[画像]自民党の岩屋毅さん、同氏ホームページの「岩屋たけしの歩みーAn Album Of Mr. Takeshi Iwaya-」からキャプチャ、トリミング。
7月6日(水)の午前9時からの衆院予算委員会の「延長国会の諸課題に関する集中審議」から国会が正常化しました。6月22日(水)の衆院本会議以来、2週間ぶりの正常化。その本会議で、フロントベンチの政権準備政党(The Opposition) である「自民党」の党議に違反して、横路孝弘議長の発議による「延長幅70日間」に造反(賛成)した、シャドウ防衛大臣の岩屋毅さんと、シャドウ内閣府特命担当大臣(行政改革・公務員制度改革担当)の河野太郎さん。2人とも辞表を提出していましたが、自民党党紀委員会(民主党では倫理委員会)から「役職停止1年間」の処分を受けたことから、シャドウ閣僚辞任となりました。
これにより、自民党のシャドウ・キャビネットのホームページ(http://www.jimin.jp/member/s_cabinet/index.html)からは、6日午後に2人の顔写真が削除されました。とはいえ、自民党は大丈夫なんでしょうか? というのは、河野さんの後任はまだしも、岩屋さんはシャドウ防衛大臣だったんですが、現在、空席ということになります。副大臣として、徳田毅さんと佐藤正久さんがいますが、どちらが優先するかは決まっているのでしょうか。自民党のことはよく分かりませんが、自民党は「東日本大震災復興基本法」を成立させたのに、いまだに、シャドウ復興担当大臣も置いていないようです。このようなことでは困ります。民主党に何かあったらどうするんですか? 日本のために、自民党にもしっかりしてもらわないと困ります。
7月6日(水)の予算委は、久しぶりだからか、自民党の質問はあまりキレがありませんでした。というよりも、自民党は明らかに、「菅内閣を退陣させよう」という気はまったくない。このまま任期満了に追い込むか、できれば解散して欲しい。これは幹事長と政調会長が質問に立っての感想ですから、間違いないでしょう。みんなの党も渡辺喜美代表が明らかに解散してほしいという本音が見えました。政権を担い続けることのきつさというのを、十分に、民主党議員・秘書も、あるいは国民も、味わうべきだと、私は考えています。
幹事長の石原伸晃さんが、延長国会で「閣法で出すべき法案を菅内閣が出さないので、議員立法で出す」として、二重ローン対策の金融機関再建買い取り法案などをアピールしました。そのうえで、「浜田政務官引き抜き事件」に触れました。菅直人首相は、「私も新進党から自民党に一本釣りされるのを(さきがけ・第1次民主党で)見ていた」と攻撃しました。
続いて、政調会長の石破茂さんが60分間質問しましたが、相変わらずの「与党ならこうするもんだ」という説教調でした。伊吹文明さんと石破茂さんは野党質問になっていないように思えますが、自民党会派は持ち時間が多いので、サンドウィッチのように間に挟むには、傾聴に値すると思います。勉強になります。しかし、石破さんは「浜田事件」について、自分が新進党を離党して自民党に帰った過去がなかったかのように、ぬけぬけと批判しました。鳥取県の有権者はいい加減に怒ったらどうでしょうか。浜田氏について、石破さんは、「(第22回)参院選は政権選択選挙ではないが、民主党政権を批判する有権者の声があらわれたものだ」として、「こういう人を(自民党公認候補として)鳥取県民にお願いした不明を恥じ入る」と述べました。しかし、鳥取県ではこのような二大政党間の鞍替えが相次いでいます。ちなみに「鞍替え」は「旦那がひいきの芸者を”鞍”替えする」という下品な語源を持つ言葉なので、当ブログでは、「国替え」、「院替え」などと言い換えていますが、この場合は、「鞍替え」がピッタリです。第44回衆院選(2005年9月11日)では、郵政造反で自民党を除名(民主党でいう除籍のこと)された川上義博さんが、小沢一郎氏の誘いで、第21回参院選(2007年7月29日)で民主党公認で当選し、小沢グループになりました。小沢氏は、さらに自民党の田村耕太郎参院議員を引き抜き、選挙区も捨てさせ、第22回参院選(昨年7月11日)で民主党公認の全国比例の候補者としましたが、落選しています。また、民主党の鳥取選挙区の女性候補者は、元自民党参院議員の孫娘でしたが、これは祖父と孫は別人格ですから、いいでしょう。鳥取県では有権者が選んだ政党を次々と裏切る政治家が出ていますが、火付け役は石破さんです。石破さんは、自民党政科研(中曽根・渡辺派)から、細川・羽田内閣発足後に新生党に移り、新進党結党に参加しました。そして、小沢一郎氏に辟易し(これに関しては同情しますが)、自民党平成研(小渕派)に一本釣りされてしまいました。この石破氏の「1度裏切る人間は2度裏切る」行為により、鳥取県では「鞍替えは全然オッケー」になってしまいました。鳥取県民はもっと怒るべきです。
石原さんの総括的質問、石破さんの説教に続き、塩崎恭久さんが「原子力賠償スキーム法案」などについて、そして、赤澤亮正(あかざわ・りょうせい)さん成立した議員立法に対する民主党の対応について質問しました。この赤澤質問も大会派だからできる質問です。赤澤さんは鳥取2区ですから、石破さん、赤澤さんの鳥取選出の衆議院議員は全員が質問に立ったことになります。小泉チルドレンで小選挙区で生き残った2期生は、赤澤さん、稲田朋美さん、徳田毅さん、小里恭弘さんの4人で、全体の5%程度になります。
赤澤さんは、議員立法の津波対策推進基本法案(筆頭発議者・二階俊博さん)を第174回通常国会に提出したのに、民主党(小沢一郎幹事長・山岡賢次国対委員長)がたなざらしにしたことを菅総理(民主党代表)が知らなかったとして、民主党のシステムが危機管理に即していない、と批判しました。民主党と自民党の相対的な比較ならば、それは自民党に一日の長があるでしょう。しかし、だったら自民党政権50年間に、閣法として、津波対策推進基本法を成立させるべきでした。
そして、繰り返しになりますが、自民党も政権準備党(The Opposition)として、シャドウ防衛大臣とシャドウ復興対策担当大臣、シャドウ行革・公務員制度改革相を今すぐ任命すべきです。聞くところでは、英国では、シャドウ大臣にも少額の手当が国から支給され、シャドウ首相には若干の交際費も国費で認められているようです。このように、日本でも、シャドウ・キャビネットに、「資料費」などを支給するシステム作りが必要です。
2週間ぶりに国会が正常化した今朝、このブログの左につけた「ブンブンカウンター」を使ったリアルタイム・ログ(アクセス履歴)解析で、「hq.jimin.or.jp」というリモートホストからのアクセスが全体の4位になっていました。その後、現時点では19位となっていて、朝早くから働いていることからしても、自民党の総裁・幹事長室や政務調査会事務局などが見ていたかもしれません。おそらく、2人の新閣僚について、何か質問しようかと探っていたのでしょうか。ならば、あすの参院予算委員会の質疑では、意外にバクダンはなさそうです。ちなみ自民党本部よりも海上保安庁からのアクセスが多くて、「あれsengoku38さんか?」と思いましたが、その方はすでに退職していますし、この国会で法案や、第2次補正予算案は関係ないと思うんですが、どうなんですかね。
とにもかくにも、日々のアクセスありがとうございます。また有料ブログの方も6月の無料試読の方が多く有料会員になっていただき、7月は過去最多の購読者となっております。すでに7月1日の昼頃には入っていた情報で、遅くなってしまいましたが、謹んで御礼申しあげます。
さて、最後に。言わずもがな、野暮も野暮、スーパー野暮なヒトコトです。岩屋毅さんと河野太郎さんも、1年間の役職停止中も含めて、引き続き、自民党でがんばって、第46回衆院選で政権担当可能な2つの政党の選択肢を私たちに必ず提示していただきたいと考えます。
あすは午前10時から参院予算委の集中審議です。衆院の青少年問題特別委員会もあります。そしてあさって金曜日の参院本会議、衆院本会議から法案審議が再スタートします。暑いですから、シャキッと、短時間でしっかりと仕上げていきましょう。
[河野太郎さんのブログから抜粋引用はじめ]
一夜明けて 私はなぜ会期延長に賛成したか
2011年06月24日 00:53|影の行政刷新・公務員制度改革担当相
http://www.taro.org/2011/06/post-1036.php
今朝入金するはずだった党本部からの交付金の振り込みが取り消されたという連絡で1日が始まる。議員会館の経常経費半年分だ。
(中略)
自分が正しいとは思っていても党と違う行動をとったのだから、役職の辞表を書く。党本部に提出に行く時に、地下道で蓮舫消費者問題担当大臣とすれ違う。「例の問題の打ち合わせをどこかでお願いします」と言われて、いかん、消費者問題調査会長を辞表に書き漏らした。
辞表の修正をしながら、来日中のシンガポールのゴー・チョクトン上級相との昼食会に帝国ホテルに向かう。
昼食会のメンバーは、党三役と小坂参院幹事長、塩崎代議士と僕。ここで辞表を手渡すわけにもいかないし。
しばらく静かにしていたが、上級相が原子力の問題を取り上げたので、Although today I am on probation, but 我が国の原子力業界は腐っている、力説した。上級相、笑いながら、彼はまだ党内で少数派かい。
遠藤筆頭副幹事長から、昨日の件で弁明を聞く機会をつくってから処分ということになるからとの連絡をいただく。
議員会館に戻って、スタッフに、辞表を出してからみんなの党にいくよと声をかけたら、ええっと驚いている。あれ、みんなの党の原子力の勉強会は今日だろと言ったら、離党してみんなの党にいくのかと思った、だって。おいおい、よせよ。
約1時間半、みんなの党の会議室で、原子力・エネルギー政策の勉強会で講師。渡辺代表から、みんなの党の総裁ポストが空席なのでこちらでぜひ、とお誘いをいただく。
その後、学術会議から河川の基本高水の検討状況についての説明。
自民党は、前日まで50日の会期延長で与党と合意していた。だから自民党は会期延長に反対しているわけではないという執行部の説明はウソではない。
しかし、昨日の本会議には、50日間の会期延長の動議はない。
昨日の本会議の採決は、会期を70日間延長をするかどうかだ。
自民党は会期を50日間延長しろと訴えたが、結果として70日間の会期延長の動議が本会議に提出され、採決となったのだから、それぞれの議員がとることができる選択肢は70日間の会期延長に賛成か、反対かだけである。反対が通れば、会期は延長されず、国会は閉会する。
自民党執行部は50日が妥当であり70日は長すぎると主張し、私は国会は通年でやるべきで70日は短すぎるという意見だ。
しかし、50日の延長も通年国会の開催も、そうした動議がかかっていない以上、その選択はできない。主張の如何に関わらず、70日の延長か閉会か、どちらかを選ばなくてはならなかった。
だから私は70日の会期延長に賛成した。
被災地の状況を考えれば、国会を閉会することはできない。東電に代わって国が賠償金を仮払いする法案を自民党は提出したばかりである。再生可能エネルギーの買い取り法案もある。そして特例公債法案も待ったなしだ。二次補正もある。
だから、閉会という選択肢はない。それならば、70日という数字にどの程度満足しているかは別として、賛成しなければならない。
私は、国会改革を訴える仲間や民自連といった超党派の仲間と一緒に通年国会をずっと訴えてきた。
南三陸や陸前高田、気仙沼などの被災地に足を運び、被災された方々や町長をはじめ行政に携わる方々の声を直接、聞いてきた。
今、政局で、復興を遅らせてはならない。永田町の理屈は、いや、屁理屈はどうでもいい。国民に、まっすぐに、政治が国民のために全力で動いているということを理解してもらえるような行動を議員一人一人が行っていかなければならない。
政治不信は極まっている。いや、むしろ、政治家不信だろう。
会期を70日延長したら三次補正が遅れるなどというのは永田町の理屈だ。世の中の理屈は、三次補正が必要ならば与野党の政治家が力を合わせてそれを全力で早くやればいい。
もし、自民党の理屈が被災された方々にもきちんと伝わるのだったら、なぜ、小野寺、秋葉、吉野、梶山といった被災地の代議士が本会議を退席しなければならなかったのか。彼らが一番、つらかったはずだ。なぜ、彼らが、自民党はこう行動したと堂々と地元で胸を張って伝えられるような行動を、自民党はとらなかったのか。
世の中が国会議員に望んでいるのは、与党も野党もなく、力を合わせて国民のために一生懸命仕事をしてくれということではないか。永田町の屁理屈で行動するのはやめよう。
[河野太郎さんのブログから抜粋引用終わり]
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