渡辺恒雄の後継者、宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

エリーの国会初動議 福田衣里子さん、「消費者」特別委

2009年10月27日 06時12分33秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 26日、召集直後の正午の衆議院本会議。消費者問題特別委員会が設置されました。常任委員会と違い、特別委員会は会期ごとに設置を諮ります。この後、すぐに消費者問題特別委員会が開かれ、衆議院規則101条により、最年長委員の石毛子(民主党・無所属クラブ)さんが仮委員長として開会を宣言。

 直後に、福田衣里子さんが「委員長!」と動議を(口頭で)提出しました。

 「動議を提案致します。委員長の選任は互選によらないで、末松義規君を委員長に推薦致したいと存じます」

 動議は「異議無し」と全会一致で承認され、末松さんが委員長に就任しました。エリーの国会初発言となりましたが、この委員室のマイクは高さを自分で調整できると思います。まあ、こういう初々しさを含めて、政治への関心を高めているのが福田議員のイチバンの仕事なのだと思います。

 なお「消費者特」委員会では、これまで農林水産委員会で「ウナギの産地偽装」の告発など食品安全の質疑を続けてきた石川知裕さんが筆頭理事を務めます。
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所信表明で異例のスタンディングオベーション 起こしたのは新人の斉藤進さん

2009年10月26日 23時59分59秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導

 政治に必要なのは「言葉と想像力とほんの少しのお金」と言われますが、これに加えて「態度」で政治が動く時代を迎えつつあるといえます。

 「幸せなら態度で示そうよ」という歌がありますが、日本国民だから日本語が堪能とは限らないし、コミュニケーションの取り方が難しい時代です。ネット社会もしかり。だからこそ、今こそ態度でハッキリ示すことが大事です。

 第173臨時会が26日召集され、鳩山由紀夫首相が政権交代後初めての所信表明演説をしました。この演説終了時に「スタンディングオベーション」(立ち上がった拍手を送り讃えること)が起こるという日本の国会では珍しい出来事があり、話題になっているようです。

 今の衆議院本会議場では、「腹切り問答」「粛軍演説」「吉田野坂論争」など様々は歴史的出来事が起きました。2009年10月26日の「鳩山所信表明スタンディングオベーション事件」も議事録には残らないけど、国会史に残るかも知れません。

 私は傍聴席で見ていましたが、このスタンディングオベーションは新人の斉藤進さん(静岡8区)が起こしたように見えたので、直接確認したら、やはりその通りでした。

 斉藤さんは52分間の鳩山スピーチの文脈に沿って、「よし!」「そうだ!」といったあいの手を入れていました。斉藤さんは学生時代に弁論部で活躍していました。中央大学辞達学会というサークルの代表を務めた経験があります。辞達学会は海部俊樹首相が輩出するなど政界に多くの人材が出ています。海部元首相は早大編入学後に早大雄弁会に入っています。傍聴席からかなり遠いので確認は難しいのですが、阿知波吉信さん、坂口岳洋さん、畑浩治さんら数人の新人が演説にあわせて、上手くあいの手を入れているように見受けられました。

 このため興味を持って見ていたら、所信表明終了と同時に議長から見て「右2列2番」の座席(座席番号442)斉藤議員が座席から飛び跳ね、拍手をし、そこから「ウェーブ」ができたように見えました。
 ウェーブは周辺の1年生議員に広がり、徐々に後列の中堅、ベテランの議席にも広がっていきました。中堅の国対副委員長は戸惑った顔をしながらも、ウェーブがやってきたのでしかたなさそうに立ち上がり、やがて、民主党議席全体が総立ちになりました。当たり前ですが、自民党議席は全員座ったまま、拍手もしませんでした。

 ウェーブはさらにひな壇(閣僚席)まで駆け上がり、菅副総理、岡田外相の2人の閣僚も立ち上がって拍手をしながら、鳩山首相が席に戻ってくるのを出迎えました。

 議長の真正面の座席に座っている他の新人は「自民党議員の野次がひどいなあと右を見ていたら、左からウェーブがやってきたので、思わず立ち上がらざるを得なかった」と証言しています。

 斉藤さんは先輩議員からの指示は一切ないとし、アメリカ議会の大統領教書演説で、政策項目ごとに与党議員、あるいは与野党議員が立ち上がって大統領に賛辞を送るのをみて、当然そうするものだと考えていたそうです。

 与党・民主党の新人には、国会での質問の機会や、議員立法、質問主意書の提出など「表現の自由」が制約されるのではないかと懸念しています。斉藤さんはまさに「態度」で意思を示したことになります。

 中央大学で弁論を鍛え、東京都小平市議会議員を経て、浜松市中心部の静岡8区に政治活動の拠点を移してからも徹底的な日常活動で、現職閣僚を破って初当選した政治青年が実質、国会デビュー日に衆院本会議に吹かせたフレッシュな風。

 何だか新しい日本がスタートした感じがしました。

 下の動画は、懇親会上でのインタビューなので、笑い声が入っています。どうぞご容赦くださいませ。



 
 [写真]赤丸が斉藤進議員

第173回国会における鳩山内閣総理大臣所信表明演説-平成21年10月26日 http://www.youtube.com/watch?v=YC9Xf4cIeSk
 52分25秒過ぎ見ると、斉藤議員からウェーブが始まったことが分かります。

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川内博史・国交委員長、八ッ場ダム問題で「8首長の参考人質疑も」デモクラシー新モデル試金石となるか

2009年10月23日 19時49分32秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
[写真]八ッ場ダム予定地を視察する川内博史・衆院国交委員長=共同通信から

 衆院国土交通委員会の川内博史委員長(鹿児島1区)が21日、八ッ場ダム建設予定地を独自に視察しました。群馬県連には連絡がありましたが、国会議員の同行はなく、役人が説明し、地元2首長から話を聞きました。

 この後の記者会見で、地元2首長と利水に関係する知事の合計8首長を、第173臨時会の国交委員会で参考人として招きたい意向を示しました。

 このうち、石原都知事は、第170臨時国会で、参院財政金融委員会(峰崎直樹委員長=当時)から金融機能強化法改正案の審議に関連して「新銀行東京」問題で参考人招致を決定しましたが、応じなかったことがあります。

 国交委員会には、閣法は提出されない見通しです。参考人質疑の開催には、野党・自民党の同意も必要だと思われます。委員長職権での委員会開催という権限はありますが、まずはそれを前提に交渉することになりそうです。

 川内委員長は帰京後、22日朝から「国交委員会質問等研究会」を開き、民主党議員60人らに視察の報告をしたり、国交省からヒアリングを受けました。「質問等研究会」の主催者は各委員会の筆頭理事ということになっていますので、国交委筆頭理事の小泉俊明さん(茨城3区)が主催したことになります。「質問等研究会」に関しては、幹事長、国対委員長らも開催を認めていますが、今後新人議員らを中心に出欠に悩む議員も出てくるかも知れません。

 とりあえず、第173臨時会での「新しい国会運営のルール」は後々まで残ると思います。政府参考人制度の廃止法案は臨時会に出るかどうか微妙ですが、委員長の差配で、政務三役だけに答弁させ、政府参考人には答弁させない委員会も続出すると思われます。

 余談になりますが、自民党は衆議院国交委員会メンバーに、金子前国交相、古賀元運輸相らを内定したようです。この2人には、質問者というより、参考人として話を聞きたいと思うのは私だけではないと思います。

 「新しい国会運営のルール」に関しては、衆院の財務金融委、国交委、厚労委、外務委の動きに注目したいところです。

 さて、有料版ブログhttp://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65

 では、26日午前11時半からの民主党両院議員総会の時間が実質20分ほどしかないという日程を先読み。「小沢執行部が議員を“総会屋扱い”? 26日の両院議員総会はわずか20分間の見通し」というエントリーをアップしました。前文を大きく公開していますので、ぜひそれだけでもお読みください。

 有料版のブログ編集画面にまだ慣れていないので、ここ2日間ほどずっとブログを書いている気がします。

 神奈川、静岡補選は明日(24日)が選挙戦最終日です。

八ッ場ダム:地元町長ら招致要望 衆院国交委員長 - 毎日jp(毎日新聞)

 衆院国土交通委員会の川内博史委員長(民主)は21日、鳩山内閣が建設中止を表明した八ッ場ダム(群馬県長野原町)の建設予定地を視察した。川内氏は地元の高山欣也・長野原町長、茂木伸一・東吾妻町長と個別に会談し「国会で意見をうかがいたい」などと要望。両町長と関係1都5県の知事を同委員会に参考人招致する考えを示した。

 これに対し、高山町長は「中止を撤回しなければ話し合いに応じられない」。茂木町長は「中止の撤回を求めるため、呼ばれれば行く」と答えた。

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小沢幹事長殿、国会法52条第1項の改正をお願いします

2009年10月18日 20時13分15秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 小沢幹事長が国会法改正案について、21世紀臨調にアイディアを求めました。

 私も国会法改正について、一つアイディアというより、お願いがあります。国会法52条第1項の改正をお願いしたいと思います。

 「委員会は、議員の外(ほか)傍聴を許さない。但し、報道の任務にあたる者その他の者で委員長の許可を得たものについては、この限りではない」

 実は、国会の常任委員会・特別委員会は「原則非公開」と、現在の国会法でもなっているのです。

 実際は、衆参の常任委員会・特別委員会はインターネットで生中継されています。議事録も後日、ネットに掲載されます。ところが、国会法では「原則非公開」になっていて、但し書きで、「委員長の許可を得た者」のみが傍聴できることになっています。

 このブログで実際に国会に行って、委員会の傍聴記を書いていますが、実はそのたびに委員長の許可を得て傍聴券を入手しています。この作業のために、衆院・参院とも複数の民主党議員とその秘書の方に多大なご協力をいただいているのです。本当に感謝します。ありがとうございます。

 ちなみに参院本会議は議員の紹介無しでも先着40人まで傍聴できます。この制度はたまに使っています。また衆院本会議も比較的楽に傍聴券を入手していますが、これにも、議員会館と国会議事堂との往復のご足労をかけています。

 「原則非公開」で困ることがもう一つあります。委員長のハンコが必要な関係から、どうしても、委員室に入る時間がどうしても開会数分後以降になることが多いということです。予算委は傍聴者・傍聴席が多いので、おおむね開会10分前に、衛視さんが入れてくれます。本会議は30分前に入れてくれますが、やはり国会審議は委員長が「これより会議を開きます」と言って、その日の議題を読み上げる場面から見ないといけない、そういうこだわりがあります。

 ぜひ、他の委員会も含めて、この「原則非公開」を「原則公開」にしていただきたいと思います。そうすると、傍聴券入手のプロセスも簡素化され、各議員のスタッフにお願いするご苦労も軽くなると思います。

 まあ、実際のところはネット中継を見て傍聴記を書いていることが多いのです。で、私は直接行ったのか、ネット中継を見て書いているのかを一々明示していないから、毎日のように国会議事堂に行っているように思われるかも知れませんが、そうではありません。ただ、委員数が50人になる衆院予算委などは、ある程度座席の位置関係などの雰囲気を頭に入れておかないと、中継で見ても、委員室全体のイメージにズレが生じてしまいますので、秋の臨時国会や通常国会の冒頭に直接傍聴席に行って、座席配置のスケッチも含めてノートをとっています。

 26日召集の臨時国会については、すでに民主党の委員の配置は内定していますから、各委員会の委員を見て、傍聴券をお願いできる議員を探しています。あと、数議員の事務所にご挨拶にいけば、どの委員会でも衆院は傍聴できる目途が立ちました。参院も、2年前から民主党が最大会派になっていますので、必要があれば、どの委員会でも、お願いできる事務所はあります。とはいえ、手間がかかるので、大変仲良くさせてもらっている事務所でも、正直、気苦労はあります。

 常任委員会・特別委員会はネット中継されているのですから、ぜひ国会法52条は「原則公開」に改正してください。

 それと、衆院事務局・参院事務局は、唯一ネット中継していない「議院運営委員会」を中継してください。議運の情報がないと、国会全体のスケジュール感がつかめません。議運は委員室ではなく議長室隣室で会議が開かれているからネット中継ができないのだと思います。とはいえ、参院議運委は、日銀総裁人事をめぐる意見聴取のときに録画中継された事例があります。

 開かれた国会審議のために、ぜひ、国会法改正案に盛り込んでほしい、と要望します。

tags 小沢一郎・民主党幹事長
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第173臨時国会は10月26日召集 会期は11月末まで

2009年10月15日 20時33分28秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導


 政権交代後初の本格論戦となる第173臨時国会は10月26日召集されることになりました。会期は11月30日(月)までの36日間です。臨時会は2回まで延長することができます。

 鳩山由紀夫首相初の所信表明演説は26日(月)、代表質問は衆院が28日(水)、29日(木)、参院が29日(木)、30日(金)となる見通しです。

 政府は11法案、3条約、2承認案件を提出する予定のようです。

 報道では

▽日本郵政株式売却凍結法案

▽社会保険病院と厚生年金病院を存続させるための「独立行政法人地域医療機能推進機構設立法案」

▽新型インフルエンザの予防接種に関し補償制度を創設する特別法案

▽人事院勧告に伴う国家公務員の給与法改正案など関連法案7本(一般職、特別職、国家公務員育児休業、裁判官、検察官、裁判官育児休業、防衛省職員)

▽貸し渋り・貸しはがし防止法案

▽北朝鮮への経済制裁について承認を求める議案

 などだと伝えられています。

 日本郵政株式売却凍結法案と国家公務員の給与法改正案らは、総務委員会(近藤昭一委員長、福田昭夫筆頭理事)に付託されることになるでしょう。

 社保・厚年病院の存続法案と予防接種補償法案など厚生労働委員会(藤村修、内山晃)も忙しくなりそうです。通例、常任委員会は衆院では午前9時、参院では午前10時から始まりますが、衆院厚労委だけ午後6時ごろまで審議が続いている状態が通常国会でも多く見受けられました。厚労委は青木愛さんが次席理事、福田衣里子さん、田中美絵子さん、三宅雪子さんらが委員に名を連ねています。

 亀井金融相と大塚副大臣らが調整した「貸し渋り・貸しはがし防止法案」は、財務金融委員会(玄葉光一郎、篠原孝)に付託されるでしょう。

 また民主党の小沢幹事長が国会法改正案を出したい意向を示していますが、法案が間に合うのかどうか。ぜひ出して欲しいと思いますが、衆・参院の事務局・法制局が法案作成にあたるのでしょうが、包括的な改正だけに、提出は微妙だと思います。

 第2次補正予算案はおそらく提出しないと思われますが、年末の景気を見極めたいところです。

【山岡vs川崎、第1ラウンドは山岡さんの勝ち】

 自民党の川崎二郎国対委員長が、「21日週への召集前倒し」を民主党の山岡賢次国対委員長に呼び掛けたと報じられました。これに対して、与党は「23日の召集」を逆提案したそうです。これはかけひきとして山岡さんは上手かったと思います。

 というのは、所信表明演説は月曜日ないしは金曜日に行われるのが慣例となっています。法律や規則で決まっているわけではないと思いますが、そうなっています。これは所信表明の翌日を「代表質問の原稿作り→質問取り→内閣の答弁書作成」のための準備日として1日とるためです。3日目に衆院代表質問、4日目に参院①日目、衆院②日目、5日目に参院②日目となり、1週目を終え、2週目から各委員会への法案の委託などが始まるからです。今臨時会も26日(月)の召集当日に鳩山さんの演説があると思います。

 仮に金曜日の場合は、土日で準備することになりますから、「23日(金)召集」だと、23日(金)に鳩山さんが演説し、25日(日)に参院補選投開票となり、自民党の出番は26日(月)の代表質問からということになります。山岡さんは初めから自民党が飲めない提案を出すことで、「前倒し」に応えながら、当初の予定通り26日(月)召集で落ち合ったのでしょう。

 第1ラウンドは山岡さんの勝ちですが、川崎二郎さんという人もたとえ党利党略の国会日程であったとしても、それを憲政の常道を説きながら提案できる政局感の持ち主だと思います。野党国対委員長として川崎さんは手強いでしょう。むしろ、与党の国対委員長は「分かりました」と言いながら、野党側の提案の意図をよく飲み込めないタイプの方が、野党は攻めあぐねることがあります。そういう意味では山岡さんは少し鋭すぎるかもしれませんが、今後も「山岡vs川崎」は見応えがありそうです。

時事ドットコム:臨時国会26日召集=当初政府方針で与野党合意

 民主党の山岡賢次国対委員長は15日、自民党の川崎二郎、公明党の漆原良夫両国対委員長とそれぞれ国会内で個別に会談し、臨時国会を26日に召集、会期を11月30日までの36日間とすることで合意した。
 臨時国会の召集日は基本政策閣僚委員会でいったん26日召集の政府方針が固まった後、14日の与党国対委員長会談では23日に前倒しすることで一致した。
 しかし、23日召集では、鳩山由紀夫首相の所信表明演説が25日の参院神奈川、静岡両補欠選挙前に行われる一方、野党の代表質問が補選後に先送りされる。このため、自民党が「フェアな国会運営ではない」などと反発。首相官邸サイドも首相の国際会議への出席日程に影響が及ぶとして26日召集を求める姿勢を崩さなかったことから、当初方針通り補選後に召集することにした。

tags 亀井静香金融相、大塚耕平内閣府副大臣、小沢一郎民主党幹事長

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自民党総裁に谷垣氏 大島幹事長、川崎国対委員長ら手強い布陣

2009年10月15日 11時40分13秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 臨時国会の召集が23日に早まりそうです。

 政権交代成りましたが、私の夢は「政権交代可能な二大政党デモクラシーを日本にシステムとして根付かせること」ですから、最終目標は二大政党ということになります。

 自民党のことをどのように書いていくか、臨時国会の審議を見てみないと分からないのですが、少し書いておかないといけないかなと思います。

 また国会閉会中の民主党政治を見ていて、反対党としての自民党の存在も必要だな、自民党がいることで肩の荷が楽になる面もあるな、と感じています。

 健全野党、政権準備党、反対党としての自民党もしっかりしてくれないと困ります。

 ちなみに野党転落後、自民党議員は一つも質問主意書を出していなくて、やはり自分で政策を作れない政党だと思います。もちろん、鳩山大そうじ政権で働く官僚のみなさんが大変なので、今後も出さなくていいのですが、自民党、公明党、共産党の3党のうち、参議院に共産党が3枚提出しただけで、質問主意書を出さない。八ッ場ダム、地方空港などの地元議員はどう考えているのかなと疑りたくなります。

 さて、自民党はこのほど、新総裁に谷垣禎一さん(宏池会、京都5区)、新幹事長に大島理森さん(番町研、青森3区)、国対委員長に川崎二郎さん(宏池会、三重1区比例)、政調会長に石破茂さん(平成研、鳥取1区)らを選出しました。

 私は野党・自民党は閣僚ポストが無くなった分、副総裁を5人ぐらい入れてくるのかなと思ったのですが、幹事長代理を6人に増員するようです。大島幹事長の下、国対も選対も「闘う集団」として中堅議員を配置しようという布陣に感じます。かなり手強いのではないでしょうか。

 100億円を超える借金の残務処理にあたる経理局長には山本有二さん(高知3区)。元金融担当相の弁護士で、この人はこういう人のやりたがらない仕事を率先して引き受けるところがありますよね。閣僚在任中に「秘書に200万円を貸し付けていた」と報道されて、「結婚資金だから当然だ」という答えていたのを思い出します。だから小選挙区強いのでしょう。自民党再生のためにまずやることは7700もある支部組織をスクラップ。できれば残余財産を党本部に寄付させる。身軽な集団にしておかないと、例えば、民主党首相が「3月1日解散-4月10日投票」という衆院選を設定したら、軒並み政治資金収支報告書の提出(3月31日シメキリ)が遅れててんやわんやになる。身軽になっておかないといけない。残余財産ですが、例えば、山崎元副総裁の政治資金管理団体には衆院選後もまだ1億円以上のお金がある可能性があります。党本部に寄付すれば後継者も含めて公認、寄付しなければ差し替えという方法もあるのではないでしょうか。

 野党ですから、党部会長と衆参委員会の人事が気になります。

 国防部会長に佐藤正久参院議員、衆院安全保障委員会筆頭理事に中谷元防衛庁長官を充てるようで、衆参とも元陸上自衛官が国会をリードすることになりそうです。ここはかなり気になるところです。

 衆院予算委筆頭理事には、町村信孝・清和会会長、次席理事に加藤紘一元幹事長を充てるようで、どうやら自民党は「野党になったことを分かっているな」と感じました。気を引き締めて取りかかりたいところです。

 総務部会長に元市長、法務部会長に弁護士、外交部会長に元外務副大臣、財務金融部会長に元金融政務官、環境部会長に元経産官僚ら専門家が部会長を務めていますので、国会審議も専門的なものになりそうです。

 国対副委員長も浜田靖一、逢沢一郎、田中和徳、河合克行といった与党時代から議運委や予算委などをよく知っている面々ですから、かなり気を引き締めないといけないと思います。

 ◇

 公明党は新代表に山口那津男参院議員(東京選挙区)、幹事長に井上義久衆院議員(東北ブロック)が就任しました。10議席以上の政党ですので、党首討論は今後、「鳩山vs谷垣」「鳩山vs山口」の2ラウンド制になる見通しです。
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衆院国交委員長、「臨時国会で補正凍結を審議」との方針示す

2009年10月08日 13時19分39秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 衆議院(横路孝弘議長)の川内博史・国土交通委員長は、8日のテレ朝番組「ワイドスクランブル」で、2・5兆円~3兆円の補正予算の執行停止について、第173臨時国会の国土交通委員会で審議したいとの考えを示しました。

 国交省政務三役(チーム前原)は、2009年度第1次補正予算のうち、8875億円を執行停止する案をまとめています。

 これについて、川内委員長は「8875億円という金額だけでなく、中身を知りたい、(国交委で)議論したい」と述べました。

 鳩山総理は2009年度第2次補正予算案を来年の第174通常国会に提出する考えを述べています。この場合、「補正凍結」を閣議決定しても、国会に減額補正の予算書が示されるのは来年1月~2月ということになります。そうすると、秋の臨時国会には、予算案・法案がないので、「補正凍結」については、大臣所信表明演説に対する一般質疑を利用する以外には、議論できない、ということになる可能性が濃厚です。

 ですから、通常国会に審議を先送りすると、衆院の各常任委員会は1月~2月末日の短期間に「今年度の減額補正→来年度の当初予算案」を審議しなければいけないことになります。これからは副大臣や政務官も答弁に立ちますから、審議日数は確保しやすくなりますが、委員会の“審議の流れ”の作り方が難しくなると予想されます。

 川内発言は、秋の臨時国会のうちに、2兆5000億円~3兆円に及ぶ執行停止の内容について、各常任委員会で議論した方がスムーズな国会運営が図れるとの逆算に基づく発言だと思われます。

 川内さんは「自民党より前に民主党が審議する」と述べました。これは「民主党政権vs民主党議員」が国会をリードすることで、来夏の参院選に向けて、民主党主導の政局を持続したいとの思惑も透けて見えます。

 スタジオ内の出演者から「民主党には、ゴタゴタも含めて、より一層、国民に情報公開してほしい」との声が上がると、川内委員長は「(国会審議で)数字を出していくことで、国民のみなさんに公共事業とはどういうものか、知っていただきたい」と述べ、全国民に開かれた国会を使うことで、民主党の世直しを広くアピールしたい、との考えを強調しました。
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第173回臨時国会は10月26日召集で調整 会期は40日間程度

2009年10月02日 10時16分41秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導

 民主党の山岡国対委員長、三井辨雄国対委員長代理らは、平野官房長官、松野官房副長官(衆院)らと第173臨時会(秋の臨時国会)を10月26日(月)に召集する方向で調整しているようです。会期は40日間で調整中のようですが、会期延長の可能性もあります。臨時国会は2回まで延長できます。民主党は与党ですから、延長しないで、しっかり法案を仕上げる覚悟で臨まなければいけません。

 10月8日告示・25日投開票の神奈川・静岡の参院補選(当選者の任期は来年7月まで)に関係議員の力を集中させると同時に、鳩山内閣は補正予算のムダづかいの洗い出しなどの突貫工事を優先させるという考えだと思います。

 「10月26日召集」とすると、26日(月)に鳩山総理の所信表明演説、野党から質問通告を受けて答弁を準備する中日を入れて、28日(水)午前中に衆院での代表質問①日目、29日(木)に参院での①日目、衆院での②日目、30日(金)参院での②日目というスケジュールになるのが一般的です。

 11月2日(月)から本格的に法案審議も始まるでしょう。仮に2009年度(平成21年度)第2次補正予算案を提出した場合、11月第1週は衆参の予算委員会に閣僚がかかりっきりになり、その後も各委員会での大臣所信表明への一般質疑があって、中旬からようやく内閣提出法案の審議が始まる格好になりますから、相当窮屈なスケジュールです。補正予算の提出はないのではないか、と予測しています。

 来年1月召集の通常国会(会期150日以上)に先送りできる法案と、年内に成立させなければいけない法案をしっかりと仕分けしないといけません。長妻厚労相が「日本年金機構の2010年1月発足を容認」したのは、初めは驚きましたが、賢明でしょう。

 きのう(10月1日)、日銀短観が出ました。新聞では「2期連続回復」という見出しでしたが、大企業製造業で「マイナス33」ですから、「良い」が33%、「悪い」が66%でマイナス33だと思います。景気を引っ張る基幹産業(例えば鉄など)の景気判断は悪く、年内の企業主導の景気回復は厳しい状況だと思います。次の日銀短観が出るのは12月15日ですから、きのうの短観の数字は非常に重要です。

 私は、2009年→2010年の年越し対策は、財政出動を伴う景気対策よりも、市中の流動性対策・お金の融通・金回りへのていねいな目配せが必要だと考えます。都内では外国人ホームレスが増えているように見受けられます。白人もいます。日本の経済史上、初めてではないでしょうか。とにかく“末端”へお金を流さないといけません。

 雇用保険が切れた求職者に月10万円を支給する求職者支援法案は年内に仕上げて欲しいと思います。とはいえ、景気対策のために第1次補正予算案(14兆円補正)の執行を“甘め”に停止するのは違う。

 モラトリアム法案(中小企業元本返済猶予法案)も一つのアイディアですが、とにかく現金給付の考え方が必要だと思います。政府が内需を直接刺激する、ケインズ的な政策は、もはや効果がないと思う。鳩山内閣に加えて、通貨の番人としての日本銀行が独自に流動性の確保をしっかりやる必要があると思います。

 そういう意味では、年内の第2次補正予算案提出は必要ないのではないか。きょう(10月2日)時点ではそう思います。いずれにしろ、歳出を減額すれば、歳入も減額補正して帳尻を合わせなければいけませんから、通常国会での補正予算案提出は確定的。2009年度予算をきれいにお掃除しないといけないので、逆に次の国会では補正しない方がいいのかもしれません。

 民主党の常任委員長たちが元気なので、国会では「民主党政務三役vs民主党委員」の政策バトルになりそうな気配もあります。前例はないですが、その方が野党に関心がいかなくなるので、最強の国会対策かもしれません。民主党の仲間内でスキャンダルの追及はできませんから、逆に野党・自公共がスキャンダルに質問を集中させる蟻地獄にはまり、さらに支持を落とすかも知れません。

 “官邸城”を手に入れても、政治の基本は国会です。面白い国会になりそうです。

臨時国会召集、10月26日で調整 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 政府・与党は30日、鳩山首相の所信表明演説を行う臨時国会について、参院神奈川、静岡両補選(10月25日投開票)直後の10月26日に召集する方向で調整に入った。

 会期は12月上旬までの40日程度とする案が出ている。2010年度予算の年内編成に影響を与えないように提出法案を絞り込む方針だ。

 平野官房長官と民主党の山岡賢次国会対策委員長が30日、国会内で会い、国会日程について協議した。

(2009年10月1日07時27分  読売新聞)

tags 山岡賢次国会対策委員長、三井辨雄(みつい・わきお)民主党国対委員長代理 平野博文内閣官房長官、松野頼久(よりひさ)官房副長官、鳩山由紀夫首相、長妻昭・厚生労働大臣

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