【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

[きょうの国会]山尾志桜里さん「衆法務委の現場のこと、私は議運委理事なので議運に説明している、鈴木淳司委員長は心してほしい」

2017年04月21日 20時22分04秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[写真]つつじの官邸(右側)、某年4月22日、筆者・宮崎信行撮影。

 第193回通常国会は残り37営業日となりました。

 ところで、昨日の「きょうの国会」は、午前11時台と午後4時台にアクセスが急増しました。その間に赤坂御用地で園遊会があり、ちなみに私は呼ばれなかったのですが、園遊会後に国会情勢はどうなっているのか気になった人が多かったようです。

 きょうのこのブログは、新しい順に書く新聞記事とは違い、「提出→衆議院審議入り→採決→本会議採決→参議院審議入り→採決→本会議採決→公布」の流れのうち、お尻の方から順に書いてみます。

【官報 平成29年2017年】

 6法律が公布され、うち2本がただちに施行しました。

 「改正裁判所職員給与法」(193閣法17号)は、平成29年法律17号として公布され、ただちに施行しました。

 「改正遺伝子組み換え生物カルタヘナ条約国内実施法」(193閣法32号)は、法律18号。衆から参にまわっているカルタヘナ条約改定議定書が承認され、発効した日に施行します。

 「農業機械化促進法廃止法」(193閣法22号)は法律19号「種子法廃止法」(193閣法23号)は法律20号。来年の4月1日施行。ともに、県庁の農業試験場の農機具の認定と、コメ・大豆などの種子改良の根拠法を廃止する法律。農相も「モンサントは問題がある」と言っており、すぐに国内が民間の種子に席巻されるわけではありません。旧小沢グループが煽ったので、人の悪口を言わない小沢一郎先生は、かつてのチルドレンに苦笑いといったところでしょう。

 「海上運送法及び船員法を改正する法律」(193閣法7号)は法律21号。船員条約の国内実施条項は条約発効日に、その他条項は公布の日から起算して半年以内の政令で定める日に施行。

 「改正国際開発協会IDA加盟法」(193閣法13号)は平成29年4月21日法律22号。ただちに施行され、第18次増資0・3兆円の予算を執行へ。

【参議院本会議】

 「1994年のガット日本部分の修正及び訂正の確認書の承認案」(193条約4号)
 「万国郵便連合IPU条約の追加議定書」(193条約9号)
 「郵便送金業務の約定」(193条約19号)は3件一括して採決され、投票総数234、賛成234、反対0の全会一致で両院承認されました。

 ◇

 これに先立ち、「農業競争力強化法改正案」(193閣法21号)が趣旨説明。新生党結党メンバー田名部元農相の娘、田名部匡代さんが心に残る質問演説をしました。

●おめでとう山崎正昭前議長、議員永年在職25年表彰、片山虎之助最年長議員とともに 

 会議の冒頭では、永年在職表彰があり、維新党首格の片山虎之助さんと前の参議院議長、山崎正昭さんが表彰されました。橋本聖子・参議院自民党会長が祝辞。片山さんについで、演説した、山崎前議長は「8年前重い病気をしたが、支えてくれた、先代、支持者、歴代秘書、家族に感謝したい」と語りました。山崎さんの病気は噂になり、一時候補者さしかえを自民党が検討しましたが、山崎さんが再選し、副議長、議長をつとめ、昨夏も当選しました。



[画像]永年在職表彰された、山崎正昭前議長、2017年4月21日の参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。


[画像]山崎正昭前議長のご家族らと思われるみなさん、2017年4月21日の参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。


[画像]片山虎之助、山崎正昭両議員の永年在職表彰を祝う、橋本聖子参議院自民党会長、2017年4月21日の参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【参議院東日本大震災復興特別委員会】

 「福島復興再生特別措置法改正案」(193閣法19号)が今村復興相から趣旨説明され、ただちに与野党の質疑がありました。次回も続きます。

【衆議院本会議】

 10件が可決し、参議院に送られました。

 「独立行政法人国民生活センター法を改正して民事裁判の立担保をできる法案」(193閣法29号)
 「地方公共団体情報システム法及びマイナンバー法改正案」(193閣法45号)
 「水防法改正案」(193閣法25号)
 「日本スロベニア租税協定の承認案」(193条約15号)「日本ベルギー租税協定」(193条約16号)「日本ラトビア租税協定」(193条約17号)「日本バハマ租税協定」(193条約18号)。
 「外為法及び外国貿易法改正案」(193閣法41号)
 「阪神大震災被災自治体の第19回統一地方選での残り任期2か月放棄法案」(193衆法14号)
 「土地改良法及び農地バンク法改正案」(193閣法28号)

 以上10件が参議院に送られました。会期内に成立のはこび。

【衆議院厚生労働委員会】

 「厚生労働省設置法を改正して、医療技監を設ける法案」(193閣法16号)が採決され、共産党反対、自民党・公明党・民進党・維新の賛成多数で可決しました。質疑の中では、同省の次官級は合計3名となるが建制順はまだ決まっていないとの説明がありました。審議順では、参先議の精神福祉法案が回ってこないため、設置法案が前倒しになったのかもしれません。この後、医療法案、民泊法案があり、労働法制と受動喫煙の審議は今国会でなさそうです。

【衆議院地方創生に関する特別委員会】

 知ってる人だけ得をする、「特区法改正案」(193閣法54号)の質疑が始まりました。維新の椎木保さんは「かみ合った議論をしたい」とし「農業への外国人受け入れ特区は、農村の多文化共生に配慮すべきだ」と主張しました。次回も続きます。

●特区で損した、学校法人森友学園が倒産

 夕刻民間の信用情報調会社2社から「学校法人森友学園」が負債およそ20億円で倒産(民事再生法)した、との報道が出ました。4月に入って3週間での倒産。かわいそうになあ。創業64年の幼稚園経営会社ですが、特区を使った小学校経営で梯子を外されました。20億円だと、内閣官房の報償費の年12億円を上回るので、官邸も穴埋めはできないというところでしょう。

【衆議院文部科学委員会】

●専門職大学を絶賛した学校法人経営者「助成金は別枠で」

 「学校教育法を改正して専門職大学・専門職短大を設ける法案」(193閣法56号)の参考人質疑があり、既得権益者は「国策でやるのだから、財政負担は今とは別枠でぜひともお願いしたい」と今の私学利権を守るよう懇願しました。自民党にも政治献金をしないといけないのでしょうか。

【衆議院安全保障委員会】

 「防衛省設置法及び財政法改正案」(193閣法26号)をかなり長時間審査しましたが、採決は次回以降に持ち越しました。

【衆議院環境委員会】

 「種の保存法改正案」(193閣法33号)を審議し、次回に持ち越しました。

【衆議院法務委員会】

 「共謀罪、テロ等準備罪、組織犯罪処罰法改正案」(193閣法64号)

 まず、25日(火)の参考人質疑が、賛成多数で可決しました。続いて、「政府参考人として、法務省刑事局長、林真琴君の出頭を求める件」が、自公維の賛成多数で可決しました。政府参考人出頭の採決は、小沢一郎先生が心を砕いた改正国会法施行後、きのうに続いて、2回目。

 山尾志桜里さん(愛知7区)は「私は議院運営委員会の理事も兼ねており、法務委員会の現場のことを報告している。鈴木淳司委員長(愛知7区比例)は心してほしい」と脅しました。山尾さんは、野次でも、蓮舫参議院議員のような野次を飛ばしたが、その辺は「委員長何をやっていらっしゃるのですか!」というような野次を飛ばして、関東連合かブラックエンペラーのような蓮舫氏の野次とは差別化していただきたいものですか。

【衆議院国土交通委員会】

 「道路運送車両法改正案」(193閣法42号)の趣旨説明がされました。三菱自動車工業の型式不正を立法事実として、型式を取り消せる法案。三菱自動車なんて、どうせ、ろくに税金払ってないんでしょう?型式ではなく、会社を潰せ。一部で廃案の希望がでている、旅行案内士の規制緩和や、民泊新法が会期にはまらない可能性も出てきました。

【衆議院外務委員会】

 「日印原子力協定の承認案」(193条約3号)が趣旨説明されました。

【衆議院経済産業委員会】

 広島4区選出の前経済産業大臣政務官をめぐり、理事会が整わず、定刻から十数分後に流会しました。報道に間違いがありますが、ウエディングドレスを着た女性とハワイでクルージングしながら牧師と映っている写真は、あれは冗談であって、重婚な訳がありません。ストーカー疑惑も、「雑誌に話した」と女から言われて、話をしようとしたら、相手に通報されただけでしょう。良家の子息は1人の女性を信頼できないものであり、2人・3人いても、結局3人目も性悪女で、派手な写真、SNSらを暴露されてしまったわけで、同情します。当該議員は64%の高得票率で当選しており、蓮舫さんは議員辞職を求めないのに、江田憲司さんは議員辞職を求めており、補欠選挙をめぐったかけひきが民進党内にもあるようです。あるいは、単に分かってなくて江田さんは言っているのかもしれません。議員辞職はまったく不要です。ただまあ、顔出しで、半裸のツーショットに限れば、たけし軍団じゃないんだから、とバケツの水をぶっかけたいところです。

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(C)2017年、宮崎信行。

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