【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

衆議院三重3区は現状区割り維持の公算、まさに芸術、第48回衆院選に向けた衆議院選挙区画定審議会100選挙区前後の変更案、今月提出へ[追記あり]

2017年04月09日 06時09分46秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]三重県と奈良県に限って、新区割りを報じた、2017年4月9日付読売新聞1面。

 衆議院三重3区の区割りが、現状を維持する公算が高まりました。

[追記 同月19日 午後9時]

 現状維持どころか、もっと良い結果となりました。

◎運命の人、岡田克也さん「新三重3区で、岡田もついに自分に投票できる」岡田屋発祥の地、実家、近鉄四日市駅が選挙区に

[追記終わり]

[再追記 午後10時]

 全国的な記事は、こちら。

◎新区割り発表 衆議院選挙区画定審議会 2017年7月以降の第48回衆院選で施行の見通し 2015年国勢調査反映

[再追記おわり]

 平成6年政治改革4法にもとづく衆議院議員選挙区画定審議会が連休前に新区割りを発表することになり、9日付読売新聞が一部を報じました。2015年国勢調査反映分から、衆議院は小選挙区289、比例代表176、合計465をめぐる争いとなり、政権獲得には233議席が必要となります。

 このうち、平成6年政治改革4法にもとづく、第41回衆院選で新進党公認で、第42回から第47回衆院選まで民主党公認で、連続当選してきた、三重2区・中川正春さん、三重3区・岡田克也さんのコンビはともに選挙区区割りが現状維持のまま、民進党公認としての初陣をたたかうことになりそうです。

 区割り審は、(1)一票の格差を2倍以内におさえる(2)県都を第一区として時計回りに選挙区番号を振る(3)自治体を分割しない(4)県内に飛び地をつくらないーーという原則で新区割りをつくってきました。

  なぜこうなるかというと芸術的です。三重県は2015年の国勢調査により、配分が5から4に減りました。1区部分が36・1万人、2区部分が40・5万人、3区部分が41・8万人、4区部分が28・6万人、5区部分が31・2万人。区割り審は4区部分を分割して1区に併合することで、格差の計算の分母をかさ上げして、三重2区、三重3区を現状区割りでも2倍以内に収まっていると判断したようです。芸術的です。

 岡田克也さんは頻繁な選挙区入りをしながら、新区割りにより、四日市市南部が選挙区になった場合のシミュレーションをしてきました。具体的にはターミナルに宣車を置くスケジュールまで思いを馳せてきました。岡田克也事務所最高首脳は。「自民党の候補者は、1区が田村憲久前厚労相、2区が川崎二郎元厚労相、3区が島田佳和・衆議院議員(現2区支部長)、4区が三ツ矢憲生元外務副大臣になるのではないか」とみており、中川元文科相は現状区割りのままでも川崎二郎さんとの閣僚経験者対決になるかもしれません。

 ただ、三重2区・三重3区が現状区割り維持という芸術的な案が発表されれば、民進党の初陣で、もっとも計算が立ちそうです。

 三重3区のことばかり書きましたが、残り100選挙区前後が区割り変更になる見通し。

 スケジュールとしては今月中に区割り案を首相に提出し、来月政府が公職選挙法別表第一など改正案(193閣法 号)を提出し、会期中の6月に成立。「周知期間は1カ月間となるのではないか」(事務方首脳)としており、7月中にも施行されそうです。このため、第48回衆院選は2015年国調反映・定数465でたたかう公算が8割がたを占めてきました。一部に「7月2日の都議選とダブル」という案も浮上していますが、自民党から公明党に対するブラフとの見方が有力です。

 格差の是正はまずは一票の格差の是正から。民主主義のルールをつくる区割り審に関して、アメリカ、イギリスに比べて、我が国民の関心は低すぎます。しっかり新区割りに基づいて、選挙をさせるよう圧力をかけねばなりません。

 三重県と奈良県に限って報道された、区割り案は力作で、大いに評価できるものが仕上がりつつあるように感じます。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。

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