【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

鳩山首相退陣要求か? 安住淳さんのメルマガ

2010年04月23日 18時16分45秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 民主党の安住淳さんが23日、毎週金曜日恒例のメールマガジンを配信しましたが、まったく政局にふれず、連続フルイニング出場の世界記録を、自らスタメン落ちを申し出てストップさせた、阪神タイガースの金本知憲選手を絶賛しました。

 これは、人の流れが頻繁になるゴールデンウィークを来週に控え、「鳩山辞任?」の観測気球を上げたものだと思われます。最後にメルマガ全文をつけますので、直に読んでいただき、意味合いを考えていただきたいと思います。何だか、政治が英国議会のような味わい深いものになりつつある時代を迎えているような気がします。

 安住さんは、これまでの“情勢分析”として、「だが、金本の不調は、明らかに阪神打線の4番の`くぼみ`を作り、チームの勢いを削ぐ状況であった」とし、金本選手の“決断”により、「そしてその日のゲームは見事に勝利をおさめることが出来た」としています。

 「それにつけても金本選手が立派なのは、自らの不調がチームに迷惑がかかるとして、この大記録を犠牲にしてチームの勝利を最優先したことだ」とし、自ら、“スタメン落ち”を監督に申し出たことがイチバン偉いと指摘しました。

 メルマガの締めくくりでも、さらに、念押しするかのように、「何度でも申し上げるが、金本は偉い。本当に偉い」とし、まったく政治の話がないまま終わりました。

 安住さんは、宮城県第5区選出。連続当選5回で、第1次民主党出身者にしては、極めて小選挙区に強く、郵政解散でも小選挙区勝ち抜けを果たしました。前回参院選後のねじれ国会から民主党国会対策委員長代理を務め、切り込み隊長として、政権交代に大きな功績を果たしました。

 しかし、鳩山内閣では入閣できず、衆院安全保障委員長にとどまり、党の役職もありません。民主党がチームとして力を発揮できていない理由のひとつである「中堅議員の人材だぶつき」の象徴的な存在です。ただ、今回は「退陣要求」ではなく「退陣はどうだろうか?」という観測気球を上げたものと思われます。民主党の幹部級議員が世論はどうだろうか、とボールを投げてきたのですから、どんどん反応したらいいと思います。

 全文は以下の通り。

http://azumi-jun.jp/column/2010/04/23_68.html

「すべてはチームのため」」

 阪神タイガースの金本知憲選手が今週スタメンを外れて、全イニング連続試合出場記録が一四九二試合で終わってしまった。

 これはたぶん二度とやぶられることのない大記録であり、この間の金本選手の活躍には改めて敬意を表するものである。

 しかし、それにつけても金本選手が立派なのは、自らの不調がチームに迷惑がかかるとして、この大記録を犠牲にしてチームの勝利を最優先したことだ。

 私は大の阪神ファンである。 先日も東京ドームで巨人・阪神戦を息子と一緒に見
に行った。この時も、見ていて気になったのが、やはり4番金本の不調であった。相手投手のストレートに振り遅れるなど、黄金期を知る者からすれば金本選手の衰えを感じないわけにはいかなかった。

 しかし、これだけの大選手を、まして大記録を更新中の中で、先発からはずすこと
なんてそう簡単には出来ない。だが、金本の不調は、明らかに阪神打線の4番の`くぼみ`を作り、チームの勢いを削ぐ状況であった。

 こんな時、金本は自ら真弓監督に申し出て、横浜戦で先発からはずれる決断をした。

 理由はただ一つ。「チームの勝利のため」だ。チームに迷惑をかけたくない。この
一心での決断だった。阪神のメンバーはこの金本の決断に奮い立った。そしてその日のゲームは見事に勝利をおさめることが出来た。金本はケガの治療を含めて、今もベンチにいて代打での出番を待っている。替わりに入った若い選手が金本のあとを守り、それを金本はあたたかくベンチで見守っている。

 金本は本当に大したものだ。「すべてはチームのため」というこの行動の美学こそ
、チームリーダーたるゆえである。何度でも申し上げるが、金本は偉い。本当に偉い。