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インドネシア留学生の話を聴きました

2013-03-30 23:18:34 | 講演・講義・フォーラム等
 インドネシアは17,508もの島に、1,128の民族の人たちが暮らしているという。言語も実に748言語が話されているそうだ。北大に留学しているエルマさんから話を聴いた。 

 北大の留学生センターではインターナショナルトークと題して、定期的に留学生に自国を紹介するイベントを開催しているそうだ。私は以前に1回だけ聴講したことがあった。
 今回、3月29日(金)夕刻、北大の国際本部で「1000以上の民族が平和に暮らしている国 ~ インドネシア」と題するお話を聴いた。

          
          ※ インドネシアのことについて紹介してくれたエルマさんです。

 リード文でも紹介したように、インドネシアは私たちの想像以上に複雑な国のようである。数えるだけでも大変な数の島々。そこに住む多くの国民(人口は約2億4千万人)。民族紛争が起こらないかと心配されるほど多くの数に分かれている民族。そしてそこで話される数多くの言語…。
 しかし、スピーカーを務めたエルマさん(女性)はそうしたことを当然のことと受け止め、ユーモアを交えて自国のことを紹介してくれた。

 彼女はインドネシアのさまざまな面を語り、紹介してくれたが、その中から印象的なことを記すことにする。
 まず言語のことであるが、民族がそれぞれの言語を使っていては国としての統一を図るのが難しいこともあり、識者が集い「インドネシア語」という統一用語を作ったそうだ。そのインドネシア語の誕生は1928年というから、まだ100年も経っていない新しい言葉のようである。このことから、インドネシア人は2つや3つの言語を操るのは当たりまえのことのようだ。そのことが外国語の習得をも容易にしていると他の留学生が語ってくれた。

             
             ※ インドネシアの国章のガルーダの図です。

 言語と同じように多様な民族、多くの島の住民を一つにまとめていくためなのだと思われるが、国のシンボル(国章)について紹介してくれた。国章はガルーダと呼ばれる金色の神鳥でインドネシアの島々に伝わる神話に登場する鳥だそうだ。ガルーダは図のとおり、胸に5つのエンブレムを抱え、足の巻物を携えている。
 巻物には国の標語である「多様性の中の統一」といった意味のことが記されているという。
 そして5つのエンブレムとは(簡単に記すと)、真ん中の金色の星を描いた黒い盾は「唯一神への信仰」を、赤い下地の上の円形の鎖は「公正で文化的な人道主義」を、熱帯樹のガジュマルは「インドネシアの統一」を、赤い地にジャワ島の野牛は「合議制と代議制における英知に導かれた民主主義」を、白い地に金色の稲穂と白い綿花は「全インドネシア国民に対する社会的公正」を、それぞれ表しているそうである。

          
          ※ 前に出て受講者からの質問に答える留学生たちです。

 このように国が国民の統一を促す施策を講じるだけでなく、インドネシアの人たちには相互に認め合い、相手に気を配る気質があるとエルマさんは語った。
 私が嬉しく思えたのは、エルマさんのトークが終わった後、そのトークを聴いていたインドネシアからの留学生仲間(7人ほど)が前に進み出て、受講者からのQ&Aコーナーでそれぞれが答えてくれたことだった。
 質問に答える彼らの表情が明るく、日本での学生生活を楽しんでくれているな、と思わせてくれたことが私には嬉しかった…。

          
       ※ 留学生たちは最後にインドネシアのPOPダンス「ポチョポチョ」を紹介してくれた。