱く抱擁することを自民党政府から期待された2人が、いきなり激しく接吻するという、逆サプライズで、日本人受けしなかったこともあり、第20回参院選で1人区こそ13勝14敗でしたが、全体では50議席で改選第1党、比例では2100万票の大量得票という大勝利となりました。2度のピンチを見事に岡田民主党はバネにかえました。
大胆な規制改革論者と知られる岡田克也さんの党が第1党になったことは、世界的にも話題になり、TIME(タイム)も記事にしました。
[写真]岡田民主党大勝利を速報する、TIME2004年7月26日・8月2日合併号。
2013年7月4日(木)公示、21日(日)投開票の第23回参院選。海江田万里代表、細野豪志幹事長は大逆転勝利を実現できるでしょうか。
2004年「奇跡の夏」、2007年「逆転の夏」、2010年「反省の夏」を経て、2013年「選抜の夏」へ。
岡田さんは「大事なことは、やはり、政権交代が可能な政治状況です。そのために、民主党がしっかりと踏みとどまらなければいけません」と語っています。
夏だけど選抜。強い者だけ残ればよい。
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第23回参議院議員通常選挙は、2013年7月4日(木)公示、7月21日(日)投開票で行われることが決まりました。
安倍晋三首相が2013年6月9日放送の「NHK日曜討論」で日程を断定しました。
参議院議員通常選挙の公示は、日本国憲法第7条「天皇の国事行為」で内閣の助言と承認が必要。このため、首相の一存で、閣議決定ができます。
アベノミクスで大暴落。
2013年5月30日(木)大引けの日経平均株価は1万3589円03銭で前日比737円43銭安。とくに安倍晋三首相の地元、山口県に本社がある「ユニクロ」は、3万3200円で、前日比11・11%の大暴落となりました。225銘柄の日経平均と違い、全銘柄のTOPIXは相対的に下げ幅は少なく、値がさ株を中心としたマネーゲームが続いていたことをうかがわせます。一方、長期金利は前日とほとんど変わらず(0・05ポイント低い、国債価格は高い)。この日の東証は出来高40億株、売買代金3・5兆円で、株を売ったマネーが国債を買うのが定石となっていますが、長期金利がほとんど変わらなかったことで、マネーの行方が不透明になっています。
長期金利上昇が冷や水を浴びせて、日経平均先物の下落が現物株も下げた格好。完全にマネーゲームです。さらにこの半年の株価上昇局面でも売り買いが交錯しており、個別銘柄では、実業の中位株はあまり上げっていません。アベノミクス(アベノリスク)は参院選後に向けて、2番底、3番底、4番底、5番底の懸念が出てきました。
「大暴落で大勢のアメリカ人は財産を失った。しかし社会的地位の高い人にとっては、財産よりも名誉を失ったことの方がはるかに痛手だったにちがいない。知性や先見性に対するかつての信頼が、一気に失われた。さらに不幸なことに、嘘つきだという烙印まで押されてしまったのである」(ジョン・K・ガルブレイス著、村井章子翻訳、『大暴落1929』の237ページから)。
6年前の参院選では「最後のお一人まで年金をお支払いします」との公約を「嘘つき」と有権者から断じられた安倍首相。もちろん、後に長妻昭厚労相の手により、消えた年金は大部分が回復しました。
6年たった安倍首相、菅義偉・内閣官房長官、甘利明経済再生相が「嘘つき」との烙印を押されないよう、百千万億倍もご用心あるべし。
[画像]6年前の参院選でぬけぬけと嘘をついた安倍首相(自民党総裁)、テレビ朝日ニュース映像から。
関連エントリー)◎安倍首相の公約は嘘と判明「すべての名寄せ不可能」厚労相
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[写真]「「各メディアの世論調査の数字が、逐一、自民党幹部の手元に届けられる」。山本一太IT政策担当大臣(自民党清和会、参院選群馬選挙区で今夏改選)、自民党ホームページから。
経世会が汗をかき、宏池会が知恵を出し作り上げてきた「品格ある国家」日本を、あっと言う間に崩した悪の枢軸=清和会。
その清和会のIT政策担当大臣が、公職選挙法で、私たち有権者への公開(開示)が禁止された情報を独占的に入手している疑惑が浮上しました。
参議院群馬選挙区(定数1)で今回改選を山本一太・IT政策担当大臣(自民党清和会)は、2013年5月19日付のブログで「いずれにせよ、6月には、大手マスコミが全体の世論調査をかける。 そのデータがワッと流れると、全国で30ある1人区の情勢もたちどころに分かってしまう。7月以降(=選挙公示後)は、各メディアや各党の世論調査の数字が、逐一、自民党幹部の手元に届けられるようになる」と書きました。
公職選挙法第183条の3は
(人気投票の公表の禁止)
第百三十八条の三 何人も、選挙に関し、公職に就くべき者(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数若しくは公職に就くべき順位)を予想する人気投票の経過又は結果を公表してはならない
と定めています。
この立法趣旨は、選挙賭博により、下馬評が低い候補者が公職に当選してしまうどんでん返しを防ぐことにあります。
この条文に抵触しないために、新聞社の世論調査では各県ごとの候補(予定者)への投票意向が生数字で出ます。しかし、報道にあたっては、「自民党支持層の9割を固めて、民主党支持層の2割にも食い込んでいる」との表現で、生数字が分からないように書いてあります。これは、全体の回答者の中で自民党支持層と民主党支持層が占める割合が書かれていないため、公選法138条の3に抵触しないというコンセンサスです。
仮に生データを公表した場合は、公選法242条の2の定めにより、最高で禁固2年の刑になります。刑を受けるのは「新聞の編集を担当した者」となっています。
山本IT担当大臣のブログが事実とすれば、私たち有権者を調査し、新聞報道で「やや優勢」という報道しか目に出来ない世論調査の結果を自民党幹部が独占的に情報を囲い込んでいることになります。
山本さんは朝日新聞宇都宮支局記者出身の二世議員。新聞社内では、90年代に現場で取材した論説委員クラスが経世会系であるのに対して、2000年代に現場で取材した部長・デスククラスが清和会系という色分けで心情的に対立しているケースが多く、調査を清和会に流すことで、取材相手の歓心を買う部長・デスクがいるのかもしれません。
いずれにしろ、IT担当大臣自ら、公選法で禁止されたマスコミ調査の情報を自民党が独占していると吐露したことは、ビッグデータ解析という時代の流れの前に、オールド・メディアによる電話世論調査報道の歴史的終焉を暗示したかっこうです。
私たちが新聞を買っても、デジタル会員になっても得られない情報を清和会は新聞社から受け取っていることになります。情報とは権力の源であり、清和会が情報を独占することで、9月の自民党総裁選、12月の総選挙で下馬評を覆す大勝利を得たことが明らかになりました。
日本国民全員の総力を結集して、清和会を倒しましょう!
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第23回参院選(7月21日投開票)から、インターネット選挙解禁となりますが、クラウド上のビッグデータ選挙元年ということになるでしょう。
このブログは、筆者のパソコン上にあるのではなく、NTTレゾナント社の「goo」の中にあります。このようにパソコンではなく、サーバー上にある情報を、「クラウド(雲)」と言います。
有権者同士の投票依頼の電子メール送信が見送られてしまいました。残念です。ちなみに電子メールはパソコンですが、GメールやYahooメールなどのウェブメールはクラウドになります。ですから、電子メールでは、Gメールのやりとりによる情報はグーグル社が所有するビッグデータという財産ということになります。
このようなクラウド上の情報をビッグデータと言い、このビッグデータの解析技術が急拡大しています。
ビッグデータという言葉はまだ聞き慣れないかもしれません。
例えば、アマゾンの画面上で、オススメの本が紹介されるのもビッグデータの解析です。グーグルが無料なのは、広告収入よりもビッグデータの売却益を意識しているのです。フェイスブックも同様です。さらに、YouTubeとなると、動画なので、データ量が膨大になります。動画というビッグデータの解析は、テキスト(文章)に比べれば未開拓ですが、技術の進歩によっては、YouTubeの莫大なビッグデータが高付加価値で売買されるようになるでしょう。一方、アップルはビッグデータへの進出が遅れています。
こうなってくると、民主党お得意の、大手広告代理店のテレビCM、新聞広告丸投げはあまり意味がありません。
むしろ、民主党本部が主導して、高価で大量なビッグデータを購入し分析する業者と契約して、選挙区ごとに分けて、総支部長に有権者データを提供することが求められます。
民主党を構成する2つの柱。一つは生活者の党。もう一つは改革者の党。
前者においては、9割以上を占める公明党公認候補者がいない選挙区において公明党に好感する層への働きかけが有効でしょう。後者においては、みんなの党の公認候補者がいない選挙区で、同党支持者に働きかけることが有効になります。前者と後者で「口説き文句」は変わってきます。そこにもビッグデータ解析結果が反映されます。
第23回参院選はビッグデータ選挙元年になります。
非拘束名簿式全国比例では、選対は、特定の利益の関心がある人に全国どこでも働きかけることができます。
例えば、基幹労連の組織内現職がJAMの応援を受けて再選をめざしますが、基幹労連もJAMも必ずしも組織化が進んでいる産別ではありません。そこで、日本のものづくり全般に関心がある人に働きかけることが有効です。例えばグーグル検索で「ものづくり」「ハイテクニッポン」に関心を持っている人。しかし、選挙まで2ヶ月しかないし、ビッグデータは高額だし、分析し、選挙にいかすようなシステムを開発するのは間に合いません。だったら、フェイスブック、ツイッター、ヤフー掲示板などで、ものづくりについて書き込んでいる人にメールを送るという方法もあるでしょう。
一方、自民党のJA組織内候補は、TPPをめぐる党公約との齟齬もあり、葉たばこ農家や販売業者へのしめつけを強めています。今回は間に合いませんが、今後、この陣営を切り崩したければ、葉たばこの全量買い取り制度の廃止を求めているJTに目を付けます。JT製品(たばこ)を通信販売で買いだめしているJA組合員をビッグデータで割り出して切り崩すことも可能です。
つまり「名簿からビッグデータへ」という流れが第23回参院選から始まります。
そもそも、インターネットというのは書き込まずにただ読んでいるだけでも、どの県から接続しているか分かります。私が使っている無料のアクセス解析のクラウドサービスでも、例えば、「高市早苗さんの夫の山本拓さんが細野豪志さんをモナリザはいくらですか?とヤジったこと」に関心がある人は、参院選1人区に多いことが分かります。自民党本部は、未入閣の山本拓さんを、1人区に派遣すれば「高市政調会長のだんなが演説に来る」との口コミで意外と人が集まるかもしれません。
第47回衆院選小選挙区では、党本部や県連がビッグデータ解析業者と契約することになるでしょう。党本部から総支部へのしめつけがきつくなるかもしれませんが、80億円ものお金をテレビCM広告代理店に出費するようなばかげた兵糧の使い方よりもずっとマシです。もちろん、日時を絞ってCMを打ち、それを見て欲しいというメール作戦もできるようになるでしょう。永田町周辺で生き残れるのは、ビッグデータを購入できる超大手広告代理店なしいはシンクタンクと、スマートな個人営業の選挙コンサルタントに2極分化するでしょう。
インターネット選挙解禁とビッグデータ解析は、私たち有権者にとって有利になります。
グーグル検索を活用しましょう。私たちは自分の考えに近い陣営から働きかけを受けられます。すなわち、オーダーメイド型の選挙戦が参院で行われるようになります。インターネット選挙解禁で表現の自由が広がるのは、立候補者ではなく私たち有権者です。
グーグル検索もいいですが、今夏を見すえては、フェイスブックの特定のページに意見を書き込むのが、永田町から自分への橋をかけることになります。「絶対に自民党を支持します」と書き込んだら、選挙区で1人しか擁立していない場合は、陣営からの働きかけは逆にこなくなるでしょう。そのスタンダードの掲示板がどこになるか。とりあえずは、安倍晋三さんのフェイスブックに、ネガティブなコメントを書いている人に働きかけるのが、民主党陣営にとっては手っ取り早いような気がします。
「発信」としてはツイッターが気軽でしょう。ツイッターは、選挙後の日常でも破壊力があります。私はツイッターを使って政治倫理に問題がある中村哲治元議員を落選に追い込んだと自負しております。
一方、アイフォーンで、GPSを活用しながら応援演説会場のリポートをしても、アップルは「クラウドよりもダウンロード」がビジネスということになりますから、あまり効果がないのかもしれません。
このように、ビッグデータ元年の第23回参院選は、私たち有権者の時代の幕を開けるものです。個人情報の特定をおそれることなく、積極的に政治発言をすべきです。
ワイドショー政治から、オーダーメイドの選挙戦へ。
インターネット選挙解禁で得するのは、政治家でも、広告代理店でもなく、私たち有権者です。
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国会会議録検索システム(国立国会図書館ホームページ)
民主党ニュース(民主党ホームページ)
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[写真]平田健二・参議院議長。
報道によると、民主党員(会派は無所属)の平田健二・参議院議長は7月21日投票予定の第23回参院選(岐阜選挙区)に立候補せず、引退することを表明しました。3月5日の本会議では「質疑はなおございますが、これを次回にゆずりたいと存じます。ご異議ございませんか。異議なしと存じます」という上品な議事次第を披露するなど「平田カラー」が鮮明になっていたので、さみしいですね。
平田さんは「昨年10月に決断していた」とのことで、読者の一部は私が今国会召集当日のエントリーに「平田健二参院議員の任期はこの第183通常国会の閉幕直後に切れます(略)平田健二が参議院議長だったことを、忘れないで」と書いているので、当ブログのお得意の「知ってて知らないふり」をしていたのではないかと勘ぐる向きもあるでしょう。野暮ですよ。ほんとうにびっくり仰天しています。さみしいです。
自民党が第一会派のころから新進党勢が4人連続で参議院議長をつとめてきました。まさに良識の府です。昨年末、総理、副総理、内閣官房長官の新進党3羽ガラスが官邸を去りました。夏には、三権の長からも去ることになります。新進党勢が少なくなるのはやむを得ません。ただ、平田さんの任期は、7月27日までのはずですから、7月21日の投票日の週に院の構成のための第184臨時国会を開く可能性が高まりました。仮に安倍内閣が8月臨時国会を避けた場合は、9月に第185臨時国会を再度召集することになるでしょうが、一般法案の審査が大幅にずれ込むことが確実になってきました。
平田さんは、阪神大震災と地下鉄サリン事件で日本が不安のどん底にあった1995年夏、新進党新人として初当選。このときは、自民党公認の大野明さんと2人区の議席を分け合いました。小沢一郎なる者に新進党を解党されてしまった後は、私が担当していた「新党友愛」を経て、民主党結党に参画しました。政務三役の経験はありません。
イギリス庶民院の現在の議長も政務三役経験はありません。現在50歳で、在職期間も平田さんより2年短いのですが、労働党政権時代に議長になり、与党・保守党の一部からの支持もあり、政権交代後も議長をしています。ネクスト厚労相などの経験はありますが、リアル大臣の経験はありません。The Timesの寸評では「サッチャー流自由主義から民社主義に政治スタンスを変えてきた政治家だ」と現議長を評しています。このように英国議会では、政務三役コースと、議長・委員長コースは分かれる傾向があるそうで、今後は政務三役経験のない参議院議長も珍しくなくなるだろうし、あるいはそれも参議院議長らしさになるかもしれません。後世に「平田ルール」と呼ばれるかもしれません。
平田さんの1期目の「国会議員要覧」を引っ張り出して参議院の会派構成をみました。自民党が113議席、新進党はわずか48議席、公明が8議席でした。(第1次)民主党が16議席、社民党が20議席、太陽党が3議席。ここから考えると、二大政党の勢力が拮抗する今の伯仲参議院は望ましい姿です。民主党も非改選がありますから、参院選の結果が芳しくなくても、平田さんが新人だったころよりも多い議席を維持できることは確実です。衆院議員、地方議員がみんなで県連の参院議員をつくるという心構えをつくれば、道はいくらでも拓けるでしょう。新進党・民主党はたくましく変わりました。
一方の自民党。 大野ファミリーといえば、「院外団上がり」から自民党副総理に駆け上がり、東海道新幹線岐阜羽島駅をつくった大野伴睦(おおの・ばんぼく)さん。その息子が大野明さんで、運輸相・労相をつとめながら、衆院で落選し、参院に回りました。亡くなり、奥さんが跡を継ぎ、郵政民営化法で造反し、政局を混乱させました。そして、今夏は大野伴睦さんの孫にあたる県議が自民党公認を得たようです。自民党は何も変わりません。
民主党岐阜県連のみなさまには1人区になると、県の公共事業について知事などの要望を受けることが増える可能性があるということをご認識いただきたい。そうなると、ある程度実績があり、与野党の人脈があり、何よりもお金に清潔な後継者を県連内から選ぶのがベストではないでしょうか。
平田さんは「若い政治家が必ず政権を奪還してくれると信じている」と語ったそうです。
絶つ鳥跡を濁さず。多くの政治家に見習ってほしいです。
平田参院議長が引退表明(時事通信) - goo ニュース
平田健二参院議長(69)=岐阜選挙区=は10日、岐阜市内で開かれた民主党岐阜県連大会で「年齢的なものと、体調を含めて(考え)引退を決意した」と述べ、夏の参院選には出馬せず、今期限りで政界を引退する考えを表明した。
平田氏はこの後の記者会見で、後継候補について「近いうちに県連から発表できると確信している」と述べるとともに、「若い政治家が必ず政権を奪還してくれると信じている」と、民主党の再生に期待を示した。
[写真]民主党幹事長の細野豪志さん、2013年1月7日、民主党本部、筆者撮影。
民主党は2013年1月7日(月)、党本部で役員会を開き、この後、細野豪志幹事長が就任後初めての定例記者会見を開きました。野党になったので、私はてっきり5人くらいしかいないかと思ったら、現地には数十人の記者が詰めかけていました。3年3ヶ月の与党期では、参議院から党本部に下る道で必ず警察官からどこへ行くか聞かれましたが、きょうはそれはなくなり、のんびりしたムード。が、民主党、日本維新の会、みんなの党など各党を1人~2人の記者が担当する布陣の社が多く、むしろエース級が配属されたようです。
[写真]下野にもかかわらず、多くの記者、スタッフら各社の精鋭が集った民主党ホール、記者会見開始の20分前に筆者撮影。
記者会見の司会は党副幹事長(国会議員)から党職員に、ニコニコ動画の中継は生放送から、録画中継にかわったようです。もちろん民主党チャンネルのUSTREAMは生放送。今後は、幹事長会見が毎週月曜日の午後5時、代表会見が毎週木曜日午後3時(ともに週により変更あり)に開催されますので、どんどんチェックしてみてください。
細野幹事長は「今年最初の記者会見ですが、役員会にあわせて週1回定例化したいので、ぜひご参加いただきたい」と呼びかけました。
そのうえで、「役員会では海江田代表から民主党再生の年にしたい、との話があった」としました。細野さんは力こぶを握りしめるように、「海江田代表から参院選に向けて野党間の協力を進めたいとの話があった。通常国会における対応と参院選対策をクルマの両輪にしていく」、「土曜日に徳島県、高知県、月曜日に福島県を訪れる」、「来週には(日本維新の会、みんなの党との)幹事長会談を開催したい」、「民主党再生党本部を今週に立ち上げる」、「(私たちの基本理念につづく)党の綱領策定の委員長になったので、できるだけ早くたたき台をつくりたい。地方組織や地方議員も含めて議論したい」、「党大会を遅くとも3月のアタマ、というよりもできるだけ早い段階に開催したい」と立て続けに発信。のんびりムードだったホールは、のっけからの猛スパートに熱気を帯びました。
しかし、こんなに気合いが入っていて、大丈夫なんですかね。
何事も初めが肝心。ということで、私もはじめに書くと、細野さんが不倫した山本モナさんがその後不倫した有名人の奥さんは私と高校の同級生なんです。そのため、私は長年、細野さんに対して複雑な感情を持っているし、これからも完全に払拭されることはないでしょう。このように人の輪はつながっているので、政治家は異性とカネの問題は気を付けないといけないと感じます。気持ちは分かりますが若気の至りです。
山本モナさんのことはこのくらいにしましょう。
のっけから猛スパートをみせた細野幹事長ですが、細野さんの取扱説明書に「故障した場合は?」という項目はないと思います。もしも、細野さんが重荷を背負って猛スパートして、それで故障してしまえばそれまでであって、細野さんという存在はとにかくそうやっていくしかないんだと考えます。
ただ、「震災対策では思いがある」と語るなど、政治改革、行政改革、定数削減、震災対策に関しては、与党期の心残りがあることを明かしました。そのうえで、健全野党としてこれらのテーマに取り組みたいとしました。ですが、震災対策と定数削減(きょねん11月16日に3党合意済み)は別として、再び与党になったときに、心残りをやる。ということでは駄目なんでしょうか。
とはいえ、しっかりと組織をつくっていく。海江田代表という人も、どちらかといえば、のんびりしたムードがあるように感じます。それと猛スパートの細野幹事長は良いコンビなのかも知れません。まだ分かりません。その一方、櫻井充政調会長は第1次野党期に、予算委員会の準備にのめり込みすぎて吐血した、というメールマガジンを読んだ記憶があります。高木義明国会対策委員長は、第1次野党期に国対委員長を務め、第1次与党期には衆院議院運営委員長を務め、安定感があります。加藤敏幸・選挙対策委員長は、連合会長とおなじ組織の出身者です。このような海江田-細野-櫻井、海江田-細野-高木、海江田-細野-加藤のラインにおいて、細野幹事長が扇の要になるのかもしれません。まだ、正直、代表も幹事長も人物について、あまりよく知りません。とはいえ、とにかく半年間の間に組織をつくる。それと国会対応をしっかりやる。そのためには、細野幹事長の猛スパートにかけてみてもいいように感じました。
[写真]「新年仕事始め」という巨大な横断幕を前にあいさつする安倍晋三・自民党総裁(首相)、自民党本部ホームページから。
これに先立ち、ごらんのように自民党本部901会議室では「新年仕事始め」という巨大な横断幕をかかげて、自民党仕事始めが開かれました。このもようはニコニコ動画で生放送されました。自民党のみなさん、日本を取り戻して、よかったですね。
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[写真]元旦に水行をする、川内博史・前民主党衆院議員(鹿児島1区総支部長)、2013年1月5日放送のTBS「みのもんたのサタデーずばっと」、筆者撮影。
2013年1月5日放送のTBS「みのもんたのサタデーずばっと」は、落選総支部長3人を含む、民主党5人が登場。野党期の民主党が5人も登場したのは初めてで、ありがたいことです。政権交代可能な二大政党政治のためには、国会にいない総支部長もどんどん起用してほしいし、視聴者も番組制作者の心意気に応じるべきでしょう。
この中で、鹿児島1区で落選した川内博史前衆院議員の年末年始の様子がビデオ放映され、川内さん(隊長)が電話出演しました。
ご覧のように赤いふんどし姿で水を浴びる隊長。20年間やっているそうです。この中で、支援者の方から「残念だったな。参院選に出るの?」と声をかけられた川内隊長は「またいろいろ考えて。みなさんと相談しながら」と語り、第23回参院選(ことし7月)の鹿児島選挙区への出馬に含みを残しました。鹿児島選挙区は今は1人区となっていますが、第21回参院選では自民党に0・3ポイント差まで迫ったことがあります。このときの候補者(自治労県委員長)は衆院総支部長(前衆院議員)に転じており、3年前の候補者は弁護士。隊長の半年後の参院での国政復帰の可能性も出てきました。
スタジオには、早稲田大学政経学部および早大雄弁会同級生で、第41回衆院選初当選の同期の桜。5回連続でともに当選を重ね、今回初めて明暗を分けた渡辺周・衆院議員(静岡6区)が「今の川内君の心境というのは痛いほど分かるので、彼の分まで(私が国会で)がんばりたい」と呼びかけ、川内さんが電話口で絶句するシーンがありました。ナベシュウやな人なんですよね。とにもかくにも、バッチがあってこそというのが、あまりにも残酷かつあまりにもやさしい選挙と政治の関係です。
[写真]山尾志桜里・民主党衆院愛知7区総支部長(前衆院議員)、2013年1月5日放送TBS番組から筆者撮影。
愛知7区から上京した山尾志桜里(山尾しおり)さんも登場。山尾さんは「(圧勝した政権交代選挙のときも、)党は私たちのことを知らないし、私たちは(第45期衆議院での党内混乱で)党への帰属意識が薄れていった」と語り、「組織としての力量不足」が民主党惨敗の原因だと指摘しました。山尾さんは第46回衆院選で、9・2万票をとりながら敗北。比例東海ブロックは4人当選(全員が愛知県)し、惜敗率89・70%で次点につけています。愛知県は相対的に組織が強いので、首長選で組織を守るために衆院議員が責任立候補を求められる場合があるので、繰り上げ当選の可能性は高いです。とはいえ、負けは負けです。
みのもんたさんは山尾さんになぜ民主党から立候補したのか質問。山尾さんは「民主党は自民党にかわる勢力になると思っていたし、良い先輩もいるから」と答えました。みのさんが「それは誰?誰?」と鋭く突っ込むと、山尾さんは「岡田さんや前原さん」と答えました。
[写真]するどいツッコミで人気のみのもんたさん、TBS「みのもんたのサタデーずばっと」、2013年1月5日放送から。
岡田克也最高顧問は副総理としての卒業会見で「3年3か月、なぜ国民から信頼されなかったのか、そのことについてきちんと総括が必要であるというふうに申し上げてまいりました。そういった考えに近い意見も確かにありました。例えば、山尾志桜里さんの意見などはそういう意見だったと私は思います」と語っています。これは2012年12月22日の総括会議についての発言ですが、これはマスコミクローズだったので、「山尾さんの意見」と言われてもなんだか分かりません。岡田さんは時々、こういうことがありますが、これは分からなければ質問すればいいということなのでしょう。江田五月最高顧問は、12月22日当日の活動日誌で「山尾志桜里さんは反省の弁として、地域活動が足りなかったことと民主党隠しの気持ちがあったことを挙げましたが、これは大なり小なり全員に共通する反省点だと思います」としています。江田、岡田両最高顧問がともに、山尾さんだけ人名を挙げました。これはどうしてだろうと思いましたが、民主党の女性総支部長で東大法学部卒は山尾さん一人しかいないんですね。これは初めて気付きました。政治家というのはあまり特定の固有名詞を挙げないのですが、両最高顧問も後輩の落選という現実に本心を隠せず。山尾さんが気になるということでしょう。学歴が能力に比例するわけではありませんが、民主党が政権政党として、官僚機構を使いこなす上では、東大法学部卒というのは大事なことです。ぜひ、山尾さんは確実に国政復帰してほしいものです。
きょうの番組には、渡辺周・衆院議員(静岡6区)、長妻昭・衆院議員(東京7区)、中山義活・前衆院議員(東京2区)、山尾志桜里(山尾しおり)前衆院議員(愛知7区)、川内博史前衆院議員(鹿児島1区)に続き、海江田万里・民主党代表も出演しました。海江田代表は「民主党は改革の党として長妻さん、岡田さんががんばってくれた」とし、「アメリカで言うリベラルと日本でいうリベラルは違う」として、3月に採択する新綱領に「リベラル」の文字は入れない方向性を示唆しました。
[写真]ミュージカル映画「アニー」の1場面から、コロンビア映画「アニー」。左の肖像画はジョージ・ワシントン初代大統領、中央はアニー、右はフランクリン・ルーズベルト第31代大統領。
きょうは山尾さんが出ると聞いて、早朝から「アニー」を見ながらTBSが始まるのを待ちました。お金儲けで心が汚れた共和党員(日本でいう自民党員に相当)の心をきれいにし、大恐慌時のアメリカ・ホワイトハウスに乗り込み、民主党員のフランクリン・ルーズベルト大統領に「ニューディール政策」を進言したアニー。「朝が来ればトゥモロー いいことがあるトゥモロー」。衆議院の任期は4年間ですので、1461日(うるう日含む)。自民党の今の議席数だとなかなか解散しないでしょうから、まだ1440日あると考えた方が無難でしょう。
やはり、テレビ局は、こうやって民主党落選総支部長もなるべく取りあげるべきでしょう。
あすで民主党惨敗から3週間。正直、私もそろそろきつい時期になってきました。「民主中道勢力の結集」「政権担当可能な非自民勢力の結集」の名の下で、根っからの保守主義者・根っからの自由主義者である自分を隠しきれなくなってきました。そのなかでも、やはり、「朝が来ればいいことがある」というアニーが教えてくれたことばを糧になんとか生きていこう。
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【倫選特委(政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員会) 2012年11月15日(木)】
あすの衆議院解散を前に、午前9時、加藤公一委員長が開議を宣言。参院二大政党から、一川保夫・民主党幹事長、藤原正司・民主党新緑風会副会長、自民党の世耕弘成・参院政策審議会長が答弁席にかけつけ、「参院定数を是正する4増4減法案(公職選挙法改正法案)」(180参法36号)の趣旨説明が行われました。
質疑を希望したのは、日本共産党、社民党、日本維新の会の3党。答弁は、先の通常国会(180回国会)では自民党は溝手顕正・参院幹事長がつとめましたが、今回は世耕さんにかわりました。
日本維新の会の石関貴史さんは「将来的に道州制をめざしているので、参院の選挙区は都道府県単位から道州にあわせたブロック単位にするという考えもある」と述べました。
討論は日本共産党のみで反対。
【追記 2012年11月15日 午後7時】
午前10時の初エントリーのときに、前国会で参院で可決しているので、衆院本会議で可決すれば成立すると書きましたが、今国会ではあくまでも衆院先議なので参院での可決が必要でした。勘違いによる間違いです。失礼しました。文章は最新の情報を入れて直しました。
【追記終わり】
採決の結果、賛成多数で可決。この後の衆院本会議で可決し、午後6時半からの参院政治倫理の確立および世隠居制度に関する特別委員会(轟木利治委員長)で審議入りしました。もともと参院先議で、180回国会で参院で可決。衆院送付後、閉会中審査処理をし、今国会に持ち越していたため、あす午後の参本で可決・成立します。公布日に施行されます。このため2013年夏の第23回参院選は、福島県が改選1人区、岐阜県も改選1人区に減。神奈川県は改選4人区、大阪府も改選4人区に増。この改選2増2減を2回やるので、4増4減ということになります。人口による自動的な計算とはいえ、福島県が原因になることについては審議のなかでも懸念が出ました。
なお、具体的には福島県は民主党の金子恵美・復興政務官と自民党の森まさこさんが1議席をめざして激突することになります。岐阜県では前回2位当選の平田健二・議長の去就も注目されます。
この日の審議でも4増4減だけではなく、選挙制度そのものを抜本改革すべきだとの意見は、衆院議員である質問者、参院議員である答弁者双方から出ましたが、持ち越しとなりました。各党協議会から外して、国会議員以外による第3者機関の設置が不可避な世論となりつつあります。
あす解散まで48時間を切り、環境整備が急ピッチで進んでいます。
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[写真]参院会派「みどりの風」を結成するとした、左から舟山康江さん、谷岡郁子さん、亀井亜紀子さん、行田邦子さんの4参院議員、2012年7月17日、参議院、筆者撮影。
2007年7月29日の第21回参院選「逆転の夏」で野党・民主党の公認や推薦で初当選した女性参議院議員4人が新会派「みどりの風」を結成すると、発表しました。記者会見に行ってきましたが、女性だけの会派は憲政史上初めてなので、新鮮に感じました。行田さんは「小沢さんの新党とは連携しない」と断言しました。民主党籍の3人は、2012年7月17日(火)の午後1時に輿石東民主党幹事長(参院議員会長兼務)に離党届を提出したとしました。輿石さんは午後5時からの定例幹事長記者会見で「離党届は預かった」としています。これにより、民主党・新緑風会と自民党・たちあがれ日本はわずか2議席差となり、第1会派と第2会派の逆転の可能性が出てきました。平成になって以来、参院は第1会派が過半数を持たない状態が続いており、今後も抜本的に選挙制度改革(ルールの変更)がない限りは同様の状態が続きます。ぜひ、民主党は除籍にせず、是々非々で「みどりの風」との法案ごとの連携をめざしてほしいと考えます。
「みどりの風」を結成したのは、埼玉選挙区の行田邦子さん、愛知選挙区の谷岡郁子さん、山形選挙区で元農水政務官の舟山康江さん、島根選挙区で元国民新党政調会長で現在無所属の亀井亜紀子さんの4人。行田さんと谷岡さんは、3人区で民主党の「2人目」の扱い。行田さんは山根隆治・外務副大臣、谷岡さんは大塚耕平・元厚労・内閣府副大臣とともに改選する上、自民党に加えて、前回と異なり、ともに公明党の40歳代の男性元会社員が新人候補として立つので、普通に考えれば4番目・次点になると考えるのが妥当。1人区の山形、島根選挙区は長年自民党が議席を持っており、逆転の夏で、舟山さん、亀井さんが勝ちましたが、第22回参院選では自民党が議席を回復しています。そのため、来夏に向けて再選戦略をとるとともに、残り1年間で党議拘束がない自由な会派で思い出作りをしたいとう両にらみであると考えられます。
亀井さんはすでに衆院無所属の亀井静香さんと相談しているとし、他の衆参議員に働きかけていきたいとし、「あと1人で(5議員となり)政党になる」としましたが、谷岡さんがマイクを取り、「いえ(みどりの風は)政党ではなく会派です」と言い直す場面がありました。広い愛知選挙区の谷岡さんは、完全無所属では闘いにくいと考えているものと思われます。政策として行田さんは「非正規労働」、谷岡さんは「脱原発」、舟山さんは「反TPP」、亀井さんは「消費税増税阻止」を挙げるなどバラバラぶりを示し、「党議拘束がない参院らしさ」「4人代表制」を裏付けました。
なお、参院比例代表にミニ政党で「女性党」が出ていたことがありますが、あれは、訪問化粧品販売の「アイレディース化粧品」を展開する「アイスター」が組織固めをかねてやっていた政党です。衆院では個人的に、今の民主党議員を応援していた党員もいたようです。
「みどりの風」は第1回参院選後の会派「緑風会」にあやかったとしています。緑風会は有名な作家の山本有三参院議員らがいました。皇后陛下は民間人のころ、山本有三の「日本小国民文庫」を楽しんだと回想しています。
第1回国会(特別国会)で緑風会は92議席で、定数250のうち、第一会派でした。第2会派は社会党です。参議院は女性が活躍しており、この第1回国会の参法第1号は女性議員が出しています。現在の国会法は議員立法は参院では1人以上の提出者と10人以上の推薦者が必要ですが、当時は1人で出せました。これが緑風会の小杉ィ子(こすぎ・いね)議員で、「青少年禁酒法案」を出しています。これは昭和22年7月28日に提出し、翌日厚生委員会に付託され、審議未了廃案になっています。第2回通常国会にも第1号議案として出しましたがこれも審議未了で廃案。その後、小杉議員が入っているかどうか分かりませんが、第6回国会の参法1号として「青少年飲酒取締法案」、第7回通常国会で「青少年飲酒防止法案」が連名で出ました。このように、青少年禁酒法案→青少年飲酒取締法案→青少年飲酒防止法案とタイトルがソフトになったおかげか、第7回国会参法第1号「議案は、昭和25年4月7日に参院で可決しましたが、衆院で審議未了廃案となりました。
この小杉ィ子さんは兵庫県出身の看護師で全国区で当選していましたが、当選は第1回参院選の1回だけだったようです。4人は来夏の参院選どうなるでしょうか。
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[お知らせおわり]
再来年、2013年(平成25年)の6月ごろ公示、7月ごろ投開票の見通しの第23回参議院議員通常選挙から適用される、ルール・オブ・ザ・ゲームづくり(選挙制度改革)について、2011年7月12日、公明党の山口那津男代表が記者会見し、公明党案を発表しました。
ポイントは、「全国11ブロック(衆院の比例ブロックとまったく同じ区割り)」、「定数200(100議席ずつ半数改選)」、「個人名の単記式」ということになります。
プロセス的には、参議院議長が4月に提示した案の「全国9ブロックの大選挙区」を「議長が案を出され、政党の側で応えていく必要があり、党の考え方をまとめた」(山口さん)格好になります。
ちなみに単記式とは、定数にかかわらず、1枚の投票用紙に1人の名前(ないし1つの政党名)を書く選挙のことです。連記式は過去にありますが、人気投票的になり知名度競争になる弊害があります。
この公明党案では、1票の格差は1・385倍。四国ブロックの有権者の1票が重く、北海道の有権者の1票が軽いのですが、わずか1・385倍に収まっています。私が公明党案で評価し、支持したいのは、議長案の「9ブロック」と違い、公明党案の「11ブロック」は現行の衆院の比例ブロックとまったく同じ区割りだからです。シンプル・イズ・ベスト、デモクラシーのプロセスの最初にある、選挙のルールはなるべくシンプルである方がよい。なぜなら、日本では、有権者は1億400万人います。ですから、ルールはシンプルな方がいいのです。そうでないと、デモクラシーのプロセスが見えにくくなります。シンプルで困る人はいます。それは小沢一郎さんです。ルールや状況が複雑であればあるほど、小沢さんの「剛腕」の出番となりますが、シンプルだと「国民の出番」が増えます。
ちなみに衆院のブロックは政党名だけで投票します。参院のブロックが個人名だけで投票することになると、そこが複雑で「なんとなく政治が大事だっていうのは感じるけど、正直言って、投票のしかたがよく分からなくて・・・」という有権者が出てきます。が、その辺をきっちり徹底させるというのも、選挙運動の一つだと考えます。
衆院の比例ブロックは、よく出来ています。あえて言えば、「北関東3県」といわれながらも「北関東ブロック」は埼玉県を入れた4県です。もう一つ、千葉県が「南関東ブロック」になり、東京ブロックをはさんで、「千葉県」と「神奈川県・山梨県」が飛び地になっています。新住民の多い両県ですから、なかなか分かりにくいという人も多いでしょうが、ここを除けば、ブロックの地域の名称と、各都道府県のイメージは合致しているのではないでしょうか。
山口那津男さんは「ミスター・バランス」の政治家で、じつによくできた案です。
まず定数200。これは現行の定数から42議席削減ということになります。民主党は09マニフェストで「衆院定数80削減」「参院はそれに準じた数」を削減する、と書いています。これは事実上「42削減」ということになります。衆参とも第一会派の民主党は賛成せざるを得なくなります。それに、改選100議席というのは、分かりやすいですね。
ちなみに、第23回参院選から第24回参院選までの2013年夏~2016年夏の3年間は、非改選の関係で「221議席(過半数111)」となります。参議院では平成元年(1989年)夏以降、過半数会派が一つもありません。かりに過半数を第23回参院選でとるならば、自民党は「定数100のうち61議席以上」、民主党は「定数100のうち67議席以上」が必要です。大選挙区では獲得不可能な議席数です。衆参ねじれは常態化することになります。それを当然とした国会運営が必要になってきますが、それは「熟議」につながります。両院協議会改革だけしっかりやれば、むしろねじれが常態化した国会の方が良いのかもしれません。
おそらくこの制度だと、各ブロックとも得票ラインは20万~30万票になると考えられます。一方で、タレント候補が100万票以上とってくる可能性があります。
ちなみに公明党案は公明党に有利です。そんなのは当たり前でなんら問題ありません。が、法制化には各党の修正協議は必要になってくるでしょう。ちなみに公明党は第23回参院選で10議席が改選を迎え、第24回で9議席改選を迎えます。つまり11ブロックに1人ずつ候補を立てて、公明党・創価学会の総力を結集すれば、11議席が可能で、今より増えることになります。ただ組織政党には「ガラスの天井」がありますから、倍増ということはないでしょう。近畿ブロック(改選定数16)には大阪のほかに、兵庫県などの候補者、東京ブロック(改選定数10)にも男性候補と女性候補、南関東ブロック(改選定数12)には千葉で1候補、神奈川で1候補という格好で、複数擁立してくるでしょう。そして個人名単記式だと、市町村ごとに開票結果が分かりますから、地方組織や地方議員の動きはチェックできます。
それから、民主党では、11ブロックになると、連合のうち、UIゼンセン同盟が不利になりそう。様々な業種に100万人以上のはたらく仲間をもつゼンセン同盟ですが、いわば「食品スーパーのあるところにゼンセン同盟員あり」という状況です。全国どこにでもいます。フツーに考えれば1ブロックにつき組合員が10万人ずつにわかれてしまい、最低得票ライン(20万票~30万票?)に届かないでしょう。ただ、繊維産業が盛んな琵琶湖周辺が近畿ブロック(改選定数16)になりますから、ここで1人絞って勝つということは可能でしょう。
国民新党の支持団体である全国郵便局長会「全特」は前回参院選からして、組織票は40万~50万票だとみられます。ここも、どのブロックでも単独では勝てない見通しになってきます。国民新党は島根と富山で改選を迎える議員がいますが、2人とも「無所属(民主党・国民新党・社民党推薦)」で当選していますので、原点に返れば勝てるかもしれません。
それから、中国ブロック(改選定数6)となると、ここで強い自民党が、山口県連、広島県連、岡山県連などのどこから候補者を出すかという問題が出てきそうです。あるいは四国ブロック(改選定数4)も、人口の多い愛媛県連に対して、人口の少ない香川、徳島、高知の自民党県連の間で軋轢が生まれないか。四国に限れば民主党各県連も同様の問題を抱えそうです。特に、山口、高知で自民党が強い理由は幕末・明治維新にまでさかのぼりますので、自民党の県連が強いところは、この案に反対する可能性があります。
これは国政ですから、衆院の21増21減案とセットで考えた方がいいと思います。
[画像]衆議院の「21増21減」による各県の小選挙区当選者の人数案
[画像]参議院選挙の11ブロック案。
このように衆参一体で見ると、鳥取県の国会議員が衆院1人だけになる可能性がなきにしもあらず。東北ブロック(改選定数8)の中で、仙台市に事務所を置く候補が各党から出てくると、秋田県が衆院2人だけになるかもしれません。それとやはり四国各県。あと、九州ブロック(改選定数11)で衆院は3→2に削減される佐賀県が参議院がどうなるか。福井も衆院2選挙区、参院北陸信越ブロック(改選定数7)となると微妙です。ただ、この辺は、例えば、近畿ブロック(改選定数16)で、「私は和歌山県の代表です!」という選挙運動をする有力候補者が1人だけなら、かなり有利になります。要は、現状分析と戦い方ということになるでしょう。そもそも、全国知事会の機能も強化されていますし、国の公共事業や交付金・補助金が右肩上がりの時代ではありませんからこれでもいいのではないでしょうか。
ひきつづき、組織は有利ですが、知名度のある県議やタレントを擁立した方が組織の重荷は軽くなります。その辺で、いろいろな人材が参議院に入りやすくなるのは確実です。東京ブロック、近畿ブロックに限らず、100万票以上で当選するタレント候補・議員は何人か出てきそうです。最近の参議院は昔に比べてタレント候補・議員が減っていますから、私はむしろ好感します。例えば、青島幸男・参院議員が佐藤栄作首相のことを「財界の男妾(おとこめかけ)」と呼びましたが、これは今でも通用する名言ですし、タレント議員だからこそ言えることです。また、青島さん質問のなかで、佐藤首相に「政見放送」というアイディアを提案し、佐藤自民党も「金権選挙でなくなる」と好感し、具体的な事業として実現し、今日に至ります。その後の青島さんは政見放送だけして、選挙期間中は「国政の勉強」と称して家に閉じこもり、街頭演説もせずに連続当選しました。まさに「ルールをつくった人間がイチバン強い」ということです。あるいは西川きよし参院議員が、地元で持っているラジオ番組に寄せられたハガキを読み上げて、宮澤喜一総理にダイレクトに“答弁”してもらっていたのも、だれか復活させてほしいものです。これも「100万票のきよしさん」だから出来たことです。
社民党も近畿、九州で議席を獲得できる可能性があります。公明党に敵愾心が強い日本共産党も、議席数を延ばす可能性があるし、闘争しやすい制度ではないでしょうか。で、これだと、参院で組織政党が一定の指定席を確保できます。そうすると、衆院の「比例定数180→100に削減」という民主党09マニフェストが実現する余地も浮上します。山口さんというのはそこまで考えている人だと思います。公明党はどこに行くのか?最近迷走がありましたが、47都道府県の地方議員3000人のネットワークを、11ブロックごとの衆参選出議員が集約して国に届けるということになればいいのではないでしょうか。今の公明党は「政調会長(兼)北関東ブロック選出衆院議員(兼)茨城県本部代表」というシステムになっていて、ごちゃごちゃしているように、傍目に見えます。例えば、この政調会長が昨年11月に突然補正予算案に反対しだしたのも12月に茨城県議選が控えていたからではないかと思います。こういうのが基礎自治体→47都道府県本部→11ブロックに集約してくると、地方分権改革にもつながってきます。
政党というよりも、各ブロック内で人口がイチバン少ない県の地方組織や選出議員が反対する可能性が高いということになりそうで、その辺の修正があるかもしれません。また、やはり公明党に有利な参議院選挙制度案ですので、各党現職幹部のメンツもありますから、修正はあるでしょうが、私は公明党案がベターだと思うし、たたき台として最適でしょう。
とにもかくにも、分かりやすい選挙制度にして、山本有三の緑風会があったころの、「閉鎖的でない参議院」を取り戻すことが絶対に必要です。