[画像]2015年9月8日の参議院厚生労働委員会、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
上の画像が印象的な、平成27年2015年9月8日委員会強行採決、9月30日施行の改悪労働者派遣法の記事(
涙する派遣社員を自民党議員が「早く追い出せ!」「騒ぐな!」 労働者派遣法改悪法案の傍聴席【追記有】
)へのアクセス数が増えてきました。
そこで、その後、どうなったか、法律の執行状況を調べてみました。
材料は、厚労省の毎月勤労統計(毎勤)で、平成27年2015年8月確報値と、平成29年2017年1月確報値。まあ季節調整ができませんが、関心が高い今、すぐに記事にしたいという思いを共有していただきたい。
まず先に説明したいのは、パートタイム労働率は30・59%から30・85%へ。これをみて「たいして変わらない」と直感的に思う読者も多いでしょうが、私・宮崎信行や、あるいは共産党が「正社員ゼロ法」と呼んでいたように、改悪労働者派遣法は、「生涯ハケンで一生搾取」の法案。パートタイム労働者を正社員同然に働かせて、賃金は抑える法律です。
気になる月給ですが、働く人の平均では、
27万1919円から26万9790円(ともに名目季節調整せず)へ。
わずか1年5カ月で、額面で月2200円下がっています。
業種別では、飲食サービス業が、12・6万円から12・2万円へとかなり下がっています。1人あたり総労働時間は月106時間から99時間に減りました。ところが働く人の総数は、444万人から474万人に「激増」したので、「もっと残業したいができない」「製造業で働く夫の月給が上がらないので、新しく飲食業で仕事を得たから、給料の適正な水準はあまり知らない」という人もいるかも。
ものづくり日本で、イチバンお堅い製造業。ここも、31万6830円から31万5277円へ。総労働時間は156・2時間から146・2時間へ。こちらは飲食業と違い、働く人は僅かながら減っており、「パートが正社員なみに働いて、給料はパート水準のまま」ではないかとの疑いが生じます。
金融緩和で活気がある、建設業では、まず働く人の総数が282・0万人から294・2万人へと増えています。ああいえばこう言う、ですが、この急増は現場での転落死(法律用語では「墜落死」)が増える可能性が高いでしょう。お給料ですが、35・7万円から33・2万円と激減しており、繰り返しますが、余裕のない現場で、じわじわと事故が増えることが心配です。
医療福祉は好調。月給は25・6万円から26・2万円に増えました。働く人の総数は650・9万人から668・9万人へ増え、総労働時間は月136・3時間から127・8時間へと「適正化」の流れ。
これだけでまとめると、数字の派手さとは別に、
製造業で働く人数が微減なのに、月給が1600円減ったのが、象徴的であり、改悪労働者派遣法の狙いだったのでしょう。
法案審議過程で、民進党の部会で証言していたのも、製造業事務職の有期雇用半年間をずっと更新し続けていた、「うらやましい人」なのに、リーマンショックで雇い止めにあった女性でした。
私は、2改悪を阻止する、このブログ内での2年1カ月間の闘争(2013年8月から2015年9月まで)で、後半戦からは、「パソナ」の名前を挙げて糾弾してきました。ただ、今見ると、輸出製造業の社長ばかりが役員を占める、経団連が主犯だったのかもしれません。
このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。
[お知らせはじめ]
宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)
予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)
インターネット版官報
[お知らせおわり]
Miyazaki Nobuyuki