【平成27年2015年9月19日(土)参議院本会議】
「2015年日米防衛協力のための指針いわゆるガイドライン国内実施2法」(189閣法72号、189閣法73号)が可決し、成立しました。
投票総数231、賛成148、反対90。
公布から6か月以内の政令で定める日に施行されますから、年度内(来年2月、3月まで)に施行されます。
法律の正式名称は
「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」
「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」
内容は、自衛隊法の改正、武力攻撃事態対処法を改正して我が国が平時でも密接な他国との集団的自衛権を発動する「存立危機事態」の新設、「周辺事態法」を改正して「重要影響事態法」とし、日米同盟を1978年ガイドラインの「極東」、1997年ガイドラインの「周辺」から、2015年ガイドラインの「地球規模」とする内容です。
米国有事などの地球の裏側ホルムズ海峡への自衛隊の派遣がありえます。ただ、アメリカのアシュ・カーター国防長官らは、平時の南シナ海での中国包囲網に日本自衛隊を参加させることだと考えられます。
民主党の岡田克也代表は「集団的自衛権行使の違憲部分の廃止法案」を用意するかまえです。
(関連エントリー記事は、末尾に掲載)
安保法をめぐっては、これまでの「サヨク」とは違う、高校生、母親らが、皇居桜田門と国会正門をつなぐ「国会前」や、全国の県都で抗議活動をしました。
しかし、私としては、昨年5月15日の第2次安保法制懇の報告書、昨年7月1日の閣議決定「国の存立をまっとうし切れ目のない安全保障法制のための憲法解釈の再整理」の後に、第47回衆議院議員総選挙。さらに、ことし4月27日の首相訪米と同時期に、外相・防衛相も訪米し、ガイドライン再改定。ここまでの段階で止められなかった、オピニオン・リーダー層により一層の国民としての自覚を強く求めるとともに、自民党政府の思惑や落としどころを、リラックスして話し合える「中間的な組織」をもっていかないと、日本の民主政治は根っこから押し流される危機にあると考えます。
大人がもっとしっかりしなければなりません。「日本のいちばん長い日」の昭和史家、半藤一利さんは8月9日のTBS時事放談で「ガイドラインの動きに若い者がもっと気づかなければならなかった」と指摘しました。私自身は、気づけたことを誇りに思いながらも、より発信力を磨いていかなければならないと思います。止められなかったけど、私は後世に恥じない生き方ができました。「やれることを最後までやらせていただいた」ーー福山哲郎さんの安保法(案)反対討論と同じ思いです。
【同日 衆議院本会議】
3分の2条条項の牽制をかけるため、午前0時10分に設定されていましたが、流会。
[当ブログ内エントリーから引用はじめ]
民主党の岡田克也代表は平成27年2015年9月11日(金)の定例記者会見=写真・国会内、筆者・宮崎信行撮影=で、
安保2法案(189閣法72号、73号)のうち、「集団的自衛権は憲法違反だから廃止しかない」と語り、集団的自衛権部分の廃止法案を提出する考えを明言しました。
具体的には、「武力攻撃事態対処法を改正して、その第2条に存立危機事態を新設したいとする条文」の削除は確実で、その他の部分の削除・修正も検討していくことになります。
岡田代表は「万が一成立することになると、少なくとも集団的自衛権の部分は憲法違反だ」とし、「どのタイミングで出すか」と語り、安保法の成立に前後して、提出に向けた検討作業を進めることを明らかにしました。
岡田さんは「どの範囲で廃止を求めていくか。PKO協力法や周辺事態法は修正できる面もある」とし、安保2法案に束ねられた「PKO協力法を改正してかけつけ警護ができるようにする条文」は残したり、「周辺事態法改め重要影響事態法にして、重要影響事態を新設する条文」を修正して現行法に戻すことなどを検討していくことになると考えられます。
民主党は「憲法違反の法案に対案はありえない」「対案よりも廃案」として、グレーゾーン事態の対案のみで、集団的自衛権容認部分の対案は提出していませんでした。
仮に成立すると、施行日は来年2月ないし3月になるとみられ、それまでに、具体的な成案として国民に示すことになりそうです。
これに先立つ、4月27日の日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の再改定は、現時点では必要ないとの認識も示唆しました。
【当ブログ内エントリーから引用おわり】
[民主党の声明]
2015年9月19日
【党声明】
立憲主義を守るため、国民と共に安倍内閣と戦い続ける
民主党
本日、安倍政権は参議院本会議において安全保障関連法案を可決、成立させた。憲法違反の法案を、国民の理解も納得も得られないままに、強引に成立させたことは、我が国の立憲主義、平和主義、民主主義を大きく傷つけるものであり、最大限の怒りをもって抗議する。
国民的議論を欠いたままに一内閣が意図的・便宜的に憲法解釈を変更したことは立憲主義に対する重大な侵害である。あいまいな新3要件に基づく集団的自衛権の行使は、専守防衛や海外派兵の禁止という憲法9条の平和主義の根幹を揺るがす。三権分立という民主主義の根幹を理解せず、また国民の6割、7000万人以上が反対し、8割、1億人が説明不十分とする法案を強引に成立させたことは民主主義に対する挑戦である。これらは戦後70年、平和で豊かな日本をつくるために努力されてきた多くの先人たちに対する裏切り行為であり、日本を引き継ぐ未来の日本人に大きな禍根を残すものである。
安倍内閣の暴走に強い危機感を持った子どもを連れたお母さん、若いカップル、学生などこれまで政治に対する関心を示さなかった方々も含め多くの国民が自らの意思で反対の声をあげてきた。民主党はその危機感を共有する。そして、今回立ち上がった国民の皆さんとともに、立憲主義、平和主義、民主主義を守るために、新たな戦いを始める。
以上
[民主党の声明は以上]
このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
(http://miyazakinobuyuki.net/)
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