渡辺恒雄の後継者、宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

ストーカー規制法改正案で、「メール」から「SNS」に拡大を検討、自民党と公明党のチーム

2016年05月28日 09時18分09秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 自民党と公明党は、ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)の改正案を、平成28年後半の第191回ないし192回国会に提出したい方針。

 公明党の井上幹事長が平成28年2016年5月28日(金)記者会見で明らかにしたと、翌日付公明新聞が報じました。

 東京でアイドルとして活動していた20代前半の女性が、Twitter(ツイッター)でやりとりしていた自称・ファンの男に対し、リアル社会で贈られたプレゼントを返して、Twitterをブロックしたところ、男が逆上。女性は警察と相談したものの、男はライブをねらって上京し、ナイフで数十か所を刺し、重傷。現在も治療中の事件を踏まえたものです。

 現行法では「つきまとい」を次のように定義しています。

第二条  この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。

五  電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールを送信すること。

 この「電子メール」には、SNS(ソーシャルネットワーキングシステム)は含まれていない、と井上幹事長らは判断したようです。

 ところが、同日、東京地方裁判所立川支部は、Twitterで女性に執拗に投稿した韓国人の男に対して、懲役4カ月・執行猶予3年の判決を言い渡しました。翌日付読売新聞第3社会面が報じました。男は、知人女性のTwitterアカウントに、「連絡取れるようにしてよ」などと投稿。女性がアカウントを3回変更して見つけ出して執拗に投稿したほか、リアル社会でも勤務先に押し掛けました。 

 記事から考えると、裁判長は、上に紹介した第2条の第3項にある「面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること」の中に、Twitterでの執拗な投稿も含まれると判断したようです。被告人は控訴するかまえ。

 この判決から、自民党と公明党が進める改正作業は立法事実がないともいえます。

 このエントリー記事の本文は以上です。

 

 


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