【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

柿沼正明さん(衆民主党)、森雅子さん(参自民党)が初答弁。「原賠機構」「仮払い」2法案が修正議決 

2011年07月26日 20時18分51秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]衆院第1委員室の答弁席で答弁する民主党1期生の柿沼正明・衆院議員(群馬3区)、2011年7月26日、衆議院東日本大震災復興特別委員会

(速報版)

【2011年7月26日(火) 衆院・東日本大震災復興特別委員会】

(1)与党・民主党内閣が提出した
「原子力賠償スキーム法案(原子力賠償支援機構法案)177閣法84号」と、 

(2)佐藤正久さんら参院自民党・公明党・みんなの党・たちあがれ・新党改革共同提出で、参院可決済みの
「原子力被災者への国費による仮払い法案(平成23年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案)」177参法9号

 がともに、民自公などの修正協議のうえ、修正議決しました。

 自民党の佐藤正久さん、森雅子さん、みんなの党の小熊慎司さん、新党改革の荒井広幸さんんら福島出身の参院議員の努力が法律になります。ときに「ヒゲの隊長」佐藤正久さん、人気の森まさこさんは衆院第一委員室の答弁席は初めてということになりました。おそらく次の政権交代後には、イヤと言うほど答弁席に立つことになりそうな2人ですが、政治生活で初めてとなりました。勤続1年を超えたばかりの小熊慎司・元福島県議は熱い物を感じました。

 
[画像]初めて答弁席に立った、参院自民党の森雅子さん、2011年7月26日、衆院東日本大震災復興特別委員会、衆議院インターネット審議中継から。

 政権交代チルドレン140人から柿沼正明さんも花舞台・衆院第1委員室の答弁席に立ちました。政権交代チルドレンの衆院第1委員室での答弁は、6月9日の「復興基本法」に関する後藤祐一さん以来2人目。「NPO促進法改正案」の審議では、岸本周平さんが参院の内閣委員会で答弁しており、合計では3人目。後藤祐一さんは経産官僚、岸本さんは大蔵官僚出身ですが、官僚出身以外の党人派では、柿沼さんが初の答弁となりました。柿沼さんは1965年生まれの46歳。群馬3区で54・0%の優秀な得票率で初当選しましたが、第43回衆院選では広島から、第44回郵政選挙では群馬3区に国替えして出たのに落選と苦労しています。しかし「遅れた来た実力ルーキー」として、経産委理事、財金委理事、そして特別委員会(定員50人)理事と確実にステップアップしてきました。国会内でこれ以上は、予算委理事、議運委理事、そして各委員会の筆頭理事ぐらいなもんです。柿沼さんは日本興業銀行の総務部にいたことがあったそうで、バブル経済期の金融機関の総務部で「いろいろな人」と交渉する仕事をしていたようです。こういったねばり強い修正協議はお手の物なのでしょう。官僚出身ではない党人派でトップランナーに立ちました。小泉チルドレン80人は、当選1ヶ月後に猪口邦子・内閣府特命担当大臣が第3次小泉内閣に入っています。その一方、政権交代チルドレン140人は2年経っても、だれ一人、政務三役に起用されていません。第46回衆院選で野党に転落する可能性もありますから、そろそろ政務三役を経験させるための内閣改造というのも、菅首相は考えてもいいかもしれません。その場合は、人気よりも、こういった国会での実績で判断すべきでしょう。

 実務者による修正協議というものはインターネット中継がないので、中身が見えないのですが、再開後の委員会で、後藤斎(ごとう・ひとし)理事さんが質問のかっこうで説明したところでは、先週の金曜日に民自公の修正案の合意があり、3党の党内手続きをすませて、週明けのきょうの午前中もやっていたということです。また閣法の「機構法」と、参法の「それに先立つ国の仮払い法」ですが、後藤理事は「(両法が)補完し、セットになることで(関係者の)不安を払拭できる」と答弁しました。また、自民党の修正者の西村康稔さんが不在の時に、後藤理事がかわりに答弁する“呉越同舟”がありました。後藤さんと西村さんは、経産委員会の与野党筆頭理事どうしでもあるはずですから、再生エネルギーの全量固定価格買い取り法案(177閣法51号)の修正協議も期待できそうです。

 自民党衆院議員の吉野正芳さんによると、「参院自民党の佐藤正久さん、森雅子さん、岩城光英さん、そして私(吉野正芳衆院議員)の4人が毎週水曜日の昼にご飯を食べながら情報交換をして、仮払いが必要だということになった」と自ら明かしました。このように実務者による修正協議の経緯はしめくくり決議や討論でしゃべって、ぜひ議事録に残すように心がけてほしいと願います。この吉野さんの質問の中での経緯の説明については、大臣の海江田万里さんも「今のお話で経緯がよく分かりました。ありがとうございました」と答弁しました。

 そして、最終的に、「原賠機構」と「仮払い」はともに与野党の修正のうえ議決しました。


[画像]「仮払い法案」の衆院での修正議決でお礼をする佐藤正久さんら提出者の参院議員ら5人、右は海江田経産相、2011年7月26日、衆院東日本大震災復興特別委員会、衆議院インターネット審議中継から。

 みんなの党が単独で機構法案の修正案を出し、否決されました。また、「原賠機構」も「仮払い」も民自公による付帯決議がつきました。非常に複雑な審議で、衆院事務局議事課のみなさんも腕の見せ所だったと考えます。

 テレビではほとんど報道されませんが、国会はきょうも面白かったです。

 参院の厚生労働委員会では、冒頭に、民主党で元厚労政務官の足立信也さんが「歯科口腔保健の推進に関する法律案」を提出し、津田弥太郎・厚労委員長の名前で起草することになりました。その後、昨年の174通常国会で参院で廃案になっていた「国民年金法の(事後納付を2年間から10年間可能にする)改正案」について、衆院から牧義夫・厚労委員長が登場して、衆院における修正を説明しました。

 さらに参院内閣委員会では、「障害者基本法の改正案(177閣法59号)」では民主党衆院議員(新潟1区)の西村智奈美さんが衆院での修正について説明しました。西村さんは政権交代後、岡田克也外相のもと、西村外務政務官として何度も答弁していますが、今度は、障害者基本法の改正案の修正者としての答弁で幅を広げています。

 きょうはこのように複雑な国会審議、衆参とも事務局の委員部は知識と経験がフル回転で大変だったでしょう。

 もうちょっとマスコミはこういった国会の動きを報じたらどうなんでしょうか。

 なお、前回のねじれ国会では、野党・参院民主党・国民新党・社民党・共産党が提出し、参院で可決し、衆院に送付した法案が、可決・成立した例はなかったと思います。それが今回のねじれ国会では、野党・参院自民党ら5党提出が、衆院では与党民主党、野党自民党、公明党、たちあがれ日本の修正協議もあり、可決しました。次の衆院本会議で可決後、修正部分が参院に回付され、参院委員会で可決、本会議に上程され、可決・成立するでしょう。これは参院自民党が力をつけてきたこともありますが、仮に衆院で政権交代(与野党逆転)があった場合でも、野党・参院民主党の提出した法案が可決する前例が出来たと思います。

 民主党は1998年の結党以来、通常国会で、本予算を3月31日までに成立(採決)させなかったことは一度もありません。ですから、政権交代後、2010年3月24日、2011年3月29日と年度内成立に成功しており、細川・羽田内閣のトラウマ(第129通常国会で1994年6月23日成立までずれ込んだことがありました。

 これからは、衆院民主党は野党転落時を想定し、参院自民党は与党返り咲き時を想定して国会を運営して欲しいと考えます。蝸牛の歩みのようにも思えますが、国会は前に進んでいます。時間がかかるのは民主政治のコストです。

 それにしても、マスコミはもうちょっと報道したらどうなんでしょうか。

 なお、このエントリーは速報版です。というのは、私は「原賠機構法案」と「仮払い法案」がどう修正されたのか、現時点でよく分かりません。けっこう、そういうときには隙ができやすいのですが、まだプロセスは残っています。あすの新聞でじっくり深掘りして読むのを楽しみにしています。


岡田幹事長、09マニフェスト「作成当時から見通しが甘かった」「国民の皆さんにお詫びする」

2011年07月26日 17時05分19秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]岡田克也さん、第44回衆院選の05マニフェストの表紙から。

 民主党幹事長の岡田克也さんは、2011年7月21日(木)の定例記者会見で「マニフェストに掲げた政策の多くは実現している。しかし、実現していないものもある。実現していないものについて、なぜ実現していないのかを考えると、それはマニフェストの作成当時から、前提に置いた様々なことについて見通しが甘かった部分もある。そういったことについては、国民の皆さんにお詫びをする」と述べました。同日は、麻生太郎首相が衆議院を解散してから、ちょうど2年後で、衆院の4年任期のほぼ折り返し点でした。

 09マニフェストは、小沢一郎代表・鳩山由紀夫幹事長・直嶋正行政調会長の体制でつくられたもので、2009年5月16日に、鳩山代表・岡田幹事長の体制になり、7月29日に発表、8月30日の第45回総選挙で政権交代につながった政権公約です。

 これについて、26日付朝日新聞4面に、「民主・岡田幹事長が自公両党に渡した文書(全文)」というものが載っていました。朝日の特ダネだと思います。これは「謝罪表明」の翌日(22日)の自民党幹事長の石原伸晃さん、公明党幹事長の井上義久さんとの会談で手渡したペーパーのようです。真心込めて、キーボードを叩いて、ご紹介させていただきます。

 [引用はじめ]

 民主党マニフェスト2009において国民と約束した施策に関して、現在検証作業を行っている。概ね実現したものが多数あるなかで、残念ながら、いまだ実現できていないものがあることも事実。この点について、なぜ実現できていないのか、国民に対し説明責任を果たすことが必要である。

 実現できていない政策がある理由として、政策の必要性やその実現の見通しについて、マニフェスト作成において検討不十分なところがあったことが挙げられる。政権交代実現によって大きな政策転換を一気に実現するとの意気込みが歳出の増大につながり、他方でその裏付けとなる歳入増について、補助金の見直しなどが十分に実現していない。この点、その見通しの甘さについて国民の皆様に率直にお詫び申し上げる。

 今後、埋蔵金の活用や補助金の削減などにより、必要な財源をまず確保したうえで、マニフェストに掲げた政策の実現を図ることが重要である。その際にも、マニフェストに掲げたからというだけでその実現を目指すのではなく、再度その必要性を検討する必要がある。また、3月11日の東日本大震災によって、被災地の復旧・復興が極めて重要となったが、震災復興のため必要とされる予算措置と比べ、マニフェストに掲げた政策がより重要性が高いかどうかという視点からの検討も必要である。

 次期総選挙においては、社会保障と税の一体改革に関し確認されたように、2010年代半ばに国民に負担増をお願いすることになる。それだけに、次期総選挙におけるマニフェストの作成にあたっては、政策の優先順位についてより真剣に検討し、明確化するなど、より実現性が高く、充実したものとすることが、民主党の責任である。

[引用おわり]

 民主党マニフェスト2009は現在も有効であり、撤回したわけではありません。修正もしません。一部が具体化(予算化)できないことを謝罪したものです。第46回衆院選マニフェストはつくりますが、与党として再選をお願いするマニフェストになるので、今の任期の実績との継続性が求められることになります。あまりワクワクしたものではなく、過去→現在→未来の継続性をストーリーとして語ることが必要になるでしょう。自民党もホントウに与党になる可能性が高いので、あまり大風呂敷を広げたマニフェストもつくれないでしょう。

 09マニフェストを改めてよく読んでみました。例えば、子ども手当を全額実施するとします。マニフェストにはこれを全額国費でやるのか、自治体負担分があるのか定かではありませんが、仮に全額国費だとすると、所要額は国庫の歳出の政策的経費の15%ほどになってしまいます。そうしたら基礎年金の国庫補助部分はどこから工面するのでしょうか。

 「マニフェストの実現により、家計で使えるお金を増やし、生活不安を解消します」と書いてありますが、そのメニューとして、「子ども手当」、「農業の戸別所得補償」という国庫から見て歳出増の政策と並んで、「ガソリン税などの暫定税率の廃止・減税」、「高速道路の無料化」という国庫から見て歳入減の政策が並んで書いています。分かりにくいです。さらに「年金制度の改革」という歳出入の増減とは関係ないことが書かれ、その説明として「(消えた年金)記録問題への集中対応期間(0・2兆円)」ということが書かれています。

 「予算の全面組み替え」と称しながら、「川辺川ダム、八ッ場ダムの中止」などの歳出減と、「埋蔵金の活用」という歳入増が並立しており、さらに「租税特別措置(粗特)の見直し」という歳入の増加と減税が入り交じる政策まで同じ表に並んでいて、そもそも予算の組み方への理解が足りないように感じます。

 実現性以前に、マニフェストの作り方に「与党らしさ」がなかったのは否めません。これは今見ると、かなりチグハグしていておかしい。マニフェストを肉付けした予算を組めない代物で、これでは真の意味では、政権公約とは言えない。

 07マニフェスト-09マニフェストは、小沢一郎さん、鳩山由紀夫さん、松本剛明さん、直嶋正行さん、長妻昭さん、福山哲郎さん、細野豪志さん、大塚耕平さんらが作成を担ったと、私は認識しています。そこで、その期間、副代表だった岡田さんが党を代表して謝罪したことになります。それなのに、鳩山グループ、小沢グループから批判が出ています。

 それに思いを馳せると、以前読んだ本のこの画像を思い出しました。

 
[画像]岡田屋が戦後初めて新聞に出したチラシ、『岡田卓也 私の履歴書』(日本経済新聞社)36ページから。赤線は当ブログ筆者が引いたもの。

 これは1946年(昭和21年)7月2日朝から、三重県四日市の「岡田屋」が戦後初めての「大売り出し」のために、新聞に挟み込んだチラシです。「焦土に開く」というキャッチコピーの下、冒頭2行目に「戦災者優先販売」と書いてあります。そして、おそらく活字原稿を組んだ後に、岡田屋の若き社長、岡田卓也さんが思いを抑えきれずに、左隅に「天下分け目の大売り出し」と手書きで書き込んだであろうようすがうかがえます。当時のようすを、岡田卓也さんは次のように書いています。

[引用はじめ]

 一人の婦人がチラシを手に涙して私に話しかけてきた。「やっと平和が来ましたね」。小売業は平和の象徴だ!小売業のフィロソフィー(哲学)は平和であることを感じた。私の運命は決まった。小売業を一生涯の仕事にしよう。

[引用終わり]

 岡田克也さんが生まれたのはこの7年後になります。ただ、「偉大すぎる父」はあまり遊んでくれなかったようで反発していたようですが、仕事が公益に直結しているというDNAは引き継がれています。それに比べると、世襲グループは、「政治は私物だ」という意識が潜在的にあるような気がしてなりません。

 
[写真]被災地を訪れた輿石東・参院議員会長と岡田克也幹事長、宮城・東松島市内、民主党ホームページから(一部トリミング)。

 この写真は、被災地である東松島市を訪れた岡田さんと輿石さんの真剣なまなざしです。マニフェストの一部の実現(予算化)ができないことを謝罪し、被災者の予算にオカネを回そうとする岡田さん、輿石さん。岡田屋には「大黒柱に車をつけよ」という家訓があり、「お客の変化に柔軟に対応すべし」という意味だそうです。だから、イオンショッピングセンターの再編が多い傾向があるのはこの家訓のためのようです。それは、お父さんに反発して、公の仕事に転じた岡田克也さんにも引き継がれていて、国民の税金(歳入)と国の歳出という国家予算という大黒柱に車をつけて、お客(国民)の変化に柔軟に対応すべしということのようです。イオンという会社も敵が多いのですが、岡田幹事長にも党内外に敵がいます。だからこそ、旺盛に働けるのだと思います。

 菅直人首相も、22日の参院予算委員会で公明党に対して、「岡田幹事長から一定の方向性が示された。岡田幹事長の言うとおり、歳入面で検討が不十分だった。岡田幹事長と私の考えは一致している」と答弁しました。安住淳・国対委員長も24日のNHK日曜討論で「私も同意見だ」としており、非世襲グループでつくる民主党7首脳の意見は一致しています。

 まずは3次補正をしっかり組み上げられるかどうかが試金石となりそうです。


2次補正成立、予算の執行の目詰まりを取り除き、3次補正の編成スタートを優先すべし

2011年07月26日 11時09分46秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]平成23年度第2次補正予算成立で、おじぎをする菅首相、野田財務相ら、2011年7月25日、参院本会議=首相官邸ホームページから。

 平成23年度第2次補正予算が2011年7月25日(月)夕方の参院本会議で成立しました。

 ただ、審議のなかでいろいろ明らかになりました。

 自民党の茂木敏充さんの指摘によると、環境省から自治体へのがれき処理の交付金が、すでに1次補正後の金額を超えている可能性があるにもかかわらず、2次補正では環境省の予算はまったくいじくられていないということ。茂木さんの質疑から手もとで計算したところ、環境省の予算は、当初予算に比べて1次補正後に2・9倍にまでふくれあがっていますが、茂木質問からすると、現時点で当初比3・5倍の予算が必要と思われます。東日本大震災復興予備費の0・8兆円を振り向けたら、他の府省が不足するでしょう。江田環境相の個人としてのホームページでは、職員を被災地に常駐させているということですが、環境省は「自治体に交付する」という作業になれていないのかも。橋本行革のときに、産業廃棄物と災害廃棄物に関してそこまで設計されていなかったと考えます。もちろん今回の復興のさいちゅうに変えるのは、安全保障上ありえませんが、野党が出している「がれきの国の代行ができる法案」の審議によっては、自治体に交付するのは総務省に任せるなどの制度見直しがあってもいいと考えます。

 農水省が「海のがれき処理」の事業を盛り込んでいないことが分かりました。

 小池百合子さんの質問では、総務省が、消防団員への弔慰金の共済の基金が底をついているのに、対応していないとの指摘がありました。

 鉄道の復旧・復興の費用がついていないことについては、大畠国交相が「3次補正で対応する」と答弁しましたが、遅いです。

 「復興の基本方針」というものの閣議決定があるようですが、3次補正の編成はすぐにでも取りかかるべきです。「復興債」は赤字国債だということですが、これは特例法案でも対応できるでしょう。”復興債の償還の特例勘定”を設けるための特別会計法の改正が必要かもしれません。特例公債法案は、自民党と公明党が足元をみるような発言が出てきており、「所得制限と同時に控除の一部復活を組み合わせよう」というヒドイ話をしている議員がいると新聞記事で読みました。これは菅内閣を引き延ばして、民主党の支持率を下げようという下心がみえみえです。

 再生エネルギーの全量固定価格買い取り法案では、共同通信の調査報道で、自民党の献金の受け皿である「国民政治協会」への個人献金額の7割以上が、電力会社の役員だということが分かりました。正直、私もかなり驚きです。これからすると、再生エネ法案について、自民党内での置き石があるし、民主党内も電力総連よりもむしろ電力多消費型産業である素材産業の労使の抵抗もあるようです。施行日や期間などの修正をしっかりしていくことが必要でしょう。私は、特例公債法案(平成23年度の赤字国債発行法案)、再生エネ法案よりも、第3次補正予算(案)を優先すべきではないかと考えます。ただ、それ以上に今年度予算の執行の目詰まりを取り除くことが必要です。このブログを始めてから、当初予算を4本見てきましたし、麻生さんの「14・5兆円」の補正、鳩山内閣の「政権交代による年度途中での補正」も見てきました。しかし、「編成と執行は違う」というのをこれだけ実感したのは初めてです。

 被災地に視察する国会議員も、「予算を付けろ」ではなく、予算書をアタマに入れて、「予算を流せ」という観点で視察し、帰京して欲しいです。

 野田財務相によると、3次補正→中期財政フレームの修正→概算要求→来年度当初予算(案)編成という流れになるそうです。この流れのなかで、菅総理がどのように進退を判断するか。極めて高度な政治判断であり、それを判断するのは、憲法からしても、統治論からしても、憲政の常道からしても、菅直人内閣総理大臣一人の漆黒の孤独のなかの判断です。与野党問わず、きょう時点での私たちの政府の総理の判断を見守りましょう。


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