宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

衆・予算委は空転しあす午後の正常化めざす、団塊の世代・松本参考人が質問通告に難癖をつけたとも、参・本会議は押しボタン式投票復活で「田中検査官」「小枝日銀審議委員」誕生

2025年02月19日 18時03分58秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]山井和則・衆議院予算委員会野党側筆頭理事、おととし2023年5月、衆議院本館2階の第4控室で宮崎信行撮影。

 私は「人は死んでも金は死なない」と繰り返しており、1971年の金地金との交換禁止以降、日本銀行券に価値があると思うのは日本最大の新興宗教です。私は信者です。若いころ、ベトナム南部ではベトナムドンではなく米ドルで払ってほしいとよく言われました。ですから裏金の嘘は、定年退職したNTTでは通じても、日銀券信者がいる日本語話者がいる社会では永久に通じません。団塊の世代の松本元会計責任者が野党議員から得た質問通告書を見て取り下げるよう求めたと弁護士を通じて伝えられ、大混乱となりました。

 国民民主党は古川元久さんに加えて、榛葉賀津也幹事長も緊急記者会見。きのうの基礎控除の所得制限の提案は、公明党の西田まこと幹事長(税調顧問)も了承していないと証言しました。この後、自公国3党税調会長協議が2日連続開催。ここで、古川税調は3点を要望し、宮沢税調は持ち帰りあす再開することになりました。3点は(1)基礎控除の所得制限は撤廃する(2)物価上昇にあわせて基礎控除を上げる(3)ガソリン税のいわゆる暫定税率撤廃を今秋の税制でなく今年の早い時期に実施することにして明示するーーの3点です。

 自公と国、維、立の予算採決に向けた政局はかつてまったく経験したことのないヤマ場にさしかかりました。

【衆議院予算委員会 きょう令和7年2025年2月19日(水)】
 当初は集中審議「政治資金問題等」が開かれる予定でしたが、開会されないまま開催にいたりませんでした。理事会では、松本参考人へのあすの質疑のホテルなどを明かさないよう自民党理事から提案。オブ理事のれいわ、共産の質問、議事録、アタマ撮りをめぐっても混乱が続きました。あすの昼の理事会で正常化をめざすことになります。が、現時点であすに一般質疑4時間コース、あさって集中審議7時間コースを行うことが内定しています。なお、「ラインナップ」として高額療養費見直しで2度目のテレビ入りで登場する予定だった2019年統一地方選の「すべての人に居場所と出番を」の当事者候補だった酒井なつみさん(2期)の傍聴に来た当事者団体の関係者は、同党の控室で記者会見し、記者団に意見を伝えました。

【参議院本会議】
 コロナが明け、押しボタン式投票が復活しました。国家公務員党の任命に関する件では、会計検査院検査官に田中淳子・元NHKワシントン支局長を充てる人事案が、投票総数236、賛成228、反対8の賛成多数で同意され、両院での同意が終わりました。検査官3名全員が女性になると思います。東宝映画の世界では大学運動部のキャプテンに若大将(加山雄三さん)が当然視される中田中邦衛さん演じる青大将が下級生たちを実家の旅館に招いて飲み食いさせて逆転当選するストーリーもありますが、現実の現在の大卒たちは陰湿ですから、木っ端役人の些事でなく地方創生、SDGsなど官民の胡散臭い隠れ巨悪に立ち向かうよう検査官会議をリードしてほしいです。

 日本銀行審議委員に小枝淳子・早稲田大学政治経済学部教授を充てる人事も両院で同意され内閣が任命します。早大は退職します。同学部教授出身者が政策委員(9名)になるのは若田部副総裁が退任して以来2年ぶり。

【参議院政治倫理審査会】
 宮本周司さんと山田宏さんの弁明とそれに対する質疑がありました。宮本さんは石川県ですが、森喜朗さんに関連したやり取りはまったくありませんでした。宮本さんは3年前に補選に出たときに「私は、地元石川県の参議院の石川県選挙区の補欠選挙に(全国比例を辞職して)出させていただいておりまして
、告示日の2、3日後だったと思うんですが世耕弘成先生から電話があってパーティー券の販売をしているんだったら、そのノルマまででストップしてくれというような内容の電話だったと記憶しています。さすがにそんなタイミングの電話でしたので、そのように記憶はしております」と述べました。安倍晋三会長や西村康捻さんらが裏金廃止を指示したのが3年前の2022年4月ごろとされていることと時系列が一致しています。仮に安倍さんが生存していても、それ以前のことはわからないとみるのが普通。衆での松本参考人の招致は不可欠といえます。

【参議院3つの審議会】
 小泉悠参考人らが発言し、質疑をしました。

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