地味ブロを自称している拙ブログだが、本日の話題は飛び切りお堅い話で地味ブロの面目躍如といった感のある話題である。その昔、おそろしく蛇行を繰り返した石狩川がどのように変わっていったのか、石狩川の過去・現在・未来を聴いた。
紀伊国屋札幌本店のインナーガーデンを利用して、「石狩川フォーラム実行委員会」というところが、石狩川を素材としてさまざまな切り口から石狩川をレポートする「石狩川フォーラム」を月例で実施していると知った。
3月15日(金)夜はその第3回ということで、タイトル名のような講座が開催されたが、友人に誘われ初めて参加した。

講師は鈴木英一氏といって北海道開発局長や北大大学院の工学研究院の特任教授を務められた方だった。
実は私は昨年6月に市民カレッジで「石狩川とともに ~母なる大河改修の歴史と未来~」題する4回シリーズの鈴木氏の講座を受講していたのだった。
したがって、この日の講義内容は4回シリーズのダイジェスト版的な内容だった。興味のある方は4回シリーズの内容を2日にわたってレポートしているので、そちらを参照いただきたい。(市民カレッジ 石狩川とともに 前編 市民カレッジ 石狩川とともに 後編)
今回の講座で鈴木氏が強調されたことは、河川の治水に対する考え方が変わってきているとした点だった。それはつまり、これまで(過去)は強制的に河川の流れを変えることにより洪水などを防止する策を取ってきたが、これから(未来)は河川の流れを変えるのではなく、増水時に一時的に雨水を貯水する遊水池を作ることによって洪水を防ぐ方向に変わっていくであろうと指摘した点である。
遊水池は、洪水時以外は自然環境教育など、さまざまに多目的に利用されるということである。現在は千歳川流域に重点的に造成が進められていて、今後この動きが広がっていくであろうということだった。
人命を守る、田畑を守る、といった目的が一応達成された今、治水においても自然環境をできるだけありのままの姿を保つという考え方が浸透してきたということであろう。

※ 石狩川の治水の変遷について語る鈴木英一氏です。
鈴木氏については以前の投稿でも触れているが、北海道開発局長まで務めた方にしては役人臭がなく、自ら蓄積した知識を噛み砕いて素人にも伝えようとする熱意のようなものを感じる。今また、「NPO法人 環境技術研究センター」なるものを組織して、同じように研究を重ねてきた人たちを束ね、市民にその成果を伝えようとしている。
今後はこうしてキャリアを積み重ねた人たちが、リタイア後にこうした形で社会貢献をする姿が増えてきそうな気がする。それって、社会にとって凄い財産になるんじゃないだろうか?