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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 14 インビクタス/負けざる者たち

2010-02-02 16:30:18 | 映画観賞・感想

※ 映画づいている。前日の「おとうと」に続き、31日(日)北海道新聞の試写会「インビクタス/負けざる者たち」を観た。近々、3D映画「アバター」も観ることにしている。
   
            
 1995年、南アフリカで開催されたラグビーワールドカップで、開催国南アフリカが優勝した陰に絵に描いたような感動ストーリーがあったとは!!!
 
                   
   
 「INVICTUS(インビクタス)」・・・、ラテン語で「征服されない」を意味する。
 南アフリカの黒人初の大統領として知られるネルソン・マンデラが27年間もの長きにわたり政治犯として獄中に繋がれていたとき、彼が支えとしていた詩の題名が「インビクタス」という。

 英国の詩人ウィリアム・アーネスト・ヘンリーが著した「INVICTUS(インビクタス)」の全容をネット上から探し出すことができたので、その詩を転写することにする。(フジテレビスポーツコラムの中で大元よしき氏がパンフレットから引用したとあった)

 インビクス(ウィリアム・アーネスト・ヘンリー著)
 
 私を覆う漆黒の闇
 鉄格子にひそむ奈落の闇
 私は あらゆる神に感謝する
 我が魂が征服されぬことを

 無惨な状況においてさえ
 私は ひるみも叫びもしなかった
 運命に打ちのめされ 血を流しても
 決して屈服しない

 激しい怒りと涙の彼方に
 恐ろしい死が浮かび上がる
 だが 長きにわたる 脅しを受けてなお
 私は何ひとつ 恐れはしない

 門が いかに狭かろうと
 いかなる罰に苦しめられようと
 私が我が運命の支配者
 私が魂の指揮官

 ネルソン・マンデラはこの詩を支えに27年間の獄中生活に耐え、この詩を南アのラグビー代表チーム「スプリングボクス」のキャプテン・ピナールと共有することにより、南アフリカで開催された第3回ラグビーワールドカップで自国を優勝に導いたのだ。

 この映画が実話であるということが何よりも心を打つ。
 27年間も獄中に繋がれながら、ネルソン・マンデラは民衆に「復讐心にとらわれることなく、相手を赦すこと」の大切さを説き、「黒人が白人に仕返しするのではなく、共に新しい国を造ろう」と呼びかける。
 そして、自国開催のラグビーワールドカップを国民が一つになる絶好の機会ととらえ、チームを後押しするのだ。
 マンデラの思いを感じたキャプテン・ピナールはキャプテンシーを発揮してチームをまとめ上げていく。

 弱小チームとして当初は下馬評にも挙げられていなかった南ア代表「スプリングボクス」はあれよあれよと勝ち進み、チームは決勝まで勝ち進んだ。決勝の相手は当時世界最強といわれたニュージーランドのオールブラックスだった。
 決戦を前にマンデラはピナールにメッセージを送った。“我が運命を決めるのは我なり” “我が魂を征するのは我なり”と…。それはあの詩の最後の2行であり、決勝戦の舞台へ出で行く選手に向ける最高のはなむけだった。

 決勝戦は一進一退の攻防の中、キャプテン・ピナールの檄に奮い立ったフィフテーンが延長戦を制して世界一となったのだ。
 国民はこの快挙に狂喜乱舞、黒人も白人もなく喜び合い、国民の心が一つになった瞬間だった。

 マンデラは「インビクタス」の詩を糧にして、迫害に負けなかった。そして黒人と白人の対立という古くからの因習にも負けなかった。
 ピナールをはじめとするスプリングボクスのフィフテーンは、「インビクタス」の詩に奮い立ち世界の強豪に負けなかった。
 「負けざる者たち」の物語である。

 映画は来る2月5日から全国公開される。