宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

夢と希望の補正が成立 さあ、巻き返しだ!

2010年11月26日 23時59分59秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

[画像]補正予算成立で巻き返しに転じた菅・民主党政権メンバー(各人の公式ホームページなどの写真を宮崎信行コラージュ)

 菅直人内閣として、またねじれ国会として初めての予算編成・審議となった、平成22年度(2010年度)の(第1次)補正予算が成立しました。

 まさに「夢と希望の補正」です。菅政権としては初めての予算編成・成立。7月からの新しいねじれでの予算成立も初めてで、通常国会へ薄日が差しました。

 さあ、いよいよ、菅・民主党の巻き返しが始まりました!

 空元気などと言わないでください。東北新幹線の新青森延伸をPRする、青森県の三村申吾知事のように、空元気じゃない、本物の元気さが日本を地域を救います!
 参院本会議での討論(反対)で、自民党の猪口邦子さんは増額補正分の税収2兆2000億円の上ブレについて「根拠のない楽天主義だ」と批判しまいたが、楽天主義でいいじゃないですか。楽天主義で精神力の強い菅直人の突破力にかけましょう。でなければ、何か代案がありますか?

 わが国の景気はリーマン・ショック後の金融不安からの住宅新設の減少や、円高による貿易黒字の儲けの減少、そして、公的固定資本形成の伸び悩みにより、消費者心理が冷え込んでいました。しかし、この補正から夢と希望に燃えて、日本の新しい歩みが始まるでしょう。始まるに決まっています。

 補正成立に前後して、元気さの胎動が11月26日付の新聞各紙にみられました。

 農林水産副大臣の篠原孝さんが考案した農業者戸別所得補償(直接支払い)の振り込みが始まり、農家の方はお楽しみ、お元気になっておられるようです。制度スタートを見通した集荷業者の買い叩きと猛暑によるイネの傷みで、米価が下落していたようですが、日経新聞26面(商品面)によると、卸業者同士の取引価格は下げ止まりました。日経によると、11月上旬の卸問屋のあいだでの取引は「宮城県産ひとめぼれ」は下げ止まり、「福島県産コシヒカリ」にいたっては、「やや上昇した」とのこと。いずれにしろ、生産価格との差は補償されます。

 2010年はまさに「コメ再生元年」。三洋電機が世界で初めて発売した米粒からパンがつくれる機械、その名も「GOPAN(ゴパン)」に予約が殺到し、年間生産予定の5万8000台を超えたもようです。三洋電機は、12月から予約は控えるということですから、「GOPAN」に興味がおありの方は、11月30日までの残り4日間に、値段とかあんまり考えずに「エイヤー!」とご予約なさればいかがでしょうか。日本人はやはり米です。今月末に予約したら、来年3月ごろにお手もとに届くようですよ。

(三洋電機「GOPAN」についてのニュースリリースから引用はじめ)

ライスブレッドクッカー「GOPAN」のご注文受付け一時見合わせに関するお知らせとお詫びについて|ニュースリリース|三洋電機

ライスブレッドクッカー「GOPAN」のご注文受付け
一時見合わせに関するお知らせとお詫びについて 三洋電機株式会社は、11月11日に発売を開始したライスブレッドクッカー「GOPAN」について、12月1日以降、ご注文の受付けを一時見合わさせて頂くことにしました。
 現在、予定していた数量を大幅に上回る引き合いを頂き、生産が追いつかない状況です。今後、増産体制も視野に入れ対応してまいります。ご迷惑をお掛けいたしますこと、深くお詫び申し上げます。

◆ ご注文受付け一時見合わせの理由 7月13日の「GOPAN」発売の記者発表以降、多くのお客様からご支持の声を頂いております。それに伴い、ご販売店からのご発注を多数頂き、数量を確保するために当初の発売予定を1ヶ月程度遅らせる措置をとりました。しかしながら、発売1ヶ月に満たない現在、既に2011年3月までの販売累計計画を越える受注を頂いており、生産が追いつかず、お客様からのご注文の受付けを一時見合わせることといたしました。これから更なる生産体制の強化を行ってまいります。
 なお、現在店頭にてご注文をお受けしているお客様への対応を最優先にし、2011年3月頃を目処に商品の引渡しを順次進めてまいります。
◆ ご注文受付け再開予定時期 ご注文の受付け再開時期は、2011年4月頃を予定しております。

(引用終わり)

 やはり日本人はお米ですよね~。篠原農政ここにあり。篠原さんは長野市の北隣の中野市のリンゴ農家の長男です。リンゴ農家では長男が後を継ぐことになっていますが、篠原孝さんは京都大学を経て、東京の農林省に入り、挙げ句の果てには、花の都・パリにある経済協力機構にお役人として派遣されました。海なし県の長野では、「ちょっとパリ(巴里)に行ってくる」というと、散髪に行くことを意味するとされていますが、篠原さんはパリで「農業者戸別所得補償制度(直接支払い)」を知りました。とはいえ、長男なのにリンゴの手入れはどうしたのか、とんでもない人だ、と思っていたら、篠原副大臣は1歳年下の次男がおられるんだそうです。おそらく京都大学に進学する前に、兄弟間での無言の了解があったのでしょう。篠原さんは戸別所得補償という、日本の将来に立派なリンゴの木を残そうとし、実家のリンゴは弟さんが立派に残しているとのこと。直接支払いは、もちろん米だけに留まりません、品目は増えていきます。まずは大豆ですよね。そして、私も含めて消費者は安くお米を手に入れることができるので、可処分所得が増えます。その半分を税金として国に預けて、そのお金で来年の所得補償をして日本の農業をドンドン再生する。そうすれば、TPPにも耐えられ、工業品がしっかり出稼ぎする豊かな日本が甦ります。2010年の日本人は成年男子で1俵すなわち60㎏(5㎏の袋×12)のお米を食べています。ところが、江戸時代は、1人2・5俵のお米を食べていたんだそうです。なんだ~、江戸時代の方が豊かだったのか!!! 2010年日本農業に日はまた昇り、APECが開かれた横浜から第二の開国が始まりました。

 
[写真]篠原孝・農林水産副大臣

 とはいえ、この補正審議で、自民党には驚きました。自民党は「米価下落への対応として農業基盤整備強化」という名目(猫の目)で、3500億円を計上するよう提案していたのです。これはおかしな話で、戸別所得補償が機能すれば、こんなものは要りません。昔の米価審議会のように、「金をやるから票をくれ」という自民党農政のやり口です。もう“猫の目農政”に農家の方はだまされてはいけません。頼みますよ、私たち消費者も困りますから。所得補償のしくみが難しくてよく分からなければ、農林水産副大臣、篠原孝を信じてください。菅総理も篠原さんを信じていると、言われています。

 家電エコポイントも12月1日から半減になるということで、薄型テレビが2~6倍の売れ行き出そうです。また、子ども手当の所得制限は見送られることが確定的になっています。

 総務省統計局が26日発表した「消費者物価指数(全国:平成22年10月分)」では、総合指数は100・2(2005年=100)で、前月比0・4%の上昇、前年同月比でも0・2%の上昇となりました。生鮮食品を除く総合指数は99・5で、前月比0・4%の上昇、前年同月比では0・6%の下落となりました。少しずつですが、デフレ脱却の足音が聞こえてきた気がします。きょうの参・予算委の締めくくり質疑では、自民党の礒崎陽介さん(大分選挙区、自治省出身)が、参考人の日本銀行総裁の白川方明さんに対して、「「“潤沢”でも足りないくらい、“過剰”なくらいの流動性が今の日本に必要だ」との頼もしい発言もありました。

 ◇

 11月26日付聖教新聞の10面に「父子家庭4万世帯申請 児童扶養手当の期限迫る 厚労省」という記事が載っていました。児童扶養手当の支給対象を母子家庭から父子家庭にも広げたもので、これは政権交代後に、厚労相の長妻昭さん、政務官の山井和則さんがスピーディーに処理した案件だったと、私は記憶しています。この記事、「4万世帯が申請」ということで良かったじゃないかと思ったらそうではなく、第1回目となることし8月~11月の4ヶ月分をもらうには、11月末までに申請しないと受け取れないそうです。それなのに、10月末現在で予想の半数以下の4万世帯しか申請していないとのこと。もらえるものはもらっておけばいいのに。来週の火曜日がシメキリということで、周知不足か、パパさんに自由な時間が不足しているのか。

 幸せは歩いてこない。だから歩いていくんです。

 民主党はこれからどうするか。精神力の強い菅直人の下に、前に進む、少しナナメでもいいけど、前に進む。予算編成と地方分権(一括交付金と出先機関の統廃合)と防衛計画の大綱、税制改正大綱は攻めて攻めて攻めまくる。怒濤の活動を展開する。進んで進んで進みまくる。私もだんだん言うことが抽象的になってきて、万年下位のプロ野球チームの監督がインタビューで訳の分からないことを言っていた心境がようやく分かってきた気がしますが、そんなことはありません。とりあえず補正予算が通って、見晴らし良好。山にのぼって設計図を書き直しましょう。

 さあいよいよ、巻き返しです。勝って勝って勝ちまくり。前をのみ見すえて歩く。さあ、目標はこうです。自信を持って、

みんなの心を一つに合わせて、統一地方選挙で自民党を倒しましょう!

[参考]2010年11月26日(金)の参院本会議で採決された議題は次の通り。

北朝鮮の韓国・大延坪島砲撃に関する決議案
平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)(閣予第1号)
平成二十二年度特別会計補正予算(特第1号)(閣予第2号)
平成二十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)(閣予第3号)
農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案(第174回国会閣法第50号)
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第15号)
特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第16号)
国家公務員の育児休業等に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第17号)
地方交付税法等の一部を改正する法律案(閣法第13号)
放送法等の一部を改正する法律案(閣法第7号)
高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第6号)
防衛省の職員の給与等に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第20号)
裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第18号)
検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第19号)
裁判所法の一部を改正する法律案(衆第13号)
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(衆第8号)
国会議員の秘書の給与等に関する法律等の一部を改正する法律案(衆第9号)
国会職員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案(衆第10号)
国会職員法の一部を改正する法律案(衆第11号)
平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会の協議委員の選挙
平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会参議院協議委員議長報告
国務大臣仙谷由人君問責決議案
国土交通大臣馬淵澄夫君問責決議案

asahi.com(朝日新聞社):仙谷氏・馬淵氏の問責可決 続投なら国会空転も - 政治

 4.8兆円規模の経済対策を盛り込んだ今年度補正予算が26日成立した。参院本会議では野党の反対多数で否決されたが、憲法上の規定で衆院の議決が優先され、両院協議会を経て成立が確定した。一方、自民党は仙谷由人官房長官、馬淵澄夫国土交通相の問責決議案を参院に提出。同日深夜に仙谷氏、27日未明に馬淵氏の問責が参院本会議で可決された。菅内閣の要である仙谷氏の進退が今後の焦点だ。

 参院本会議での補正予算の採決では民主、国民新、社民、新党改革の各党が賛成。自民、公明、みんな、共産、たちあがれ日本が反対した。

 菅内閣は今後、来年度予算編成を本格化させる。ただ野党は仙谷、馬淵両氏がかかわる衆参両院での本会議や委員会の開催を認めず、12月3日までの今国会は空転する。野党は仙谷氏らが更迭されなければ、年明けの通常国会でも審議に応じない構えだ。

 これに対し、首相は26日の参院予算委員会で仙谷氏の更迭について「全く考えていない」と明言。その後、官邸で民主党の岡田克也幹事長と今後の対応を協議し、同日夜には「帰趨(きすう)を見定めたい」と述べるにとどめた。仙谷氏は問責を受けて国会内で記者団に感想を聞かれたが、「ノーコメント」とだけ語った。来年の通常国会をにらみ、仙谷氏の進退を巡る攻防が激しくなりそうだ。

 自民党は補正採決後、仙谷、馬淵両氏の問責決議案を提出。仙谷氏はみんなの党と共同提案となった。ともに尖閣事件への対応を理由に挙げ、仙谷氏は「傲岸不遜(ごうがんふそん)な発言、失策の数々は与野党を問わず、批判が集中している」、馬淵氏は「事件処理に関する対応や海上保安体制について多くの国民に不満と不安を生じさせた」とした。

 問責決議には法的拘束力はないが、野党は今後、両氏が答弁に立つ内閣、法務、国土交通の衆参各委員会や、全閣僚が出席する衆参本会議の開催を認めない方針。29日に参院本会議で予定されていた昨年度決算の報告・質疑は見送られそうだ。

 党首討論の開催や国会同意人事の採決に特例として応じるかは野党内で協議する。公明党がこだわりをみせる美術品補償法案は、両氏が関係しない参院文教科学委員会で審議が予定され、会期内に成立する可能性がある。北朝鮮の砲撃事件への非難決議も26日の衆参両院の本会議で全会一致で採択された。


公明党が推す「展覧会美術品補償法案」が衆・文科委通過 問責国会で成立は微妙か?

2010年11月25日 08時04分39秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
[画像]展覧会美術品損害補償法案の修正可決を宣言する衆・文科委の田中眞紀子委員長

 おはようございます。きょうは一段と底冷えがしますねえ。

 
 [写真]前庭の紅葉が秋空に映える国会議事堂、2010年11月24日、宮崎信行撮影

 昨日は、秋の晴れ間の天高く、国会議事堂前庭が紅葉で色づいていました。前庭には47都道府県すべての樹木が植えられていますが、こちらの前庭で国会議員が天下に思いを馳せるということは、ほとんどないようです。慌ただしさから逃れるのも一つの才能だと、私は思うのですが。

【衆院文部科学委員会 2010年11月24日(水)】

 衆・文部科学委員会(田中眞紀子委員長)で、「展覧会美術品損害補償法案(176国会閣14)」が審議され、全会一致で修正可決しました。きょう(25日)午後1時からの衆・本会議で採決されるものと思います。ただし、参・文教科学委員会の委員長は自民党の二之湯智さんです。参・本会議はあす(26日金曜日)に、補正予算案の採決と両院協議会の諸手続などがあります。採決は早くて来週ですが、参・本会議を開けるのは12月1日(水)か、会期末の12月3日(金)だと思われます。ただし、自民党は、この本会議に、仙谷由人、馬淵澄夫両国務大臣の問責決議案を提出する姿勢を示しており、自民党が問責決議案を出した場合は、公明党が重点要望しているこの法案は廃案になる可能性があります。公明党を応援している創価学会は、東京富士美術館など広く大衆に開かれた美術館(展)を運営しています。

 この日の審議では、元文部科学副大臣の公明党衆院議員、池坊保子(いけのぼう・やすこ)さんが、「(この法案で)より質の高い展覧会が日本で開ける」「多くの国民が展覧会に行けるようになる」とメリットを説明しました。また、自身が文科副大臣のころ、おなじ公明党の参院議員だったバレリーナ経験がある浮島とも子さんから「外国から来た美術品の補償制度がないのはロシアと日本だけだ」と指摘されたとのエピソードを紹介していました。これを聞いて、私は文化大国・日本の底が抜けないためにも、今国会で絶対に成立させないといけない法案だと感じました。

 民主党の文科副大臣の笹木竜三さんは、「(この法案は)けっして国立だけでなく、公立・私立(の美術館)も含む法案で、そして大都市だけでなく地方も対象にできるようにしていきたい」と述べ、言外に東京富士美術館も対象にする、とのメッセージを送りました。笹木さんは元新進党衆院議員です。

 池坊さんは、政務三役時代から数えて、2年越しの法案だと振り返った上で、民主党1年生議員の方を見て、「閣法というのは、官僚が作るからどうしても現場を見ていない法案になりやすい」として、議員立法のススメを説きました。ぜひこういった公明党政務三役経験者の力を、日本を前に進める力にいかしていけないものかと感じました。

 

 

山口代表ら公明党3議員、わずか45分前の仁川(インチョン)脱出 北、休戦後初めて韓国国土を砲撃

2010年11月24日 07時48分20秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

[写真]公明党代表の山口那津男さん(党本部ホームページ)

  公明党代表の山口那津男さん、副代表の松あきらさんの両参院議員と、党国際局長の衆院議員、遠山清彦さんが2泊3日の韓国出張を終えて、きのう(23日)帰国しました。

 山口さんらを乗せた飛行機が韓国・仁川(インチョン)空港を離陸したのが、23日午後1時45分で、そのおよそ45分後の午後2時半から北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が、大延坪島(テヨンピョンド)を砲撃し、朝鮮戦争休戦後、初めて韓国の陸地を攻撃しました。

 これについて遠山さんはツイッターで、次のように生々しく状況をつぶやきました。時間の古い順→新しい順に並べました。

[遠山議員のツイッターから引用]

今から、韓国大統領府に行きます!青瓦台、まさしく青い瓦の建物です。 9:27 PM Nov 21st via TwitBird

昨日は本当に忙しかった。朝から夕方まで、会談とマスコミ対応の繰り返し。李大統領は、しかし、本当に気さくで真面目な方で、好感が持てました。山口代表と中身の濃い意見交換をされてました。 about 14 hours ago via TwitBird

視察を終え、インチョン空港にまっしぐら。もうすぐ、帰国。毎日、天気良し、だった。外務省、防衛省の協力などなも、心から感謝! about 14 hours ago via TwitBird

今日は、朝から北朝鮮との軍事境界線地帯を視察。目の前に、ドーンと北朝鮮の街が見える展望台と、北朝鮮が秘かに掘削した地下トンネル内を見学した。非常に、驚いた。百聞は一見にしかず。ちなみに、民間人も参加できるツアーもある。 about 14 hours ago via TwitBird

山口代表と無事韓国から帰国しました。到着後、すぐに北朝鮮砲撃事件を聞き、驚いた。山口代表は、すぐにマスコミ取材。まさに、今日の昼前に軍事境界線にいて、北朝鮮側を見ていたので、偶然とは言え、衝撃を受けてます。 about 9 hours ago via TwitBird

インチョン空港からの出発が、13時45分だったのが、幸いした。もし、一時間後だったら、飛べなかったかもしれない。 about 9 hours ago via TwitBird

下記の共同通信によると、被害は大きい。しかし、既に応戦している。拡大には、韓国政府は慎重ではないか。「韓国軍兵士の死傷者18人 【ソウル共同】韓国軍合同参謀本部は23日、韓国軍兵士の死傷者は計18人で、2人が死亡、重傷が6人、軽傷が10人だと発表した。」

急に体調不良になったので、薬のんで、寝ます。こんな早い時間は、かなり久しぶりだ。
about 5 hours ago via TwitBird .

[遠山議員のツイッターから引用おわり]

 というわけで、先日の衆・予算委でヤジを怒鳴り返した遠山議員も、帰国して、急に体調不良になって、寝ます、ということですので、衝撃は大きかったようです。夏はソウルの方が東京より暑いですが、冬は逆にソウルの方が寒くなります。もうこの時期は、ソウルの方が寒くなっている時期だと思いますので、気温の変化もあったのでしょう。

 山口さんらの出発が13時45分、北朝鮮の砲撃開始が14時半ですから、たしかに1時間遅かったら韓国に足止めになったと思います。報道によると、大延坪島は軍直轄地ですが、行政区域上は仁川広域市(日本の政令指定都市に相当)だそうで、仁川市長は情報が集まらないと言うことで、逆に午後9時に島に乗り込んだようです。山口さんらが足止めになったら、山口さんのケータイ番号を知っている民主党幹部がいるので、そこで情報のやりとりができますが、とはいえ、日本の国会議員といえども、慣れない外国のホテルで足止めになっても入ってくる情報は、外交・軍ルートにはとうてい及ばないので、ギリギリ脱出できた悪運を喜ぶべきでしょう。

 とくに山口さんは出身地の茨城県議会議員選挙の投開票を来月に、遠山さんは担当の沖縄県知事選挙のさいちゅう、松さんも統一地方選の「みんなの党ブーム」が予想される神奈川県と、チーム3000の公明党にとっては、地方議員団との関係上、3議員はみな、大事な役回りにあります。そして、山口、松両参院議員は、補正予算案の採決という、年内の参議院で最も重要な局面を迎えています。

 山口さんは、党首の衆院選落選という悪運で、代表になり、今回も砲撃の45分前に仁川脱出という悪運に恵まれました。悪運というのは大事です。できれば、補正の早期採決だけでなく、参院では賛成票を投じてほしいものですが、まずはよかった、ということでしょう。

asahi.com(朝日新聞社):「戦争になるかも」韓国全土に衝撃 仁川市長が島へ急行 - 北朝鮮関連

 【ソウル=稲田清英、箱田哲也】韓国の一般住民が暮らす島を北朝鮮軍が砲撃――。朝鮮戦争休戦後の南北関係史でも前例のない、大延坪島(テヨンピョンド)攻撃は23日、韓国全土に衝撃とともに伝わった。午後のテレビ番組は関連報道一色になった。市民はこれまでになく、強く「戦争」を意識した。

 ソウル北方の韓国・坡州(パジュ)市にある烏頭山(オドゥサン)統一展望台。臨津江の対岸にある北朝鮮の村の様子を双眼鏡越しに見られる人気のスポットだ。だが23日は、通常は午後4時半までの観覧が3時過ぎに打ち切られた。残っていた観光客は、職員の指示ですぐに展望台を離れた。

 「とにかく驚いた」。展望台職員は23日夕、朝日新聞の電話取材に語った。1995年から働いているが「観覧を途中で制限するような事態は今回が初めて」という。

 韓国の主要テレビ各局は、特別番組一色になった。

 韓国KBSが入手した島の監視映像は、着弾の瞬間の強い地震のような揺れと、集落から次々と上がる炎と黒煙をとらえた。

 「頭の上を『シュン』という音が通り過ぎた。何か真っ黒いものだった。集落の方におりてみたら、めちゃくちゃになっていた」。同放送局の電話取材に、島の女性は着弾の様子を語った。別の住民は「何軒か民家から火の手があがっているし、軍部隊でも火災が起きているし、大変なことになった」と、島の惨状をまくしたてた。

 島内に残った住民は23日夜、防空壕(ごう)などの避難所で一夜を過ごした。島は軍統制下にあるため、同島を行政上管轄する仁川市も具体的な住民状況がつかめないとして、宋永吉市長が同日午後9時すぎの船で現場に向かった。同市の担当者によると、避難している人数や被害状況は把握できていない状況という。

 ソウル市内では、緊迫した現場の様子を伝えるソウル駅など街中のテレビの前に多くの市民が集まった。有力紙の東亜日報は号外を発行。市内の会社員(37)は「今までテポドン(北朝鮮の弾道ミサイル)が飛んでも海上で銃撃戦があっても驚かなかったが、今回は深刻。本当に戦争になるかもしれない」と話した。

 市内の大学教員も「ソウルからそう遠くない場所でこんなことが起こるなんて、今回は戦争の危険すら感じる」。北朝鮮は過去に核実験もしたが、実際に陸地に砲弾が落ちたことへの韓国市民の危機感は別次元のようだ。北朝鮮側は、こうした心理的効果も狙ったものとみられる。

 一方、「生活はいつもと変わらない」と冷静に受け止める会社員もいた。

 予算委員会で与野党の論戦が続いていた国会も、砲撃の一報が入ると、ともに緊急の対策会議を開くなど情勢分析と対応策の検討に追われた。


「4定に間に合わせる」公明党代表、補正早期採決を確約

2010年11月23日 10時22分04秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
[画像]公明党代表の山口那津男さんと韓国大統領の李明博さん(NHKホームページから)

 大統領との会談のため、韓国を訪れた公明党代表の山口那津男さんは、22日夜、各報道機関の特派記者との内政懇談会に臨み、補正予算案と地方交付税改正案など予算関連法案について「自治体の12月議会に間に合うように11月中に成立させるのが望ましい」として、自治体の平成22年第4定例会で補正を消化できるようにすることを確約しました。公明党は補正予算案の採決では反対に回る見通しですが、早期採決が必要との認識を示したものです。

 山口那津男さんは昨年9月の代表就任後の初外遊として、韓国青瓦台(大統領宮殿)で、李明博大統領(大阪府大阪市生野区生まれ)と会談しました。山口さんは冷戦崩壊後の第39回衆院選初当選のいわゆる岡田世代で、民主党の岡田克也さん、鉢呂吉雄さん、柳田稔さんや自民党の石原伸晃幹事長らと同期当選です。また年齢は大幅に違いますが、東大法学部の先輩である谷垣禎一・自民党総裁と司法修習生同期です。

 公明党は東京都など多くの自治体で与党として責任ある地方自治を遂行しています。

公明党:「補正予算、月内成立を」山口代表 - 毎日jp(毎日新聞)

 韓国訪問中の公明党の山口那津男代表は22日夜、補正予算案と地方交付税法改正案など関連法案について「地方自治体の12月議会に間に合うように11月中に成立させるのが望ましい。予算案を人質にして問責を出すのはいかがなものか」と述べ、予算案成立を優先すべきだとの考えを示した。(共同)

柳田法相は輿石東氏が菅総理にねじ込んでいた

2010年11月22日 09時01分35秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
[写真]民主党参院議員会長の輿石東さんと柳田稔法相(それぞれ民主党山梨県連、民主党本部公式ホームページから)

 民社協会首脳は22日、柳田稔法相の入閣は、民主党参院議員会長の輿石東さんが菅直人総理にねじ込んだものだ、と明らかにしました。柳田さんは第22回参院選後の「民主党・新緑風会」の人事で、参院幹事長に起用された直後の入閣だったため、輿石氏が不快感を示した、との報道もありましたが、民社協会首脳は「就任後にあいさつもなく、最近会ったこともない」と述べ、柳田法相は輿石氏が菅さんに働きかけたとの見方を明らかにしました。そのうえで、「民社協会の友情を持って、菅内閣を見守っている」と述べました。

 柳田さんは民社党書記(党本部職員)から、1990年の第39回衆院選で初当選した、いわゆる「岡田世代」で、政治改革ブームの際には、民社党を代表して、「朝まで生テレビ」に出演しました。その後、新進党結党後の第41回衆院選で小沢一郎氏の戦術ミスもあり落選。1998年の第18回参院選で新進党公認での院替えによる返り咲きをねらいましたが、前年末に解党されてしまい、民社協会総掛かりで、無所属で公明党の推薦をもらえないか、などと模索し、最終的には1998年4月結党の民主党の人気が上がったので、民主党公認として広島選挙区で50万票のトップ当選で返り咲きました。

 岡田世代では、自民党では、石原伸晃幹事長、小坂憲次参院幹事長、公明党では、山口那津男代表、井上義久幹事長のほか、民主党では岡田克也幹事長、仙谷由人官房長官、鉢呂吉雄国対委員長のほか、内閣でも細川律夫厚労相をはじめ、大畠章宏、高木義明、松本龍、岡崎トミ子各大臣が活躍しており、すでに後輩の第40回衆院選初当選組が財務相、外相、国家戦略相ら重要閣僚に起用されていることから、柳田さんに焦りや妬みがあった可能性は否定できません。

 なお、第176臨時国会では「民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案」(176国会提出閣法第8号)が衆院を通過し、先週の11月16日(火)の参・法務委員会で、柳田法相の趣旨説明が行われました。法務委員長は公明党の浜田昌義さんですが、法相が参院で問責決議を受けた場合は、事実上の“出入り禁止”処分となり、同法案の今国会成立は絶望的になる可能性があり、この法案の重要度も様々なかけひき、高度な政治判断をするうえで必要になってきます。この辺も、衆参の現場の法務委員会理事も、法案の重要性いかんに関する意見書を党・国対執行部に上げるのが、ねじれ国会の運営には不可欠だと、私は思います。

柳田法相、問責決議提出前にも更迭決定へ 菅総理、岡田克也幹事長

2010年11月21日 09時18分38秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

 民主党の岡田克也幹事長は、2010年11月21日放送の「NHK日曜討論」の中で、中央大学辞達学会出身のNHK解説委員、島田敏男さんの「今日中に柳田稔法相の更迭を決定するために総理と会うことがあるのか?」との質問に対し、「プロセスは申し上げない。私は口が堅いですから」と述べ、事実上、今日中にも菅直人総理と会い、更迭を決める方針を示唆しました。


恒三さん、「僕が小沢君なら命を懸けても解散させない方に政治を持っていく」

2010年11月21日 07時17分23秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

[写真]小沢一郎氏と渡部恒三さん(両氏の公式ホームページから)

 政局の週となる11月21日週が始まりました。

 21日朝6時からのTBS「時事放談」には民主党最高顧問の渡部恒三さんが出演。

 元代表・小沢一郎氏が、会期末が見えてきた先週4日間連続で、赤坂を飲み歩き、1期生議員ら70人ほどに「解散はいつあるか分からない。常在戦場だ」などと述べたと報じられていることに関連し、次のように述べました。

 「万が一でも今解散すれば、小沢君を慕っているガールズだとか、あの若い人たちはみんな落ちちゃいますよ。私が小沢君の立場なら、命を懸けてでも解散させない方に政治を持っていく」と述べました。私はまったくもって恒三さんの言うとおりだと思います。

 失業につながる「解散」というキーワードで恐怖心をあおり、1期生をマインド・コントロールしている小沢氏。彼と酒宴を囲む80人は、よっぽど金と縁がないか、金に鼻が利かない人間なんでしょうね。

 恒三さんは9月17日の代表選で菅直人候補に投票した人は(第46回衆院選で)ほとんど当選し、小沢さんに投票した人(衆院1期生?)は、80%の確率で落選するという観測を披露した上で、

 「だから、『絶対に解散しないでくれ』と菅君に頼むのが人の道だ」として、小沢さんが人倫にもとると痛烈な皮肉を述べました。

 恒三さんは、これに先立ち政局の見通しを述べました。

 「私は二大政党論者ですから、民主党が期待に応じられなかったというなら、じゃあ自民党にかわろう。自民党がだめなら、民主党がやりましょう。というのが、民主政治ですね。ところが、今国民のみなさんの声はね、民主党が期待に応えてくれなかったという声はありますけれども、じゃあ、また自民党政権に戻したいな、という声はほとんどないんですね」としました。

 「それから菅総理への批判で、(国民のみなさんに)ご理解いただきたいのは、彼の長い長い政治生活の大部分や野党でした。しかも野党の中でも5~6人の小会派で、(二大政党の)責任ある立場になったのはごく最近のことですからね。(内閣発足後の菅さんに)総理大臣の重みが感じられなかったり、言葉も主意味が感じられなかったり(しているが)、彼も一生懸命やってきているし、段々良くなってきている。党内でも、彼を、今度は岡田君に代えた方がいい、とか前原君や野田君に代える というも今、無いんですよ。だからやっぱり、菅君にしっかり頑張ってもらって、まず、景気を良くする、子どもたちの就職(のサポート)をしっかりする、中国やロシアにバカにされないよう日本が毅然として進むようにがんばるしかない。

 今、菅総理が代わってどうするか、という国民の声はありませんからね。」

小沢氏「衆院解散も」 3夜連続で若手と酒酌み交わす - MSN産経ニュース

 民主党の小沢一郎元代表は18日夜、東京・赤坂の中華料理店で開かれた若手議員との懇親会に出席し、「民主党政権の現状は厳しい。大変だ」との認識を示したうえで、「解散はいつあるかわからないぞ。常在戦場だ」と述べ、早期の衆院解散・総選挙の可能性に言及した。

 小沢氏に近い衆院当選1回生でつくる「一新会倶楽部」のメンバーら約30人が参加した。

 「一新会倶楽部」は名称を改め、今月25日にも全体会合を開き、小沢氏中心の勉強会として活動を強化していく方針を確認した。小沢氏は「みんなで民主党をどうしたらいいか、答えを見つけるようにしっかりがんばれ」と激励した。

 出席者によると、小沢氏は各テーブルごとに紹興酒やビールを注いで回り、終始上機嫌だったという。

 小沢氏は16日から3夜連続で若手議員との懇親会出席となる。



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恒三さん、柳田法相の自発的辞任を促す

2010年11月19日 19時41分50秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

[写真]民主党最高顧問の渡部恒三さん(同氏の公式ホームページから)

【参・予算委 補正予算案の基本的質疑 2010年11月18日(木)19日(金)】

 平成5年(1993年)の細川内閣発足後の国会審議の中で、与党から見て最低、最悪の審議だったのではないか、と私は感じました。

 NHKニュース7が報じたところによると、民主党最高顧問の渡部恒三さんが、週明けに参院自民党らが提出する予定の「法務大臣・柳田稔君問責決議案」について、「(可決された場合は)辞めていただくしかないよなあ。その前に辞めるっていう選択、彼にはあるかもしれないなあ」と述べました。会期末を控え、ねじれ国会の参議院で補正予算の成立が滞る前に、国会運営を遅滞させた責任を取り、柳田法相に自発的辞任を促した発言だと思います。

 柳田稔さんは広島で開かれた大臣就任を祝う会で、閣僚答弁は2つのフレーズだけ覚えておけばいい、という国会を軽視したあいさつをした、と報じられており、国会運営が混乱しています。

 ちょうど10年前に、森内閣の官房長官だった中川秀直さんが、野党・民主党で2000年6月の初当選から半年に満たない1年生議員・長妻昭さんから衆・内閣委などでテープと写真をもとに追及を浴び、①捜査情報漏洩疑惑、②女性問題、③覚醒剤使用疑惑、④右翼団体幹部と一緒に写った写真--の4つの疑惑を否定(①については「おぼろげ」、④については当時は右翼団体の関係者ではなかったと釈明)したうえで、「大事な国政に迷惑をかけてはならない」「結果的にこのような事態になり、おわび申し上げたい」と述べ辞任したことがあります。2000年10月27日朝のことです。後任の官房長官には初入閣の福田康夫さんが就きました。中川氏の「国政の混乱」を理由にした自発的辞任により、森内閣→小泉内閣→安倍内閣→福田内閣と4代・8年間の自民党清和会長期政権が実現した、という見方もできるでしょう。

 衆院副議長の在任2498日間の長期記録を持つ恒三さんは、与党・自民党の国対委員長と野党・民主党の国対委員長の両方を務めた経験がある、唯一の国会議員です。また野党時代から政権交代を経た現在までのここ数年間、衆・予算委員を務めています。後ろの長老席なのであまりTVには映りませんが、長時間ずっと腕組みをして、審議の流れを確認している長老の姿がみられます。

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政治主導確立法案審議入り

2010年11月19日 13時21分15秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
【衆院内閣委員会 2010-11-19】

 事前の報道などでまったく知らなかったのですが、政務三役を増員する「政治主導確立法案」が審議入りしました。第45回衆院選の民主党09マニフェストでは、「政府に大臣、副大臣、政務官、大臣補佐官などの国会議員約100人を配置する」となっていますが、自民党政権時代の定員しかいません。

 事業に成功したり、スポーツ大会で優勝したりした経験がある方なんかは分かるでしょうが、「何事も初めが肝腎」ですから、政権交代直後の第172特別国会に提出して、衆参両院で可決し、成立させ、人事を決めるべきだったのです。鳩山由紀夫首相・小沢一郎幹事長の実は最大の失策だと私は考えています。

 荒井聰委員長が開会を宣言しましたが、自民党などは欠席しました。理由は分かりません。

 仙谷由人官房長官が趣旨説明をしました。国家戦略局を設け、内閣官房副長官を増員のうえ、局長を兼務し、国家戦略官というポストをつくります。また総理補佐官を10人に増員します。行政刷新会議、税制調査会などを法制化。国家公安委員長の下に大臣政務官を1人置くことができるようになります。また政務調査官というポストをつくり、大臣に情報を上げることができるようです。

 法案の正式名称は、「政府の政策決定過程における政治主導確立のための内閣法等改正法案(174国会閣13)」
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DAA80E.htm

 で、政務三役の増員は、国家行政組織法の改正などが必要ですが、現在衆議院に提出されている議員立法は、「筆頭発議者・小沢一郎君」となっており、今のままだと、答弁者不在という事態になりかねません。できるだけ早く、議員立法も出し直して、政務三役プラス大臣補佐官100人という政治主導を形作ってほしいと思います。

 それにしても、つくづく何事も初めが肝腎だ、と感じます。

 きょうの内閣委員会は仙谷大臣の趣旨説明だけで散会しました。

民主党・今野東さんが本会議演説で異例の国会改革を提案 しくみを変える

2010年11月17日 10時44分59秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
[画像]民主党参院議員の今野東さん、参議院インターネット審議中継からキャプチャー

【参院本会議 2010年11月17日(水)】

 昨日の衆・本会議に続き、参・本会議で菅直人首相がAPEC2010横浜の首脳会議の結果を報告し、それに対する質疑応答がありました。

 この中で、民主党全国比例選出の今野東(こんの・あずま)さんが、質問の中で、北方領土問題の重要性を説き、「この際、参院沖縄及び北方問題に関する特別委員会を分割して、“北方領土特別委員会”を設置したらどうでしょうか」と述べました。今野さんは沖縄・北方特別委の理事です。国会議員が本会議の演説で、国会改革(参院改革)に言及したのは、私は初めて聞きました。異例のことだと思います。ぜひ応援したいと思います。

 特別委員会は国会の会期ごとに設置を決めますが、沖縄・北方特別委は衆参ともに事実上は常設で、なかば常任委員会に近い存在です。

 私は民主党政権が政策に前のめりになっていて、立て直しのためには、「しくみを変える」ところからやらないといけないと思います。

 内閣の方にも、沖縄・北方担当相がいて、これは馬淵澄夫・国交相が兼ねています。ちなみに、衆院国交委員長は民主党ですが、参院国交委員長、と衆参の沖縄及び北方問題に関する特別委員長の計3人は自民党です。馬淵大臣は波高い国会運営を強いられる。衆院当選3回で唯一の入閣と言うことですから、苦労は買ってでも・・・という気もしますが、いろいろタイヘンです。

 また、衆参の厚生労働委員会もタイヘンです。14日付の日経新聞は「労働者派遣法改正案、今国会見送りか」と報じています。社民党のリクエストが強い同法改正案ですが、自民党内にも反対論が強く、参院での採決が日程も含めてかなり厳しい。私は衆院厚労委員には複数仲の良い人がいるんですが、「政策調査会でも、厚生労働部門会議しか出られない手一杯の状態」ということです。その厚労委員には、「厚労は大事だから、1年生の間は、のめり込んでやったらいいですよ」と言っていますが、「その通り。困っている人を地元で目の当たりにしているから、ほっておけないよ」ということです。さらに「最近地元の障害者団体の方からこういう要望をされた」という話を聞いていると、それはまだ法案にもなっていないし、そもそも政治日程にものぼっていない宿題です。それが、厚労省なり、衆参厚労委には山ほど積まれています。厚生労働を、以前のように、厚生、労働に分けるというアイディアは複数の人が言っているのですが、実際に国会で言及した人はまだいないのではないかと思います。

 そういうわけで、今野さんが本会議での演説の中で、国会改革、すなわち、しくみの改革について言及したことに好印象を持ちました。仮に参院内でも党内でもまったく根回し無く言ったんなら、むしろもっと好印象に感じました。

 この後、自民党の第22回参院選初当選組のトップバッターとして、浜田和幸さんという方が質問に立ちましたが、なぜかこの中で、民主党の谷亮子さんを名指しで批判するくだりがありました。しかし、谷さんは政府の役職をやっているわけではないので、いかがなものか。自民党も民主党も参議院も海上保安庁も秩序が大事です。

 ◇

 国会は、きのう16日(火)午後、衆・本会議で、平成22年度(第1次)補正予算案が民主党・国民新党と社民党、たちあがれ日本そして与党系無所属の賛成多数で可決し、参院に送付されました。あす11月18日(木)から参・予算委で基本的質疑が始まります。なお、きのうの採決で、予算関連法案の「地方交付税法改正案」については予算に反対した公明党も賛成して可決しました。これにより、補正予算の成立は確実になりました。参院民主党は来週24日(水)の本会議での採決をめざしているようです。

 なお、17日付の公明党と関係が深い新聞では、地方交付税法改正案に関しては「自治体に迷惑がかかるという声が多い」という理由で公明党は賛成したと表現しました。が、補正予算案に関して「与党と社民党が賛成し可決した」と表現しただけで、「公明党は反対した」という一文が入っていませんでした。それでいて、見出しでは「補正予算の成立確実に」と立てており、行間から苦悩が伝わってきました。民主党側からみると「公明党はキャスティングボートをねらっている」とみえますが、私は実際には、公明党執行部・国会議員団が3000人の地方議員団から突き上げをくらって、制御できない状態になっているのではないかと推察しています。ちなみに、公明党立党の母体となった、宗教法人「創価学会」はあす11月18日、創立80周年を迎えるそうで、関連の新聞ではお祭りムードになってきています。

補正、衆・予算委を23時45分に通過 野党、議論しながら協力も 国会に新しい風

2010年11月15日 23時51分07秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
[写真]衆院予算委員長の中井洽(なかい・ひろし)さん

(このエントリーの初投稿は11月15日午後9時15分)

[衆院本会議 2010年11月15日(月)]

 午後9時過ぎに開会し、議事進行係が「内閣官房長官、仙谷由人君不信任決議案」を緊急上程しました。提出者は佐藤勉さん(自民党国対委員長代理)ら5名。閣僚の不信任決議案は堂々巡りで採決されます。最新の情報は、入っておりませんが、この後、馬淵澄夫国交相の不信任決議案も提出されると思います。採決の結果、否決される見通し。この後、補正予算案の採決などのため、衆・予算委が再開することになると思います。また、歳入関連法案を審議する衆・総務委はすでに流会になっています。最終的には補正予算は衆院を通過しますが、参院の補正審議の最終局面で、仙谷、馬淵両大臣の問責決議案が提出された場合、可決される可能性が高く、今国会のヤマ場となります。ただし、補正予算そのものは、衆院での再議決(予算案に関しては過半数でオーケー)され、可決し、真水で5兆1000億円に流れるようになる見通しです。

 きょうからあすにかけてが、衆院でのヤマ場、来週が参院でのヤマ場となります。ただし、繰り返しますが、補正予算そのものの成立は確実な情勢で、国会では一般法案審議と政府では本予算案の編成に重点が移っていくと思われます。岡田克也幹事長は15日の記者会見で、「走りながら考える。走りながら協力関係を構築していく」と述べ、与野党幹事長会談、政調会長・国家戦略相による事前説明などのねじれ対応プロセスを微修正することを示唆しました。

 自民党の塩谷立・元文科相は、仙谷氏を「司法試験と学生運動だけの学生時代を送った」「国会をディベートの場だと勘違いしている」と激しく批判しました。一方、反対討論に立った民主党の大島敦さんで、この人は人間的に立派な方ですが、演説の冒頭から「けんけんがくがく」という誤った日本語、よくあるんですが、小姑のようですが、僕としては気になるミスから始まりました。どうして、こういうところのチェックが入らないのか、そのプロセスが気になります。

 仙谷、馬淵両大臣への尖閣問題での、検察の処分保留、ビデオの非公開措置、第5管区海上保安官による動画のYouTube流出(警視庁・東京地検が逮捕せず任意の聞き取りを継続中)などが理由のようです。仮に参院での問責の可能性が出てきた場合は、責任問題以前に、国政の遅滞を招かないための自発的な判断も求めたいと思います。

 岡田克也幹事長は15日の記者会見で、馬淵大臣の責任について問われ、「不信任に値するとは考えていない」との認識を示しました。また、補正審議については、「これ以上にていねいなやり方はあるんだろうかという気がする。(衆・予算委の)集中審議をやればやるほど、野党が攻勢に出た」として、政府案を組む段階から、野党の要望を聞くという異例のやり方をしながら、採決に反対する姿勢を示している自民党ならびに公明党ら野党を批判しました。

[追記 2010年11月15日(月)午後10時5分]
 仙谷由人官房長官不信任案は、およそ1時間の審議のうえ否決。引き続き、馬淵澄夫国土交通大臣の不信任案が緊急上程されました。

[追記 2010年11月15日(月)午後10時55分]
 馬淵国交相不信任案は、投票総数467、賛成151、反対316で否決されました。この後、横路孝弘議長は、「ただいま議場内交渉係が協議中ですのでしばらくお待ち下さい」と発言し、議員は本会議場に張り付いたままとなっています。衆議院ネット中継にちらりと映った場面では、議長席の画面左の交渉スペースに、野党の議場内交渉係(議運委員の一部)が集まっていますので、投票のプロセスに何か瑕疵があるというようなことを井上茂男・事務次長に行っている可能性が高いように思います。このような件はそんなに長引かないと思います。

[追記  2010年11月15日(月)午後11時5分]
 タイヘン珍しいことがありました。本会議場での議場内交渉係(各党の衆・議員運営委員)が相談し、鬼塚誠・事務総長、井上茂男事務次長らが横路議長の下に行き、ペンを持って議長が「これでいいの」などと確認した後、「お諮りいたします。日程第1、日程第2は後回しにすることにご異議ありませんか?」とマイクで問うと、どよめく議場が「異議無し」と全会一致。日程第1、日程第2はそれぞれ補正予算案と予算関連法案(地方交付税法案)だったんだと思います。これを後回しにし、日程第3の「民事訴訟法改正案」について、奥田建・法務委員長が報告し、全会一致で可決。日程第4の「雇用・能力開発機構法廃止法案」について、牧義夫・厚生労働委員長が報告し、起立採決の結果、賛成多数で可決。2つの法案が参院に送られました。これは野党側の協力もあったということで、“法律工場”がうまく回りました。その後、「後回し」だった日程第1、日程第2について、議事進行係の小宮山泰子さんが後日にすることを発議し、了承されました。午後11時5分、横路議長は「本日はこれにて散会します」と宣言しました。思ったより早く終わりました。この後、衆・予算委をやるのかは分かりませんが、おそらく流会すると思います。衆・総務委は早い段階ですでに流会しており、補正予算・関連法案の衆院通過はあす以降となりました。
民主党の鉢呂吉雄さんは「オープンな国対委員会」を掲げていますが、55年体制のシナリオ通りの国会運営と違い、ハラハラしながらも、きっちり国民にオープンな国会運営は続いています。オープンで、透明な議事進行のために費やされる若干のムダに見える時間は、これは“民主主義のコスト”と呼ばれます。時間がもったいないなら国会をやめて明治時代前半のように、内閣独裁に戻せばいいだけの話です。

[追記 2010年11月15日(月)午後11時25分]
 衆・予算委の再開を中井洽委員長が宣言しました。自民党の馳浩さんから「予算の撤回のうえ編成がえを求める動議(組みかえ動議)」が提出され、提案理由説明がありました。続いて、みんなの党からも浅尾慶一郎さんが「予算の撤回のうえ編成がえを求める動議(組みかえ動議)」を提出し、提案理由説明をしました。公明党は提出しませんでした。早口の中井さんは、自民党動議、みんなの党動議の別々の案をひとまとめにして討論することを宣言。両案に反対する立場から、民主党の金森正さん(比例単独東海)がお歳には思えないほどの若々しさで、地方議会経験を生かしたなめらかな滑舌でスピード討論。続いて、自民党の小里泰弘さんが、「政府案反対・自民党組みかえ動議賛成」で討論をゆっくりとした口調で始めました。

[追記 2010年11月15日(月)午後11時30分~59分の間]

 次に組みかえ動議は出していない公明党から遠山清彦さんが討論。「中小企業に冷たい、地方に冷たい、農業に冷たい」として政府案に反対しました。このフレーズは公明党で統一されています。自民党案、みんなの党案は「賛同できる部分はあるが、反対だ」と述べました。なお、遠山議員は極めて早口で、与党に協力的でした。公明党の対応「したたか」という表現しかありません。続いて、共産党を代表して笠井亮さんが討論。政府案、自民案、みんな案に反対。ただし「早口協力」は評価できます。続いて、社民党の1期生・服部良一さん。政府案「賛成」自民案「反対」みんな案「反対」と述べ、拍手がわきました。ちょっとたどたどしい服部さんですが、「最後に菅総理、小泉・竹中弱肉強食路線からの転換をめざして政権交代の原点に戻って下さい」と1期生らしい意見でしめくくりました。続いて、みんなの党の浅尾慶一郎さんがゆっくりとした口調で討論に立ちました。「菅内閣は政権の体をなしていません」との厳しい切り出し。「みんなの党は日銀法改正を準備しています」と政府案ではなく、減税措置を盛り込んだ編成替え動議で設備投資を促進する金融・税制面を促した上で、「政府案に反対」と述べました。この後、「国民新党・新党日本」の統一会派を代表して、下地幹郎さんが「政府案に賛成、自民案・みんな案に反対」として討論しました。日をまたぐまで、あと15分です。なんとか間に合いそうです。

 午後11時43分。中井委員長が討論終局を宣言。まず、自民党組みかえ動議(武部勤君ほか2名提出)は起立少数で否決。つづき、みんなの党の組みかえ動議(浅尾君提出)も起立少数で否決。そして、11時44分、平成22年度補正予算3案(一般会計、特別会計、政府関係予算)を起立採決し、起立多数で可決しました。11時45分、委員長は衆・本会議への委員長報告書作成の一任をとりつけたうえで、散会を宣言し、「ご苦労様でしたー」と大声で叫びました。

 というわけで、政府案に堂々と組みかえ動議を提出した自民党、みんなの党。そして、公明党は反対しながらも、審議には協力という風に、以前とは徐々に違った緊張感と実質審議のある衆院予算委員会でした。

 今後の日程ですが、報道をご参考にしていただきたいですが、あす午前9時半からの衆・総務委で予算関連法案を可決の上、午後1時からの衆・本会議に予算と関連法案を議題にし、可決のうえ、参院に送付。参・本会議での代表質問はすでに終わっていますので、参・予算委で趣旨説明のうえ基本的質疑が2日間程度NHK入りで行われると思います。そして週明けにも参院の予算委や本会議で採決の上、「否決」されます。繰り返しますが、「否決」です。それを衆院に回付。衆・本会議でふたたび採決し、過半数の賛成で可決・成立する運びとなりそうです。このエントリーはこれで終わりです。

補正の衆院通過より先に、閣法が成立 大塚耕平さんが参院筆頭理事、前金融副大臣の責任感 保険業法改正案

2010年11月12日 23時59分59秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
[写真]民主党の古本伸一郎さんと大塚耕平さん(公式ホームページから)

【2010年11月11日(木)参・財金委、翌12日(金)参・本会議】

 改正保険業法(第174国会閣法64号)が成立しました。召集の時点では、なんの興味もなかったこの法案でしたが、閣法成立第1号、しかも答弁者が自見庄三郎・金融担当大臣(参院議員)で、補正予算の審議にへばりついているのに、その合間をぬって、補正の衆院通過前に衆参で可決・成立しました。なんともスピディーな処理でした。全会一致とはいえ、民公自3党の衆院での修正がありました。11日の参・財政金融委員会では、自見大臣(国民新党)の趣旨説明→竹内譲衆院議員(公明党)の衆院での修正の説明→各党質疑→全会一致で可決。そして、翌朝の参・本会議で全会一致で成立となりました。「口蹄疫補償金非課税法」(衆院の財金・総務委員長提出の議員立法)に次いでの成立で、閣法としては今国会第1号の成立となりました。その迅速さはすばらしい。

↓参・本会議の押しボタン式投票結果は次のリンク先でみることができます。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/176/176-1112-v001.htm

 やはり日程の立て方です。自見大臣が予算委に拘束されない日程をおさえて、修正案も事前に打ち合わせたということだと思います。修正案の説明も、公明党衆院議員の竹内さんに参院の委員会室に来てもらってやってもらったのですから、様々な日程調整をこなしたことになります。で、その現場を預かったのは、参・財金委の民主党側の筆頭理事は大塚耕平さん、それと大久保勉理事という、参院民主党の財政・金融チームでずっとコンビを組んできた2人でした。もちろん、自民党側の理事の貢献も大きいでしょうが、やはり閣法の第1責任者は与党理事です。衆院では前財務政務官の古本伸一郎さん、参院では前金融担当副大臣の大塚耕平さんということで、やはり政務三役帰りは責任感が強いと改めて感心しました。政務三役の中でも、とりわけ財務省、金融庁というのは、べた褒めされることがない、何をやっても賛否両論の精神的にもキツイ担当ですが、やはり政権交代で政府の役職を経験することで、舌鋒鋭い野党政治家が、一皮むけて、責任感と安定感のある与党政治家に育っていくんだ、ということを有権者として確認できた気がします。だから、政権交代ある二大政党デモクラシーは有効だし、いろいろと辛い昨今ですが、それを日本に定着させていくためにがんばっていこう、との自信を改めて持ちました。

↓衆院通過のもようは次のエントリーで紹介しました。

“100兆円の財務省帰り”の2議員、政府外でも強い責任感示す 補正予算審議入り、閣法第1号衆院通過

 大塚耕平さんは、野党時代にも財金委の筆頭理事を務めていました。2009年の通常国会3月26日に、同じく参院財政金融委員会で、予算関連法案の審議に関して、麻生内閣の財務副大臣(平田耕一さん)のクビをとっています。このときはその朝の日経新聞朝刊で「平田・財務副大臣、株式大量取引の財務局への未報告が発覚」と報じられ、予算関連法案に関する総理出席の締めくくり総括質疑に立った大塚さんは、「本当は総理や財務相と財政・金融に関する議論をしたいのだが・・・」としながらも、平田問題を優先し、辞任させた上で、予算関連法案の採決に応じました。野党のこういう「政務三役のクビをとる」という行為も、政権を前に進める原動力になっているのです。この5ヶ月後の第45回衆院選で、平田耕一さんは、公示前のJC主催の候補者討論会で、よほどのストレスだったのでしょう、「私が当選する確率は万に一つもありません」と口走ってしまい、敵前逃亡状態になりました。そして、三重県第3区の平田さんは惜敗率36・21%というすさまじい負けっぷりをしてしまいます。いくら対抗馬の民主党・岡田克也候補が強かったとはいえ、やはり選挙は日ごろからの国会と地元での活動の勤務評定に過ぎないことを証明しています。

 古本伸一郎さんも野党時代から、衆・財金委で、「ゆうちょからJAバンクへ5兆円の貯金が流れている。JAバンクはバイクに乗って僻地で集金している。その努力が民営化後の郵政にはない」という、地元で吸い上げたであろう声を質問していました。古本さんは、財務政務官として税制を担当し、ナフサの減税(粗特)について、石油化学メーカーの社長に話を聞きに行って、「ナフサの減税がなくなったら会社は潰れます」と説得され、言葉を失うシーンがNHKスペシャルで報じられました。大塚さんも内閣府副大臣として、上司の亀井静香大臣から「モラトリアム法案」というかなり無茶な課題を与えられましたが、「中小企業金融円滑化法」というきれいな形に仕上げました。その一方で、デフレに関しては「日銀寄りだ」と批判され、まあ私もそう思いますが(^^;)、政治家として一回りも二回りも大きくなったのではないでしょうか。

 ちなみに大塚耕平さんは、菅直人代表・岡田克也幹事長の下、党本部広報委員長も兼ねています。どうやら「広報改革」に取り組むようで、どのようなことをするのか分かりませんが、私は応援したいと思います。おそらく、情報発信とか、そういう意味とは違う「広報改革」だと思います。それはとても難しく、抵抗も大きいし、かつ目立たなく地味な改革でしょう。でも私はエールを送りたいし、私としても取材の時間ができたら、お話を聞いてみたい気がします。古本さんも大塚さんも愛知県連です。二人とも世間一般に言われるところの、愛知の人らしいところがあるのかもしれませんが、国難にあたり、目立たなくとも強い精神力と軽いフットワークでこともなげに仕事をこなす愛知の人が頼もしく感じられます。

公明党さん、そりゃないよ!補正反対、関連法案賛成で、菅内閣の生殺与奪の権を握る

2010年11月12日 22時32分39秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

[画像]2010年11月9日の衆院予算委の補正審議で、うってかわって政府案を攻撃しだした公明党政調会長の石井啓一さん(NHK映像)。

 公明党は11日、党本部(東京・信濃町)で中央幹事会を開き、補正予算案に反対する方針を決定しました。

 これは、おそらく、地方議員さんが、「補正に賛成したら、統一地方選を戦えない」と県本部代表を兼ねる国会議員を突き上げたからだと思います。例えば、11月9日(火)の衆・予算委で補正のメニューをことこまかに批判したパネルをもって徹底攻撃した政調会長の石井啓一さんは、茨城県本部の代表です。茨城県議選は来月実施の「プレ統一地方選」と言われていますので、茨城県は既に臨戦態勢でしょう。

 このほか新聞報道では、松あきら党副代表のほか、新人の石川博崇さんも「補正反対」を政調全体会で早くから唱えていた、と報じられています。松さんの神奈川はみんなの党の国会議員が3人もいて、民主党除籍組の横浜市議もなかなか良いタマのようです。石川議員は、大阪府の選出です。公明党にとって最も重要な地域ですが、府議会、市議会とも中選挙区のところに、「大阪維新の会」の旋風が来ます。地元のことはよく分かりませんが、おそらく公明党の府議・大阪市議・堺市議の現職たちは「大阪維新の会を倒せ」という戦術をとると、現職である自分へブーメランが返ってくるのでしょう。あくまでも推測ですが、「大阪維新の会の公認候補の人数分は定数が減ったんだと観念して、残りの議席を民主党・自民党から奪おう」と考えるのがフツーだと思います。ですから、「“小沢付き民主党”の補正予算案に反対しろ」と国会議員を突き上げたのでしょう。だから、国会の公明党は、全議員参加の政調全体会を報道陣に公開したうえで、補正反対に舵を切ったのではないでしょうか。

 その一方で、中央幹事会は、予算関連法案に関しては、「執行部一任」と決定しました。公明党が「補正反対」「予算関連法案賛成」となると、2010年度第1次補正予算案は参院で否決され、衆院に回付し、衆院での過半数により可決・成立。予算関連法案は、参院本会議で民主党・国民新党・公明党の過半数で可決・成立する見通しとなり、今国会の最大の懸案はメドがつきました。

 とはいえ、「予算反対」「予算関連法案執行部一任」とは、公明党が菅内閣の生殺与奪の権を握ったと考えるべきです。補正はいいとして、本予算の採決を向ける来年2月末ごろには、統一地方選スタートまで1ヶ月を切っていますから、極めて厳しい対応が迫られます。

 今回は野党各党に事前に補正のメニューを示して要望を聞く格好でしたが、本予算では、自民党は排して、民公代表会談を数回開いて、民公政調会長会議を組織として立ち上げて、いやらしいまでに公明党にすり寄るしかないのではないかと思います。そのくらいやらないと、先は見えてきません。

 私は公明党が補正に反対するとは思ってもみず、9日(火)の朝7時のNHKニュースで驚きました。そして、午後1時からNHK中継が入った衆院予算委員会の補正予算案質疑に立った公明党の石井啓一・政務調査会長は、補正のメニューについて、①中小企業に冷たい②地方に冷たい③農家に冷たい--と3つの問題点を指摘しました。

 実はここまで、このブログに書いていなかったのですが、私は今国会の召集日の翌日である10月2日(土)の第8回公明党全国大会に取材に出かけ、開会前~大会全部~終了後の第1回中央幹事会のアタマ撮り~記者会見までたっぷり取材させてもらい、「ああ公明党というのはこういう政党か」とじっくり勉強させてもらいました。新党平和や、参院会派「公明」の取材経験はありますが、公明党(New Komeito)になってからの取材は初めて。前日に党本部の広報部に電話して、連絡先をファクスしたら、快く「いいですよ~」ということで、やはり新進党同様に公明党職員は人柄がいいなあと感じました。


[写真]第8回公明党全国大会のようす、2010年10月2日、東京・品川、宮崎信行撮影 

 なぜ公明党大会を取材したことを1ヶ月間もこのブログに書かなかったかというと、公明党支持者の方には土足で脚を踏み込まれたかのように思われるかもしれないし、民主党支持者の方には公明党への乗り換えかと思われるのではないか。「李下に冠を正さず」という言葉もあります。誤解を招くようなことははじめから書かないということです。ただ、その理由は一つ、向こう6年以上、民主党が参院で過半数を占められない以上は、民主党と公明党の連携が安定につながり、それが国政の安定につながる、だから公明党のことをもっと知りたい、との私の考えに基づく、それが唯一最大の理由です。

 大会会場にはかなり早く着いたので、マクドナルドでランチを買って、休日の風が心地好いテラスで昼食を摂りながら、本を読んでいました。物怖じしない性格の私も、公明党さんの取材は10年ぶりですから少し所在なくなり、「ああ、久保哲司先生がいたらなあ」と思いを馳せました。故久保哲司・元衆院議員は「新進党」準備委員会の党名公募の各党チームで、旧公明党から参加していました。日本新党本部会議室のファックスとハガキの山(当時はメールはない!)の中で集計作業をしている新生党学生塾の僕らに気さくに声をかけてくれ、大阪市交通局時代の武勇伝を話してくれたりしました。僕が日経新聞に就職し、政治部総理番記者になったとき、衆議院議員食堂でお見かけすると、気さくに手を挙げてくれました。当時は新進党衆院議員ということで、2人で食事をしていたもう1人の議員はわざわざ立ち上がり名刺交換をしてくれました。そんなていねいな国会議員はほかにいません。その1年生議員は、斉藤鉄夫さんです。それから数ヶ月後に、小沢一郎氏の手により新進党は解党されてしまいました。斉藤鉄夫さんは新党平和を経て、新・公明党で環境大臣や政調会長を経て幹事長代行になりましたが、どういうわけか、久保さんは自由党(小沢一郎党首)に行ってしまいました。久保さんはその後、新・公明党に戻り2003年に56歳で亡くなりました。このように公明党の衆院議員や都議会議員の知己は若くして亡くなる傾向にあります。これはやはり中間管理職の辛さだと思います。選挙には、本人や家族だけでなく、仲間の生活もかかっているわけです。創価学会の組織力は長期低落傾向にあります。党大会でも「My(マイ)獲得運動を推進してください!」と井上義久幹事長が強調していました。この「My(マイ)獲得運動」とは、現職地方議員がその名刺を使って支持者を集めなさい、という意味でしょうが、創価学会票だけでは当選ラインをギリギリ下回る状況にある現職議員が多いということの裏返しだと、私は感じました。ということは、「小沢付き民主党を倒せ」という地方議員さんから党本部代表(国会議員)への突き上げは相当な圧力でしょう。

 補正反対なんて、そりゃないよ~公明党さん・・・「新進党解党被害者の会」の仲間じゃないの~~。1994年12月10日、パシフィコ横浜で一緒に誓った仲じゃないの~~とぼやきたいところですが、公明党さんの現職議員にとってはそれよりも切実な問題が目の前の来年4月にあるわけです。私の気持ちも早くも来年2月末(当初予算の採決)に行ってしまうのですが、やはり予算に反対しても、予算関連法案にはぜひ賛成していただきたい。そして、公明党のある意味立派なところは、民主党が中選挙区での候補者調整を呼び掛けても、それは潔しとしないと思います。例えば、公明党で岡田克也さんへの評価が高いのは、第39回衆院選で公明党政審会長(坂口力さん)を押し出して、初当選した選挙の強さがあると言われています。ちなみに、坂口さんが落選したので、公明党政審会長になったのが、二見伸明さんです。

 公明党に信頼してもらうためには、「オープンでクリーンな民主党」を民主党412人がキッチリとやる。例えば、馬淵澄夫国交相が自発的に辞任し、歳費1割削減など身を切る、そして、もちろん小沢問題を処理していくことが重要です。このブログの読者の方から「創価学会員の親戚は、今でも小沢氏を悪く言っているよ」というメールもいただいています。斉藤鉄夫さんは先日のBS11のインサイドアウトで「弱小政党ですから」と卑下するような発言をする一方で、「支持者からは闘う野党になってくれという声が意外と多い」とも話しており、今回の決定を予感させる発言をしていました。民主党議員一人一人がもっと公明党の強さと弱さの両面から事情を知らないと、政権が座礁してしまう可能性が出てきたと感じます。もっと危機感を持って下さい。

 なお、2010年度第1次補正予算案とその関連法案は、11月15日(月)の午前9時からの衆・予算委と、午後3時半からの衆・本会議で採決され、可決する見通しですが、尖閣ビデオ問題の政府の対応などに進展が見られない場合は、スケジュールがずれ込む可能性も出てきています。とはいえ、今国会中の補正成立はほぼ間違いないと思われます。が、油断は大敵で、一般法案の審議もドンドン平身低頭で与党理事が野党理事にお願いしないと、統一地方選までに成立が間に合わず、「民主党は実績ゼロ」との批判に、何の罪もない地方議員候補者が涙をこらえながらお詫びし、「何で民主党から立候補しちゃったんだろう?」ということで、選挙前後に各地でトラブルが続出することが予想されます。

公明、補正予算案に反対 | ニュース | 公明党

公明党は11日、東京都新宿区の党本部で中央幹事会を開き、2010年度補正予算案に反対することを正式に決めた。予算関連法案である地方交付税法改正案への対応は党執行部に一任とした。

中央幹事会終了後、山口那津男代表は記者会見し、党の対応について、大要次のような見解を述べた。

一、補正予算案への対応について、3つの理由から反対を表明したい。

一、一点目は公明党が提案した中身が十分に反映されていないことだ。政府・民主党は公明党が提案した項目について、(大枠で)24項目中23項目、95%以上を反映したと提示してきた。しかし、公明党は68項目を精査したが、公明党の要求が予算額で半額以上認められたものは22項目、約32%に過ぎない。極めて不十分な対応であり、政府・民主党の言う95%とはほど遠い。また、多少反映したものも、わずか22項目、約32%に過ぎない。まったく対応していないものも24項目、約35%に上る。

一、二点目は中小企業、地方、農家に冷たい内容であること。中小企業に対しては、緊急保証制度を今年度で打ち切り、(金融)円滑化法の延長について具体的な動きがない。予算委員会の質疑でも前向きな対応(答弁)はなかった。

一、地方に冷たいという点では、地方の使い勝手が良く、独自の事業もできる地域活性化交付金を1兆2000億円規模で手当てすべしと提案した。しかし、補正予算案では、わずか3500億円にとどまっている。交付金の額が大きければ景気対策として機動的で有効な対応ができる。

一、農業では、米価下落に対応するため、30万トンのコメの緊急買い入れなどの出口対策(需給調整対策)を取るべしと提案したが、対応がまったくなされていない。

一、三点目はデフレ(物価の持続的下落)脱却、景気を回復軌道に乗せる中身になっていないことだ。デフレ脱却と財政健全化を両立させるには、使える財源をフルに活用する必要がある。しかし、昨年度決算剰余金が約1兆6000億円ありながら、その半分の約8000億円しか財源にしていない。過去には、特別措置で剰余金全額を年度内に使ってきた。われわれが全額使うよう要求したにもかかわらず、半額にとどめたのは、デフレ脱却への強い対応が見られないことになる。

一、雇用のセーフティーネット(安全網)に一部対応しているが、本格的な雇用創出や民間需要を喚起できる対策にはなりきれていない。結果として、景気の回復軌道にはつながらない。したがって、十分な経済効果は期待できない。

一、公明党は9月2日に(緊急経済対策を発表し)補正予算の編成を求めたが、国会提出まで2カ月近くも経過し、(菅政権の対応が)遅すぎた。(景気の)二番底が懸念される中、日本経済に対する危機感が乏しい。また、政治とカネの問題については、積極的な対応をいまだにとろうとしていない。外交でも度重なる拙劣な対応をしてきた。菅首相の政権運営が問われている。こうした背景があることも指摘しなければならない。

一、(予算関連法案への対応に関して)いろいろな意見はあったが、執行部に一任となった。今後の議論や他党の動き、(補正予算案の)衆院での採決を見た上で、最終的に判断したい。

一、(党内論議で出た意見に関して)2回(議論を)やって、1回目は賛否が拮抗していたが、2回目は、かなり反対論が強くなった。企業・団体関係者や地方議員、党員に幅広く聞いた上で、反対のトーンが強くなったと受け止めている。

[公明党]補正関連法案の賛否を執行部に一任(毎日新聞) - livedoor ニュース

 公明党は11日午前の中央幹事会で、政府の10年度補正予算案に反対することを正式に決めた。予算関連法案の地方交付税法改正案には「地方に配慮し賛成すべきだ」との意見が出たが、法案修正も視野に執行部に賛否を一任。補正予算案は15日に与党の賛成多数で衆院を通過し、参院に送付される見通し。山口那津男代表は11日の会見で「中小企業と地方に冷たい内容だ」と述べた。【岡崎大輔】


三宅さんの復帰、統一地方選の前後になる可能性も 話しやすい議員が訪問へ

2010年11月07日 08時02分33秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

 三宅雪子さんの本格的な復帰が来年4月の統一地方選の前後になる可能性を、民主党群馬県連幹部が懸念していることが分かりました。三宅さんは腰の手術を受けました。腰とはすなわち脚の付け根ということになりますから自力で歩けるようになるまで時間がかかることが予想されます。仮に「早期の復帰」を最大目標にした場合は、自力で歩けない状態で会合に出席することになります。この場合、「車イス」「松葉杖」を使わなければならず、5月の転倒事件を有権者や本人が想起しかねず、周囲の反応いかんでは逆風になるというジレンマが予想されています。

 三宅さんの地元では、4月10日(日)に群馬県議会議員選挙、4月24日(日)に高崎市議会議員選挙などが実施されると思います。若い組織である民主党にとって、統一地方選は地元衆院総支部長が陣頭指揮をとることになります。総決起集会、出陣式、演説会では、例えば、ビデオ出演や、携帯電話をマイクに付けるという方法もあるでしょうが、ここの自民党支部長は総理経験者の福田康夫さんです。どのような事情があれ、総理経験者に対して、民主党の1年生議員が不在という構図になった場合は、選挙が勢い付かない可能性があります。

 岡田克也幹事長は、4日の記者会見で「私の幹事長としての意を受けて、近々、議員がお見舞いに行く予定にしております。ただ、ご本人の状況もありますので、よく連絡を取ってお伺いして、いろいろどういう状況だったのかというお話も聞いてくることになっております」と述べ、三宅さんが話しやすい相手、おそらく同期の女性議員になると思われますが、病室を訪れ、どのような悩みを抱えていたのかを把握したうえで、必要ならば幹事長室や選対委員会として県連・総支部の改善に関わっていく方針だと思われます。


“100兆円の財務省帰り”の2議員、政府外でも強い責任感示す 補正予算審議入り、閣法第1号衆院通過

2010年11月04日 23時16分29秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
[写真]民主党衆院議員の古本伸一郎さんと大串博志さん

【衆院本会議 2010年11月4日(木)】

 「安定」への嫉妬からか、公務員叩きというのは昔からあるし、これからも続くでしょう。とはいえ、エリート官僚、キャリアがいなければ官邸や各府省は動きません。縁の下の力持ちのキャリア。それは国家公務員法をはじめどの法律にも「キャリア」という文字が見あたらないくらい陽の当たらない場所で働いているのに、それでも、きょうも深夜まで、ホントウに国益のために働いています。

 ただ、1府12省もあると、濃淡はある。私が見て、財務省というのは1級官庁だと思う。とりわけ主計局です。ただし、主計局を独立させた省にしてしまうと、人事が回らなくなって、みんな体をこわしてしまうでしょう。3級官庁だなあ、感じたことがあるのは、今で言うところの、厚労省でしたが、長妻昭大臣とその政務三役のもと、この1年間、最優先である「消えた年金記録の修復」は進んだという実績は冷静に評価すべきでしょう。

 とはいえ、これはすべて想像です。私は、官邸・各府省への入構証を持っていないし、そもそも体が1つですから、大臣会見のネット中継もほとんど見ていません。だから、新聞を読んだり、国会での答弁を聞いて、だいたい想像するのですが、それでも、どうなっているかはサッパリ分からないというのが本音です。実際のところ、与党議員の多くも知っているふりしますが、官邸のことなんかはまったく分かっていないというのが現実のようです。

 政権政党になって1年間に政務三役を経験した人は、「大臣であろうが、副大臣であろうが、政務官であろうが、(現場で)汗をかいていただく」という鉢呂吉雄・国会対策委員長の9月17日の就任会見の通り、それぞれの省を担当する委員会の委員長・理事に配置されています。これは見事なまで。野党時代の専門とは違った省の大臣就任で、新聞に「手腕は未知数」と評された人も内閣で担当した省を所管する委員会の委員長をやっています。「本業に戻りたい」「新しい分野に取り組みたい」というのは国会対策では完全無視! それが菅改造内閣を支える第176臨時国会のシフトで、これは来年、おそらく半年以上になると予想される第177通常国会のチームになると思われます。

 国の予算は、国債の発行・償還も含めて一般会計で補正後には100兆円をこえます。特別会計の政策的事業も含めると、百数十兆円というすさまじいお金を動かす“伝票を清書する仕事”で、財務省の政務三役が各府省の中でイチバンの重責なのは間違いないでしょう。

 きょうの衆参本会議で、補正予算に関する代表質問があり、民主党からは大串博志さんが立ちました。そして、質問終了後に、財務金融委員長の石田勝之さんの報告があり、「保険業法改正案」が採決され、「異議なし」の全会一致で可決し、参院に送られました。石田委員長の報告では、委員会での修正案は大串博志さんら民主党、公明党、自民党の3党共同提出だと説明があり、さながら大串デーの本会議でした。

 これが内閣提出法案、略して「閣法」としては、衆院通過第1号となりました。ハッキリ言って遅いのですが、とはいえ、第1号の閣法衆院通過でめでたい。さらによく出来ているのは、「口を出したらそれなりの責任も伴う」ので、「民主党・公明党・自民党が修正」していますので、参議院でも3党は賛成するでしょうから、可決・成立は確実です。そして、それを衆院で最初に仕上げたのが、財金委筆頭理事の古本伸一郎さんと理事の大串さんだというところに、政権の重責を知っている政府外議員の頼もしさを感じました。というのは、古本さんと大串さんは鳩山内閣発足から、菅内閣にかけての1年間、2人とも財務大臣政務官だったからです。大串さんが予算編成など歳出面、古本さんが税制改正など歳入面を担当していたのだと思います。なんせ省の中のことはあまり分かりませんが、とにかくそういうことだったはずです。

 昨年9月の時点では、大臣が副大臣・政務官を選んだはずですので、藤井裕久・財務大臣が古本、大串両政務官を選んだのだと思います。野党時代から目をかけていたのでしょう。やはり財務省の政務三役に選ばれる人はしっかりしているんだな、と感じます。自民党側の筆頭理事がちょっと嫌みな人だと、よく言われる人なので、口先よりもむしろ、フットワークが実を結んだのでしょう。

 古本さんは、党でも、政調会の税制改正プロジェクトチームの事務局長として、中野寛成・座長をサポートしています。前財務副大臣として、古本さんと与党として初めての税制改正を取り仕切った峰崎直樹さんは7月25日で参院議員の任期を満了し、内閣官房参与についています。11月1日付のメールマガジン「官邸お庭番日誌」では、民主党税制改正の目玉である租税特別措置(粗特)改革についての会合を見た印象として、「発言者も次から次への手を挙げて各業種別の要望項目について強い発言口調だったことが印象的だった。活発であることは良いのだが、業界の利益を前面に出しすぎるきらいもあり、これではまるで自民党時代の党税制調査会総会とほとんど変わりがない、とこぼす役員もいたことをも指摘しておきたい」としています。これは残念ですね。民主党議員の各議員室には、各種団体が税制改正要望書を届けるのですが、これをみると、「減税の特別措置の延長の要望」とかいうのが並んでいて、税制の抜本改革にはほど遠い。民主党税制の目玉ととして、ことしの4月1日から「租税特別措置透明化法」というのを施行していて、この1年間で、粗特がどのような効果を発揮しているのかの“伝票”を集める作業をしています。歳出削減が進む今の時代に、特定業界の減税特別措置の延長を声高に叫ぶ議員の下に、具体的に票や献金が集まるのでしょうか。そういう政府外議員には、「だったらその減税措置の代替財源はどこから持ってくるのか?」とたずねてみたいです。

 税とはすなわち国家であり、政治そのものです。日本医師会の要望書の中に、ひとつ、「法人税率の引き下げ」という項目がありました。これを見ただけで、なぜ医師会の影響力が落ちているのか、なんとなく察した気がします。開業医だけでなく、勤務医はいろいろタイヘンですが、高収入ではありますから、勤務医のために「所得税・住民税の配偶者控除の存続」を訴えたらどうなんですかね。余計なお世話ですから。

 とにもかくにも、古本さんと大串さんの「財務省政務三役帰り」の2人を見て、僕は「記者章で食堂に行ったり、橋本竜太郎首相の剣道の稽古の取材で入ったことのある大蔵省は、どうやら財務省になっても1級官庁のようだな」とうかがい知ることができました。参院財政金融委員会もがんばってください。

[関連エントリー][追記あり]菅さん“3月危機説”消える?民主党と公明党が共同修正で閣法が可決 衆院・財務金融委員会