写真は「宏池会」会長だった池田勇人首相(首相官邸ウェブサイトから)
自民党の名門派閥「宏池会」復活の動きを伝える記事を紹介します。
外務省出身の吉田茂首相が、国会内での基盤が弱い自分の政権固めのため、官僚をスカウトして、たくさん選挙に出しました。このメンバーがいわゆる「吉田学校」です。池田勇人(いけだはやと)、佐藤栄作といったそうそうたる面々です。
池田さんは広島県出身。実家は中国地方最大の特定郵便局だったそうで、まさに自民党「戦後レジーム」の代表格です。
京大から大蔵省に進み、主税局長を務めました。「東大以外」「主計局以外」という2つの“例外”がありながら、事務次官に登り詰めます。主要幹部がGHQに公職追放されていたことも要因です。
衆院議員に転じると、1回生ながら大蔵大臣になります。これも公職追放が池田の追い風になったということでしょう。首相としては「所得倍増計画」を策定し、予定より早く計画を実現させましたが、今これを振り返ると、この急激な経済社会の変化が今の日本に大きな歪み(核家族、ジェネレーション・ギャップ、環境問題など)を残しました。池田直系の宮沢喜一さんも経済企画庁長官として憂慮していたそうです。
この名門、宏池会。官僚中心の「お公家集団」と呼ばれ、多くの政治学者から「保守本流」ともてはやされました。
少し話がそれますが、この「保守本流」という用語に関しては北岡伸一東大教授が疑問を呈していました。「保守本流」とは、佐藤派→田中派→竹下派(木曜クラブ→経世会→平成研究会)を指すのではないかという指摘です。北岡さんがその後、国連大使として日本を離れていた時期があり、最近はあまり話題になっていないような感じがしますが、私は北岡論に賛成です。
話を戻します。「宏池会」は池田会長のあと、大平正芳会長→鈴木善幸会長→宮沢喜一会長→加藤紘一会長と続きます。
しかし加藤さんと河野洋平さんの確執、「加藤の乱」の失敗による党幹事長だった古賀誠さんの離反に次ぎ、最後には「あんたは大将なんだから」と言った谷垣禎一さんも離反していくことになります。
ところで、「宏池会」の系図は麻生太郎さんの麻生派にも引き継がれています。国民人気が高い麻生さんの動きはどうなるでしょうか。
古賀・谷垣派合流へ調整、次期衆院選前目指す(読売新聞) - goo ニュース
自民党古賀派の太田誠一、谷垣派の川崎二郎両会長代行ら両派幹部が11日夜、都内で会談し、両派の合流に向けてそれぞれの派内調整を進めることで一致した。
次期衆院選前の合流を目指す。旧宮沢派の流れをくむ両派は先の党総裁選で福田首相擁立で共同歩調を取り、連携を深めていた。
会合では来年春までに合流し、新派閥の政治資金集めのパーティーを開催する案などが提起された。ただ、派内の中堅・若手議員には合流に慎重論も残っている。
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