【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

どん底の国民生活脱出へ、平成23年度予算審議スタート 民主党よ一歩も退くな、野党をなぎ倒せ!

2011年01月28日 20時56分22秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
[画像]国民生活を守るために平成23年度総予算(案)の趣旨説明をする野田佳彦・財務大臣(2011年1月28日、衆院予算委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ)

 槇原敬之さんの♪冬が始まるよ~ という歌がありますが、私にとっては、さあいよいよ、ことしもこの季節がやってきました。

 責任与党・民主党と国民新党は、28日(金)午後4時過ぎから、衆院予算委員会を開き、平成23年度総予算(一般会計、特別会計、政府関係機関)の審議をスタートしました。

 野田佳彦・財務大臣が趣旨説明し、櫻井充・財務副大臣、末松義規・内閣副大臣が補足説明しました。

 ところが、あろうことか、公明党、自民党、日本共産党、みんなの党が審議を欠席。これはどうしたことでしょうか。予算案の提出は政府の専権事項だと憲法に決まっています。そして、それを審議しようとするのに、それをボイコットするとは、無責任野党であり、歳費を全額返済すべきですよね。

 中川正春理事らが出席を呼びかけましたが、出てこないので、やむを得ず、中井洽委員長は「現在34人が出席しており、定足数は十分にあります」として定員50人の予算委員会を開会。理事の選任として、「泉健太君、手塚仁雄君、若泉征三君」の3人を示しました。中川正春筆頭理事、武正公一理事は続投します。これから1ヶ月間、月曜日から金曜日まで、午前8時40分から理事会、午前9時~午後5時半まで審議、昼休みと、審議後も理事会という合宿のような日々が続きます。それもすべて国民生活のためです。

 私は長年、国政政党と地方選は別だという考え方を持ってきました。国政と地方選をリンクさせることが、地方分権に反すると考えてきました。しかし、現実に眼を開かなければなりません。私は先日の西東京市議会議員選挙で、友人の民主党公認の山崎英昭君が落選するという現実を見て、国政と地方議会は協力して、国難を突破すべきだと考えを改めました。

 公明党、自民党らが国民生活を第一に考えているなら、きょうの予算委員会に出てきたはずです。

 すでに1月31日(月)の午前9時から衆・予算委員会が設定されています。民主党は一歩も退かず、1月31日~2月2日の3日間、基本的質疑をすべきです。野党が出てこなければ空回し。NHKさんも、野党の連中が出てこなければ意味がありませんから、中継もしなくていいでしょう。大阪府議会や大阪市議会では、大阪維新の会の挑戦を受けて、公明党、自民党の現職が議席攻防を繰り広げています。その状態で、公明党が2週間でも、3週間でも審議拒否を続けるというのなら、どうぞおやりなさい。国債市場に関係なく予算関連法案を参議院で否決するならどうぞおやりなさい。漆原良夫・国対委員長も、白浜一良・参議院議員会長もやれるものならやってごらんなさい。もちろん、公明党には、参議院に山口那津男さん、草川昭三さん、衆議院には、坂口力さん、佐藤茂樹さん、石井啓一政調会長、江田康幸さんらすばらしい議員もいます。しかし、新進党の志をわすれ、自公政権で料亭政治に染まった漆原良夫・国対委員長や、高木陽介・幹事長代理のような政治家もいます。だから、第45回衆院選で8小選挙区で全敗したんです。負けたなかでも、赤羽一嘉さんなんかは政治家としても人間としても頼もしい人です。

 ちょっと下手(したて)に出たからと、調子に乗る奴のことを「乞食」と呼びます。まさに正念場の予算審議。「闘う野党」の公明党が、国政でも、地域でも私たちの生活を守る政党でないことが図らずも明らかになりました。歳費を返せ!

 一歩も退かずに、民主党は突き進むべきです。

野党になめられるな 予算は何が何でもきょう中の審議入りを

2011年01月28日 15時58分21秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
[写真]中井洽・衆院予算委員長

 代表質問が参院で行われているので、気もそぞろで申し訳ないが、きょう午後4時20分から、衆院予算委員会が設定されています。野党が理事会を欠席する中、中井洽委員長が職権でセットしました。

 平成23年度総予算(案)審議は、野田佳彦財務大臣の趣旨説明、財務副大臣(おそらく櫻井充副大臣)の補足説明からスタートしますが、これは何が何でもきょう1月28日(金)に野党欠席でもやるべきだと、私は主張します。

 国民生活、景気、雇用はドン底です。

 昨年の予算審議は、「箇所付け漏洩事件」というのがあって、野党の抵抗で審議入りが遅れました。私にとっても、「箇所付け漏洩事件」は政権交代後、もっとも民主党、小沢一郎幹事長体制に失望した残念な事件でした。これに関して、馬淵澄夫・国土交通副大臣と平野博文・官房長官(ともに当時)が陳謝した上で、昨年2月4日午後6時50分から予算審議がスタートしています。

 関連エントリー)予算審議スタート 箇所付け問題で馬淵副大臣らを処分へ

 ところが、ことしはこの「箇所付け漏洩事件」のように、野党が審議入りを拒否する具体的な材料はないと思います。ただ、きょうの参院本会議で、菅直人首相が答弁漏れをしないように注意していただきたいところですが、これさえなければ、国民生活の悲惨な現状を考えれば、1月中ですが、予算はすぐに審議入りすべきです。私もすべて読んだわけではありませんが、平成23年度予算書はよくできていると評価しています。

 金曜日の審議入りで、月曜日に基本的質疑となると、官僚のみなさんや、NHKには苦労をかけるけれど、いずれにしろ、国民生活のためには耐えていただきたい。とくに、代表質問では、公明党の井上義久幹事長が民主党を厳しく攻めるなど、民主党は少し野党になめられている。小沢一郎氏の政倫審に賛成したり、反対したり、証人喚問をやれといったり、やるなといったり、野党の思うがままになっています。

 国会はけんかです。外で決闘したり、戦闘したりするのが無政府状態や戦争であり、国会の中や選挙で戦争をするのが、法治国家であり、デモクラシー(民主国家)です。

 けんかは初めが肝腎。S&Pが国債の格下げを発表し、民主党幹事長の岡田克也さんは「いくつもある格付け会社の一つ」と冷静なメッセージを記者会見で発しましたが、ここで、予算関連法案を人質に取ろうとしている野党を一発ぶちかますチャンスです。統一地方選を前に、公明党が2週間、3週間と審議拒否できるわけがありません。菅と岡田が怒ったら、どれだけ恐いか見せつけてやりましょう。

 2月6日の名古屋市長選はいずれにしろ、民主党議員だった人同士の選挙ですし、県知事選とねじれています。北九州市長選は民主党議員だった素晴らしい人が相乗りですから、2月6日週からの野党の攻勢はあり得ません。

 そこで、「小沢一郎元代表の強制起訴」がいつになるかです。これがあると、野党は審議拒否するでしょう。ここで、民主党としては、小沢一郎(氏)の政倫審カード、証人喚問カードを切ることができます。証人喚問は議院証言法の偽証罪からして、難しい面がありますが、以前、新進党の友部達夫・参院議員が起訴後に証人喚問を受けていますから、不可能ではありません。また今回は「強制起訴」といっても、検察審査会の議決に基づくものですので、友部さんのときに比べれば「起訴」の意味合いは違います。ハードルは低いと言え、民主党は野党に譲歩する(カードを切る)べきでしょう。

 そして、4月10日・24日の統一地方選ですが、これは市町村合併&定数削減で、ホントウに苦しいのは、公明党、自民党、日本共産党の現職地方議員たちです。民主党が苦戦しているのは事実ですが、苦しんでいる人の数は公明党、自民党、日本共産党の方が多いのです。野党が足並みを揃えて、国会で1週間も、2週間も審議拒否をするのはムリでしょう。

 今国会は、予算審議は低調になりそうな気配を感じています。というのは、予算関連法案が野党のターゲットになっているからです。しかし、ここは両院協議会の協議委員の選出方法が、国会法、衆参規則になりことを利用して、協議委員を選挙にしてしまう手がある、と私は考えています。これまでは、衆参不一致の場合は、衆院議長(あるいは参院議長)が「これより協議委員の選挙に入ります」と言ったところで、動議が提出され、「議長において指名することをのぞみます」「今の動議にご異議ありませんか」「異議無し」「それでは議長は協議委員に~10人の議員名~さんを指名します」という運びになっていました。しかし、これは先例に過ぎないので、衆参とも、協議委員10人を選挙すれば、いい。そうすると、票割りすれば、民主党側から見て、衆議院では7人対3人、参議院では4人対6人が協議委員になります。総計で、民主党側から見て、11人対9人の協議委員で両院協議会が開かれますから、くじ引きで衆参どっちが議長をとろうとも、打ち切り動議を出して、採決に持ち込めば、衆参関係なく、民主党側の意見にそった結果が両院協議会で出るはずです。これは私の思い付きですが、ぜひ、民主党国対は、衆参事務局に問い合わせてみて欲しいと思います。ネックは参院議院運営委員長が自民党の鈴木政二さんだということですが、国会法第88条が「両院協議会の拒否の禁止」を定めているので、参院本会議を開かないわけにはいかないはずです。この辺は、1月20日に出た、大山礼子著の岩波新書「日本の国会--審議する立法府へ」の第4章の194ページ辺りを読んでいて、思いつきました。2月後半、3月後半にも、このことは触れていくことになると思います。

 もう一つ、ぜひ両院協議会は、国会議事堂本館3階の「(常任)委員長室」ではなく、交代で第一委員(会)室で開催し、インターネット中継してほしいと考えます。これは民主党に有利ですが、さいわい自民党の国対委員長も国会審議のネット中継を推進してきた逢沢一郎さんですから、彼の政治活動歴からして、拒むことはできないと思います。参議院ということですが、参議院は国会同意人事の議院運営委員会のネット中継(録画中継)の実績がありますし、議事録をつくることになったのは、2008年の北澤俊美・協議委員議長の提案からです。速記者は衆参で統一されているのでやりやすかったのです。ネット中継業者は、衆参では別々ですが、これは党首討論のように、第一委員(会)室を交互に使っていけば、その院の出入り業者が担当するということで問題ないでしょう。

 ここは、長期金利も含めて、日本国民にとっての瀬戸際になりかねないので、ぜひ準備を進めて欲しいと思います。菅さんの言うとおり、自信を持ちましょう。ただし、先行きの透明性、安心感という下地がなければ、自信を持て!とだけ言われてもムリな話です。国債格下げは、公明党などの野党の理由なき反抗にあります。なめられちゃいけません。もう民主党の支持率は、これ以上下がりようがない、まだ下がるかもしれませんが、実は底堅いと思われます。大事なのは、友情と勇気です。突撃しましょう! 国民の生活のために。

秋山真之の孫・大石尚子さん「人生は有限であります」と与謝野馨大臣の入閣に理解

2011年01月28日 15時37分02秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[参院本会議 2011-1-28 ]

 良識の府、参議院(笑)。

 代表質問の2日目の眠たくなる時間帯に、参院民主党(民主党・新緑風会)を代表して、大石尚子さん(全国比例)が登壇し、「ゆとりとこころある」質問。久しぶりに良識の府を感じました。74歳の大石さん、きょうが本会議初登壇。輿石東・議員会長、羽田雄一郎・国対委員長らの良い人選だったと思います。

 民主党の初代「ミスター年金」だった山本孝史さんが亡くなって、繰り上げ初当選したのが大石さん。総理の菅直人さんは、昨年9月の代表選での政見演説に続き、今国会の施政方針演説でも山本孝史さんに触れました。大石さんは山本さんから議員としてバトンタッチを受けました。命のバトンタッチとしては、大石さんは、坂の上の雲・日露戦争の英雄というか日本の英雄、元海軍中将、秋山真之の実の孫です。何度かこのブログでも触れているので、もうご存じの方も多いと思います。秋山が書いた開戦を伝えた電報の「本日天気晴朗なれど波高し」は美文すぎると上司からたしなめられましたが、大石さんは「総理がおっしゃる最小不幸社会、不条理について、不という文字が入ると、元気な日本へと前に進めない、元気が足りない」とたしなめました。そして、「総理は施政方針演説で2つの政党(自民党、公明党)の名前だけ出したが、与党少数の参議院では、他の政党との話し合いも必要です」と語ると、議場がわきました。総理をたしなめているようで実は総理を助けているという、与党質問のお手本を示しました。

 大石さんはやはり巡り合わせが多く、神奈川県議会議員としての地盤は金子洋一さん(現・神奈川選挙区選出民主党参院議員)のお父さんから引き継いだそうです。金子さんのお父さんは、松竹大船撮影所の労働組合から民社党で県会議員に推されていました。「神奈川」「鎌倉」「松竹」「大船」「秋山真之」「坂の上の雲」・・・大石さんには、なんだか参議院というより、貴族院の薫りを感じます。

 「子供たちが国会を見ています」。これは参院自民党にはキツイ言葉だと思いますが、なぜか議場は笑い声。

 「日本人はせっかちの性分なのかしら」として、総理に対して、解散・総選挙を迫る声をたしなめました。もちろん、私も庶民のみなさんがタイヘンな思いをして生活しているのは理解しております。しかし、余裕も必要です。いたずらに変化をあおることで、心の安定を保とうとするやじうま根性はいかがなものか。

 与謝野馨大臣について。「先生の民主党への酷評は正直言って怒りを感じました」、「入閣でまたビックリ。経緯を思えば、よく受けたものだと思いました」、「しかし、私も与謝野大臣と同じ時代を生きてきました。

 人生は有限であります


 年を重ねて、初めて、次の世代に連なる人生のつながりを理解することができます。それに気付いた上での決断(入閣)では」としました。

 政権交代直後の2009年11月17日の参院外交防衛委員会での大石さんの初質問では、「防衛大学校の教育課程というのを、これを今この機に見直す必要があるのではないかと思っております」との指摘に、防衛大臣の北澤俊美さん(参院長野選挙区)が「大石委員の、先ほどの統合運用の問題もそうでありますが、今の優秀な自衛官を育てていくという、多分、大石先生のDNAが呼んでいるんだろうと思いますが、明治の時代に建軍の中心になった皆さん方の思いと共通するものがありまして、傾聴をいたしたわけでありますが」という「俊美流脱線答弁」もありました。大石質問を聞いていると、明治の先人から「何やっているんだ!」とたしなめられているような感じが、今を生きる日本人として感じました。ちなみに、北澤さんお父さん、北澤貞一・元長野県議も民社党結党メンバーなんですね。

 次の世代に、良い日本を残さないとね。


漆原良夫・公明党国対委員長、江田五月法相に死刑囚の助命を嘆願

2011年01月28日 00時47分00秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
[写真]公明党の漆原良夫・国対委員長

 公明党国対委員長の衆院議員、漆原良夫さんが、1月25日(火)に死刑囚の執行停止を江田法相に求めていたことが分かりました。江田五月メールマガジン第1035号(2011年1月27日号)は、1月25日午後2時過ぎに、「(民主党衆院議員の)牧野聖修さんと漆原良夫さんが、袴田巌死刑確定者の執行停止の要請に来られました。心神喪失を理由とする法務大臣の職権発動を促すもので、ご努力に敬意を表しました。しかし、本人の現況は把握していますが、個人情報なので答えることは出来ません」と書いています。

 松岡徹・民主党前参院議員のブログによると、「袴田巌死刑囚救援議員連盟」という超党派議連があり、会長が民主党の牧野聖修さんで、鈴木宗男受刑者が発足時の事務局長だったようです。世話人は、松岡徹さんと、自見庄三郎・金融相(国民新党)、自民党の国対委員長になった逢沢一郎さん、社民党の国対委員長になった照屋寛徳さんと、偶然、社民党、自民党、公明党の国対委員長が名を連ねていることになります。ちなみに、漆原さんと照屋さんは弁護士です。

 この袴田事件というのが、どういうものか知りませんが、こういった超党派議連の活動を期待します。

(上記、松岡徹さんのホームページから議連設立主意書引用はじめ)


「袴田巖死刑囚救援議員連盟」趣意書

 1966年(昭和41年)6月30日に静岡県旧清水市で発生したいわゆる「袴田事件」の犯人とされ死刑判決を言渡された袴田巖死刑囚(74)は、1980年(昭和55年)の死刑判決確定以来約30年にわたって日々死刑執行の恐怖に晒された結果その精神は蝕まれ、現在では面会時に親族・弁護人・支援者と正常なコミュニケーションを取ることすら困難な状態に陥っている。
 かねてから「袴田死刑囚は無実である」との声は多く、袴田死刑囚自身が獄中から発した無実の訴えも悲痛極まりない。また、日弁連が支援する弁護団は死刑判決確定直後から現在に至るまで再審の扉を開かせるために闘い続けている上、一審静岡地裁で死刑判決を書いた裁判官自らが「無罪心証を抱いていたが評議の多数決で敗れた」と3年前に告白したことも記憶に新しく、この事件が冤罪である可能性は益々高まっている。
 もとより司法の判断は尊重されねばならず、国会議員といえども司法に不当な圧力を加えることは許されない。しかし、時に司法が過ちを犯すことは歴史の証明するところであり、司法が自らの過ちを正すことができないのであれば、その過ちの犠牲者に救いの手を差し伸べることを、弱者の代弁者たる我々は躊躇すべきでない。
 そして何より、司法の判断がどのようなものであれ、逮捕からの拘束期間が43年という長期に及んでいる事実を重く受け止め、守られるべき人格すら奪われた袴田死刑囚をこのまま獄につなぎ、いたずらに死への道を歩ませることは人道的見地からも許されないであろう。
 よって我々は国会議員の立場から、袴田死刑囚の処遇改善に努めるとともに、早期釈放に必要な具体的行動を結束して実施するために本議員連盟を設立することにした。
 多くの議員のご賛同とご入会を切に願う次第である。

2010年(平成22年)4月

国会議員各位

発起人一同

牧野聖修
松岡徹
逢沢一郎
漆原良夫
照屋寛徳
自見庄三郎
鈴木宗男

(松岡徹さんのホームページから議連設立主意書引用おわり)