【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「フラッシュ(FLASH)」に宮崎信行のコメント掲載 新春特盛号(2011年1月18日・25日号)

2011年01月08日 21時37分16秒 | その他

 政治に接していると、何事も初めが肝腎、スタートで流れをつくることの大事さを感じます。

 1月1日の政党助成法基準日を過ぎた1月4日午前、菅直人首相が年頭記者会見で「小沢切り」「解散のかの字もない」と高らかに宣言し、菅・岡田コンビが1月第1週(1月2日日曜日~1月8日土曜日)から、2011年の政治の流れを一気呵成につくりました。

 私も1月第1週から、雑誌に載せてもらえました。

 「FLASH(フラッシュ)」の2011年1月18日・25日号、通巻1127号、“特盛合併号”の16ページ。

 14ページから16ページまでの3ページぶち抜きの特集、「小沢一郎新年会を“敬遠した”30人の名前」の中で、「政治ジャーナリストの宮崎信行氏が解説する」として、登場しました。私自身、「解説する!」という登場は初めてで、うれしいです。口の悪いジャーナリストさんには、「宮崎を小沢邸で見ていない」と言われそうですが(笑)、ちゃんと情報を集めて分析しているのです。

 で、最近は、「浮いている存在の衆院議員と一緒にテレビに映っていただろ!」と叱られる「センセイ」が多いのです。で、何のテレビかと言えば、「衆院本会議のニュース」ということで、かなり無理筋な、ちょっといじめっぽい気もします。ただ、「センセイ」が世論をつかむうえで、「街頭でビラをまいていたら、はたかれることが多いから政権への世論が厳しい」というように、一種のバロメーターといえるのかもしれません。物言いやすい政権交代チルドレンでも、やはり「センセイ」ではあるのだから、衆院本会議だろうが、「小沢系の○○と映っていただろ!」というのは、真摯に受け止めるべき忠告でしょう。

 というわけで、1月第1週から、私もメディア出演ということで、2011年(平成23年)も幸先の良いスタートが切れました。

 ことしは、解散総選挙のない安定への模索の1年になるでしょう。そして、「小沢さん」という良くも悪くも潜在視聴率の高い人が政治の表舞台から去ります。

 メディアは新しいターゲットを探すことになります。ただ、昨年5月の英国総選挙前に、奮発して、「キンドル」という道具を手に入れ、英国の主要新聞を読んでいましたが、選挙後に首相となった保守党の党首に関して、「キャメロンの指導力に疑問符が付き始めている」という見出しで、トップ記事をつくっちゃっているんですよね。日本の新聞だと、こういう見出しはあり得ない。何か具体的な「ファクト(事実)」を必ず入れないといけない。それが、ホントウは記者が「麻生首相の指導力に疑問符が付き始めている」と書きたいのに、「麻生首相、漢字を読み違える」というニュースになってしまうのかもしれません。必ずしも、ターゲットを探してベタ張り取材をしないで、民主党と自民党、二大政党の対決ということで面白い記事をつくるべきでしょう。

 2011年はメディアでは、7月24日に、テレビの地上波アナログ放送が停止し、地上波デジタルに完全移行する大きな節目を迎えます。おそらく設備投資は山を越えているでしょうが、デジタル時代のコンテンツ作りには、大手テレビメディアも苦心するでしょう。一方で、インターネットメディアの双方向性も関しても、天井が見えつつあるような気がします。やはり、メディアというのは、ある程度、報道機関がしっかりとしたメニューをつくらないと始まらない。

 岡田克也幹事長の記者会見などでよくしてもらっている、ジャーナリスト・田中龍作さんがことし初めのエントリーに次のように書いています。龍作さんの方向性はかなり正しいと、私には思えます。

(田中龍作ジャーナルから引用はじめ)

「記者クラブ解体元年」か「フリー絶滅元年」か : 田中龍作ジャーナル

 (前略)マスコミは朝から晩まで小沢叩きと政局報道だ。

 失業者は増え、人口の減少に歯止めがかからない。国力が落ちることは高校生にもわかる理屈だ。尖閣事件の対応は検察任せ、沖縄基地問題は打開の糸口さえ見えない。内政、外交ともに機能していないのが現状だ。破綻政府である。

 大手マスコミは目先の株価と政局報道に明け暮れ、国家的な命題を正面から問うことをしない。ばかりか当局リーク垂れ流しの虚報を重ねる始末だ。

 国民はネットの発達によりマスコミに頼らずとも事実を知ることができるようになった。当然、国民の新聞・テレビ離れは進む。「カネを払ってまで嘘を知らされてたまるか」という反発も理由のひとつだ。
 
 記者クラブメディアは、自らの「ガラパゴス化」に気づく気配さえない。政権は新聞・テレビを向いて政治をする。オールドメディアにかつての影響力はないのだが、思い込みと惰性がそれを続けさせる。日本は猛烈なスピードで進化する国際社会から取り残され、早晩アジアの後進国となるだろう。

 フリージャーナリストが閉塞状況に風穴を開けることができるかと言えばそうとも言えない。収入源に乏しいフリー記者は絶滅危惧種とも呼ばれている。

 2011年は「記者クラブ解体元年」か、それとも「フリー記者絶滅元年」となるのか、試練の年となりそうである。

 ◇

 田中龍作の取材活動は読者に支えられています。

(田中龍作ジャーナルから引用おわり)

 ことし第1週は、神保哲生さんがやっている「ビデオニュース・ドットコム」に内閣総理大臣、菅さんが出演するという、インターネットメディアにとっては吉報から始まっています。とはいえ、これに先立ちテレビ朝日も古舘伊知郎さんの報道ステーションで、総理のトークを30分以上放送しています。双方向性ということになると、学校教育でディベートを教えていない日本では、なかなか建設的な議論が進まない。昨年放送終了したCNNの「ラリーキングライブ」も、視聴者からの電話質問を受けていていましたが、最後の方は少なくなっていた気がします。

 このほか、CS放送の「日テレNEWS24」は衆院議員会館でよく見られており、政局を動かす媒体となっているし、「TBSニュースバード」もある。また、「日経CNBC」など日本語ニュース専門チャンネルは十分な状態でしょう。衆議院インターネット審議中継、参議院インターネット審議中継もあります。

 私としては、USTREAM(ユーストリーム)やTwitter(ツイッター)は大変面白いし、重宝しますが、これをビジネスモデルとして、ペイするのは、かなり難しいと思います。そして、やはり指摘せざるを得ないのは、せっかくフリー記者に開放(解放?)した記者会見でも、あまりフリー記者の質問の質が高くないという問題点があります。むしろ、何かまとまった記事や著作を執筆中の人が、それに関してコメントをもらいに、流れをぶった切って質問した方が、それなりに尊ばれているようです。

 そういうなかで、私は兼業ジャーナリストですから、生業をしっかりやって、(あ~確定申告の準備しなきゃ・・・)生活をしっかりと維持した上で、政治を見る。おこがましくも、国民・有権者の代表として、間接民主制において、平日の国会をウォッチする。そして、イキの良い部分を切り取って、料理して、十数分で読めるブログ・エントリーとして提供する。基本は文章ですが、ブログですから、写真、画像、映像(YouTube経由)も使える。それが、自分の役割だし、そういう志がなければやっていられない。今、ホントウに仕事していて、生きていて、楽しいですね。

 日々つづった国会傍聴ノートの中で、ブログに書ききれるのは、数%に過ぎないと思います。ホントウはもっと書きたい、ストレスが溜まる・・・!そういった余白の部分も、第46回衆院選後をメドにして、初の単著もいずれ良い編集者と巡り会えば書いてみたいし、講演会の講師をすると、かえって勉強になるので呼んでもらいたいし、昨年のようにイノッチとTV出演するとやはり「格」が上がるのでしょうか議員会館周りでも話を聞きやすくなります。

 というわけで、ことしもいろいろコメントいたしますので、雑誌媒体、放送媒体の記者・ディレクターのみなさま、お声がけ下さい。

 メールアドレスは、miyazaki@wa2.so-net.ne.jp です。

 本年もどうぞよろしくお願いします。


山尾志桜里さん(36)が男児出産

2011年01月08日 06時24分09秒 | 人物

[写真]山尾志桜里さんと赤ちゃん(山尾さんのブログから)

 1期生ながら、岡田幹事長の下、「民主党幹事長補佐」を務める衆議院議員、山尾志桜里(山尾しおり)さん=現在36歳=が2011年1月5日午後、第1子の男児を出産しました。民主党愛知県第7区総支部及び山尾さんのブログが発表しました。

 ブログによると、出生時刻は、2011年1月5日午後2時10分。赤ちゃんの体重は3132グラム。事務所によると、母子ともに健康。

 山尾さんは第177通常国会では、冒頭の衆院本会議の政府4演説と各党代表質問に出席し、その後の予算審議中には、所属する衆・安全保障委員会、衆・沖縄及び北方問題に関する特別委員会は開催されない見込みのため、産休はとらずに、時間のやりくりで衆院議員としての活動と育児、産後検診などのママ業を両立する考え。

 山尾さんは小学生のころ、ミュージカルの主人公を演じました。そのアニーは、貧しい孤児院(養護施設)で育ちながらも、明るく前を向いて生き、運を味方に付け、仲間に助けられ、ついにはホワイトハウスに乗り込み、民主党のルーズベルト大統領にニューディール政策を進言しました。現実の山尾さんの両親は医師です。アニーとは似ても似つかないように思えますが、苦しさに耐え、運を味方にし、仲間に助けられ、前を向いて歩く姿は似ています。

 山尾さんは、同じ幹事長補佐仲間の三村和也さん(神奈川2区)から、奥さんの出産時に付けていた「イクメン日記」を貸してもらったり、隣接する選挙区となる岐阜5区の阿知波吉信さん(政調会長補佐)から、米国滞在中に会得したアメリカ式最新の出産に関する科学を伝授され、取捨選択して取り入れるなど、1年生議員仲間に助けられました。これからもそうなるでしょう。

 私は山尾さんと同い年(学年は私の方が1つ上)ですが、私の実感では、出る杭を叩く日本社会では、山尾さんのような人材は、とっくに海外に流出するか、潰されていたかもしれない。それが、衆院議員にとして、まさに日本と“臍の緒”をつなげてくれている。

 衆院議員になってからもいろいろありました。山尾さんは昨年末の事業仕分け第3弾後半戦(再仕分け)で仕分け人をやりましたが、これは1年越しの長い道。2009年に一度指名されたときは、小沢一郎幹事長(当時)が仙谷由人行政刷新担当大臣(当時)に横槍を入れて、当選2回生以上の議員を外しました。政権交代にともなう民主党執行部内の権力闘争の混乱に巻き込まれましたが、こういった一連の“できごと”も、「元々司法、検察官という、政治とは違う世界にいたので、理想と現実のギャップは、他の人に比べればたいしたことなかったのかもしれない」と語る精神力の強さも持ち合わせているようです。

 山尾さんはとても利口な人ですから、彼女のことを「狡猾」に感じる人がいるかもしれませんが、私は大変に観察眼と分析力に優れた人だと、私は思います。第176臨時国会中に、ブログで補正予算の採決に関するエントリーを読んで「この人はすごい」とビックリしました。その1年前には、「私は今、法務委員会と財務金融委員会と“国会対策委員会”の3つの委員会に所属しています」と書いていて大丈夫かなと思っていたのに、何という吸収力とリーガルマインドでしょうか。菅さんの次は一気に山尾さんでもいいかもしれませんね。
 
 アニーの明るいニュースで幕が開いた平成の開国・2011年。

 さあ、いよいよ、日本と菅民主党のニューディール(巻き返し)のスタートです!! ♪トゥモロ~~

附録)2011年(平成23年)1月5日(木)の記録

 ・日経平均株価 1万0380円77銭
 ・ダウ平均株価 1万1680ドル74セント=現地時刻11時
 ・円相場 1ドル=81円95銭~96銭
       1ユーロ=108円76銭~80銭

・東京スカイツリー(年末完成予定)の高さ 539メートル(完成時634メートル)

1月5日製作(1月6日付)の新聞より。
 ・吉本興業「世界を笑わせる」日米共同のTV番組製作へ(朝日)。
 ・東芝、大画面の裸眼3DTVを年内にも発売(同)。
 ・99歳柴田トヨさんの初詩集「くじけないで」14日に百万部突破へ(同)
 ・ユニチャーム、「中国本社」設立へ(日経)。
 ・米ねじれ議会がスタート(同)。
 ・投稿欄「マナー悪い初詣の親子」、「子の検診で心ない対応」、「賀詞交換会、税金の無駄」など(東京新聞)。

【当ブログ内から引用はじめ】

アニーがおめでた!山尾志桜里さん妊娠5ヶ月「恵まれた環境を社会にお返ししたい」【追記有】

2010年08月23日 | おしらせ

[写真]妊娠5ヶ月の民主党衆院議員の山尾志桜里(山尾しおり)さん=2010年8月23日(筆者撮影)

 二十四節気の「処暑」とは名ばかりの猛暑日でしたが、良いことがありました。けさの散歩中に、霞のむこうに「東京スカイツリー」を見つけました。そして、帰宅後、ベランダからも、部屋の窓からも、スカイツリーを見つけました。ホームページによると、きょうの時点で428メートルで、完成するまで、もう206メートルニョキニョキ伸びていきます。完成までに、僕自身も成長できればいいなと感じました。

 民主党衆院議員(愛知7区)の山尾志桜里さんは23日、当ブログの取材に応じ、現在妊娠5ヶ月で、来年1月に第一子を誕生する予定であることを明らかにしました。

 現在36歳の山尾さんは、ことしも、子どもたちに一生忘れ得ぬかけがえのない思い出をプレゼントし続けている、ブロードウェイ・東京をはじめとする世界的でロングランのミュージカル『アニー』の初代アニー役です。旧姓・菅野志桜里さん。

 初代アニーという素晴らしいデビューでしたが、すぐに、芸能界からは離れ、東大法学部に進学。司法試験に受かって、検察官になりました。そして、民主党総支部長になり、第45回衆院選で、「61・1%(18万票)」といういくら愛知とはいえ、あまりに驚異的な得票率で、初当選しました。

 衆院法務委員会の理事、財務金融委員会の委員をやっています。1回生が常任委員をかけ持ちするのはフツーですが、法務委理事と、処理案件が多く与野党が激する財金委員のかけ持ちは、他の1回生より重い負担だと、私は考えます。さらに、この秋には、「事業仕分け」第3弾「再仕分け」で、仕分け人も務める予定で、すでに、ヒアリング作業に入っています。

 「これまでの年末は、雪の中、神社でごあいさつしながら新年を迎えました」。でも、今度の年末年始の忘年会・新年会などは、「今回はさすがに抑えます。地元の方にもご理解いただけると思います。その分、“仕分け”など東京での仕事でみなさんのご期待にこたえていって、それをメッセージとして地元に伝えたい」という山尾さん。当ブログからも愛知7区のみなさまのご理解を心よりよろしくお願い申し上げます。 

 また召集日によっては通常国会冒頭に重なる可能性があります。たいていの場合、予算委員会からスタートしますので、日程のやりくりで、“産休”する予定です。特段、「宣言」をするわけではないとのこと。

 山尾さんは、「後に続く人のためにも」、産休を、とくに産前の検査や体調面の変化にあわせて、柔軟にスケジュールを調整し、“産休”を取る予定。日程を柔軟に組めるので、「その辺は、サラリーマンの方に比べて、国会議員(の仕事)は恵まれています」としながらも、国会議員特有の「地元と国会を行き来する二重生活」という面では、不安もあったそうです。でも、その不安を払拭したのが、子育て中の男性議員、いわゆる“イクメン議員”の存在。どういうわけかこの1年間、民主党は夜の懇談会が多いのですが、「じゃあ、俺、そろそろ、子どもを風呂に入れる時間なので帰ります!」とひょうひょうと帰宅する同期のイクメン議員の姿を見て、山尾さんは「子育てを“義務”というよりも“仕事の励み”にしているように見えて、いいな!、と思っていました」。旦那さんはイクメンになりそうですか?との問いには、「そうなると期待してますけど(笑)」と幸せそうな苦笑い。

 9月1日、新・衆院第2議員会館内に保育園「キッズスクウェア永田町」がオープンします。山尾さんは、その利用も検討しており、見学も済ませました。民主党国会対策委員会に事情を話して、以前の旧・第1議員会館から新・第2議員会館に引っ越しました。ヤッパ、東大出の人って、要領いいよね(*^_^*)

 山尾さんは「職場に保育所があるというのは、今、非常に恵まれた立場だと思うんですね。ホントウはこれが当たり前になっていかないといけないと思うんですが、(大多数の親にとって現状は)そうではありません。

 それを自分でもしっかりと踏まえて、出産、子育て、それと“社会と関わっていく領域”において、みなさんと(悩みを)共有しながら、問題点を解決していくことで、(社会に)お返ししていきたい。

 政治家というのは、その問題点を解決する術(すべ)をいただいているわけですから
」。

 育児と仕事の両立だけでなく、PTA・NPO活動など報酬以外での“社会との関わり”にも関心がある山尾さん。「選挙区では、『保育所が病児、病後児を預かってくれない』との声をよく聞きます。それを預かってもらわないと両立は難しい。でも、保育所経営者には責任とリスクがあります。そこを調整していく。それが政治家の仕事だと思います」とのこと。司法試験の実力がこのあたりでいきてきそうですね。

 若い議員たちの新しい発想は、民主党最大の“埋蔵金”であります。しっかりと活用することで、民主党政権が前に進む力になります。

 アニー、東大、司法修習、検察官、国会議員、そしてママ。山尾さんはこれからも、私たちにどんな成長の姿を見せてくれるでしょうか。

【当ブログ内から引用おわり】

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