【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田克也幹事長、小沢一郎氏の政倫審は「フルオープンにしたらいい」と初めて発言 ニコニコ動画

2011年01月05日 21時22分00秒 | 岡田克也、旅の途中
[画像]ニコニコ動画に出演したコネクターの角谷浩一さんと民主党の岡田幹事長(ニコ動からキャプチャ)

 民主党幹事長の岡田克也さんは5日夜の「ニコニコ動画」番組で、第177通常国会召集前に、閉会中審査で行う「衆議院政治倫理審査会」に関して、「政倫審もオープンにしたらいい、フルオープンで」と述べました。

 「原則非公開」となっている政倫審規程通りではなく、「公開」として議事録作成、マスコミ傍聴を認めるべきだとの考え方を初めて示しました。岡田さんは「TV・ラジオ生中継」も念頭において発言したものだと思われます。2002年の田中眞紀子さんの政倫審はTV・ラジオが生中継しました。

 「ニコ生特番!民主党 岡田克也幹事長 2011年を語る!! - ニコニコ生放送」は10時まで放送。
 http://live.nicovideo.jp/watch/lv35959490

 この後、9時54分からのテレビ朝日系列「報道ステーション」には、民主党代表で総理大臣の菅直人さんが出演し、2011年の政治の流れを作ります。

 また渦中の小沢一郎氏は10時から、BSデジタルのBS11の「InsideOut」に出演します。

【追記 2011年1月6日午後2時】

 岡田発言の1日前になりますが、公明党の漆原良夫・国対委員長が4日、新潟駅前で「政治倫理審査会を開く際は、テレビカメラが入った公開の審議にしなければならない」と演説していたことが分かりました。漆原・衆院議員は比例北陸信越ブロック単独で当選しています。5日付の公明新聞や同党ホームページが伝えています。

【追記おわり】

2011年を二大政党安定の年に 菅首相、岡田幹事長、伊勢神宮(アマテラス)に決意

2011年01月05日 11時08分32秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意


 総理は2011年に「不条理をただす政治をやる」と言いました。不条理とは「道理に反すること」という意味です。道理とは「人の行うべき正しい道」ということです。政治とは、それ自体が不条理を内包しています。私たちの社会が、というか、世間が法律とルールだけで動くのなら、自治体と裁判所があればすむわけで、国会や地方議会は要りません。ですから、政治とはそれ自体が不条理なもの。最近で言えば、9・11郵政解散は不条理だし、新進党解党も不条理です。

 しかし、2011年は衆議院選挙も参議院選挙もない久しぶりに落ち着いた1年です。その2011年に「不条理をただす政治をやる」と言う菅直人の政治センスは長けています。また、伊勢神宮参拝には、新進党党首選で健闘したら解党され、郵政選挙ブームにあおられ落選した「不条理の帝王」、鹿野道彦さんが総理の伴をしました。鹿野さんは菅改造内閣で農相をつとめています。

 総理(菅直人さん)は、平成23年(2011年)1月4日朝、首相官邸で年頭記者会見し、その後、新幹線名古屋駅から近鉄に乗り換え、伊勢神宮(外宮、内宮)を参拝しました。記者会見には、仙谷由人官房長官ら、伊勢神宮参拝には、三重県連所属の岡田克也幹事長らが同行し、古川元久官房副長官を両方の伴をしました。

 年頭記者会見のポイントは、総理の表現とは少し違いますが、私としてのまとめは次の通り。

 
[画像]2011年の反転攻勢に向けて拳を握りしめる菅直人首相=政府インターネットTVからキャプチャ


 一、衆院政倫審後に予定される強制起訴のタイミングで、小沢一郎氏は議員辞職すべきだ。
 一、パシフィック・パートナー(TPP)を農業への戸別所得補償・直接支払いをしっかりと整備(の設計)をしたうえで、参加を6月までに国内合意する。
 一、戦後生まれの団塊の世代が65歳となり、年金を受給し出す2011年は「今がそのとき」で民主党・自民党・公明党が6月までに連帯責任で消費税引き上げ案をまとめる。
 一、私(総理)の年頭には「解散のカの字もなく」、数年やってから次の総選挙で国民の信を問う二大政党デモクラシーを定着させていく。
 一、野党は質問通告を24時間前までに出して欲しい。

 以上です。

 まず、小沢切りに関しては、当ブログが年末から予想してきたとおり、昨年中に作成していた「年頭所感」ではふれずに、政党助成法の基準日(1月1日)を過ぎて最初の総理の公式プレースメントである年頭記者会見から、一気呵成に、小沢の首を上げる攻勢に出ました。

 当ブログは昨年の菅直人代表・岡田克也幹事長が、「小沢一郎さんの国会招致のプロセスを一歩一歩進めながら、牛歩のごとく悠長だったのは」「離党のきっかけ or 口実を与えないために、小沢一郎さんの名誉を決定的に傷つけることを避けて」「政党交付金基準日の2011年1月1日を越す」のが狙いだと解説しており、私の予想的中となりました。なお、当ブログには姉妹版として「下町の太陽プラス1先読み政治日程」がありますので、2011年、どうぞご活用ください。

 小沢邸新年会で参院議員の出席者が意外と多かったのですが、もはや総理は本気です。この人はホントウに政治センスは優れています。また、東京地裁が指名した「検察官役」の弁護士が「小沢氏が事情聴取に応じてくれないので、政倫審の内容を聞いてから起訴したい」という意向を新聞の取材に答えている事から、小沢氏側の「公判と政倫審は両立しない(強制起訴されれば政倫審に出席しなくていい)」という「仮説」が壊れ、西南戦争で言えば、田原坂(昨年9月の代表選)の勝利を越えて、小沢一郎さんの(政治的な意味での)生命を獲る決意を決めたといえるでしょう。「新進党を解党した小沢一郎氏」を歴史法廷で裁き、断頭台に送らなければなりません。もちろん小沢氏を支持している貧しい地方の高齢者への配慮も菅政権に求められます。なお、岡田幹事長は小沢一郎さんと行動をともにした議員を総支部長から外し、支部交付金の返還を求め、比例単独議員(いちもく会)を県連・ブロックを越えて衆院総支部長・参院支部長に差し替える考えを持っているとされています。また2月6日の名古屋市長選で、民主党の石田芳弘候補(予定者)ではない候補(前市長)を応援した議員を処分するだけでなく、秘書も、民主党関係部局へ永久に出入り禁止する厳しい措置で望む覚悟を持ちつつあると予想されています。

 パシフィック・パートナーと農業では、農林副大臣の篠原孝さん、消費税引き上げでは、元大蔵大臣の藤井裕久さんがキーパーソンとなりますが、あるいは総務省政務三役の乱入も「地方分権論者」の私としては期待したいところ。小沢切りと二大政党デモクラシーの確立では、幹事長の岡田克也さんがキーパーソンとなります。

 この後、総理は、新幹線で名古屋へ、近鉄で近鉄宇治山田駅へ。近鉄宇治山田駅では三重県連代表の参院議員、芝博一さん(民主党副幹事長)、岡田幹事長らがお出迎え。

 
[画像]伊勢神宮を参拝する左から、芝博一・副幹事長、岡田幹事長、菅総理、高橋千秋・参院議員。(NHKさん映像から)。このほか、森本哲生さんら三重県連所属議員が多数同行。

 総理は、外宮(げくう)、内宮(ないくう)と参拝し、アマテラスらに、平成23年・皇紀2671年・西暦2011年の日本の安寧秩序を誓いました。

 また、ライバル・自民党の谷垣禎一総裁も、同日、伊勢神宮を参拝しました。

 
[画像]伊勢神宮を参拝する自民党の谷垣禎一総裁(NHKさん映像から)

 なお、公明党さんは仏教政党ですから、伊勢神宮に参拝することはありません。信教の自由は、憲法20条です。二大政党プラス1がダイナミズムとともにドリルのようにねじれを突き進み日本を前に進める。参議院がわけのわからないことをすれば、参議院など廃止です。

 日経新聞の元旦からの連載によると、日本の平均年齢は45歳で、例のない速さで老いていく国だそうです。総理は「今、世界の多くの国が日本に追いつけ、追い越せと、成長を続けています」「そうです。これまで多くの国に財政的な援助や技術的な援助をしてきた兄貴分が、わが国日本だと言えます」「それらの国々のエネルギーを逆にわが国のエネルギーとして、日本の成長につなげていくことが、今必要だと考えております」。

 45歳の日本から、若く成長する国へ飛び出して、そしてまた帰省(帰国)する。そんな日本人のこれからの生き方のために、第二の開国が求められます。もちろん英語が話せない人への配慮も必要ですが、それ以上に、私たち高等教育を受けた英語を十分に話せる人間が動きにくい障害を除去することが必要です。私たちは欧米への憧れから、ときどき大西洋の国のような錯覚を感じますが、まちがいなく、環太平洋(パンパシフィック)です。パシフィック・パートナーに飛び込み、新進党解党という不条理で日本を後進させた小沢一郎を歴史法廷の断頭台に送り、消費税を引き上げて団塊の世代が受給しだす年金財源にぶち込む。私の希望を言えば、消費税の半分は基礎自治体に直接入れて、翼を休める宿(ふるさと)を整備して欲しい。

 グローバリゼーションとローカリゼーションが同時にすすむ「グローカルな世界」へ向けて。

 2011年、
 菅民主党と日本の反転攻勢の年が明けました!
 

【平成23年総理年頭記者会見、官邸、2011年1月4日午前10時の要旨】

 「明けましておめでとうございます。今年が皆さんにとって素晴らしい年になることをまず心から祈念を致したいと思います。年頭にあたって私が目指す国の在り方について3つの理念を申し上げます。まず、平成23年を平成の開国元年としたい。最小不幸社会を目指す。そして、不条理をただす政治、この3点であります。今、世界の多くの国が日本に追いつけ、追い越せと、成長を続けています。そういう国々のリーダーと話をすると、自分たちは日本を目標にして、モデルにして頑張ってきたんだと口々に言われます。そうです。これまで多くの国に財政的な援助や技術的な援助をしてきた兄貴分が、わが国日本だと言えます。私はこれからもそうした国々の成長を支援する、同時にそれらの国々のエネルギーを逆にわが国のエネルギーとして、日本の成長につなげていくことが、今必要だと考えております」

 「そしてもう一つ、不条理ということに関して言えば、『政治とカネ』の問題があります。私が初めて衆議院選挙に立候補したのは、『ロッキード選挙』と呼ばれた選挙でありました。政治とカネを何とかしなければ日本の民主主義はおかしくなってしまうという思いから、30歳の時に初めて立候補致しました。今、なお、政治とカネのことが国民の皆さんから不信の念を持って見られている。これではこれから多くの改革を進める上で、国民の皆さんにも痛みを分かち合っていただくことがとてもできません。今年をそういった政治とカネの問題にけじめをしっかりつける年にしたい。小沢(一郎民主党)元代表にも、自らの問題について国会できちんと説明をしていただきたいと考えております」

 「小沢元代表は自ら、国会で説明するといわれているわけですから、その言葉通りの行動をとっていただきたいと思います。また、起訴が実際に行われたときには、やはり政治家としての出処進退を明らかにして、裁判に専念されるのであれば、そうされるべきだと考えています」

 「先ほど申し上げましたように、社会保障と財源、財源の中には消費税を含む税制改革が含まれますが、これは一体的なものだと考えています。わが党の中でもこういう考え方で党の方針を固めておりますし、多くの政党もそうした社会保障と、それに伴う財源問題を一緒に議論しようと。そういう姿勢でありますので、どちらが前後ということではありません」

 「私の念頭には解散の『か』の字もありません」

 現在、TPPに参加する場合に必要となる農業対策の具体策を検討をしている状況であります。そういう議論を踏まえながら、最終的な判断をまあ、6月ごろまでというのがひとつのめどだと思います。できるだけ早い時期に、そうした状況がうまれればいいと。こう考えております」

 「基本的には先ほど冒頭も申し上げましたように国会という場がですね、ある程度政党ですから政権を争うという側面があってもそれは致し方ないとこでありますけども、やはり先進国で政権交代を繰り返されているところを見るとですね、例えばイギリスなどでは新たに政権交代が行われれば次の選挙はだいたい5年先ということでですね、議論は行われるけれども、すぐに辞めろとか辞めるなという議論はあまり行われておりません」

 「多くの国がある一定期間は政権交代が行われれば、そちらの党が政権を担うと。何年かやってみて次の選挙の機会にそのことを国民に問うと。これが政権交代の建設的な運営の仕方ではないかとこのように思っています。そういう意味で基本的にはしっかりと政策を議論していきたいという姿勢は変わりありません」

2011年小沢切りテーマソング