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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

がん研究最前線は今

2013-03-29 23:11:34 | 講演・講義・フォーラム等
 がん治療は日進月歩で技術の改良が進んでいるという。北大においても医学部のみならず学際的な研究が進められ最先端の研究が進められているということだ。がん研究の最前線にいる研究者たちの話を聴いた。

                    ※ 第2部のトークセッションに登壇した3名の方々です。

 北大において既存の研究分野を超えて学際的な研究を進める創成研究機構の主催による創成シンポジウム「北大から世界へ がん研究最前線」と題するシンポジウムが開催された。
 3月27日(水)午後、北大の学術交流会館には関心の高さを示すように会場いっぱいに受講者を集めて開催された。

 シンポジウムは「医学と理工学の融合で患者を救う ~陽子線治療装置の開発~」と題して白土博樹教授がまず基調講演を行った。続いて、創成研究機構の客員教授を務めるキャスターの佐藤のりゆきさんの司会によって、藤田恭之教授、田中伸哉教授がそれぞれの研究について語るトークセッションが行われた。

          
          ※ 私の席から遠かったためにボケてしまった白土教授の顔写真です。

 白土教授の基調講演について、私が理解できた部分の概要をレポートしてみることにする。
 がんの治療には、①外科療法(患部を除去する)、②放射線療法(X線だけでなく、最近は陽子線が注目)、③化学療法(抗がん剤などの投与)とある。その中で近年は放射線治療を施す患者が急増しているそうである。
 放射線療法と云うとX線を思い浮かべるが、X線の場合はがんの種類によって効果がない場合があったり、X線を照射することによって二次がんが発生したりする場合もあった。
 そうした欠点を是正する放射線として陽子線治療が現在急速に注目を浴びているという。
 陽子線治療は、がんの部位だけを照射する技術が発達し、臓器が温存でき、治療時間が短く、患者の身体的負担も小さいなど、他の治療法よりかなり優れているという。
 北大医学部では世界的にも最先端を行く陽子線治療法の開発が進められていて、近くその治療施設が完成し、実際の治療の開始も間もないという。

          
          ※ 会場の座席がいっぱいになるほど関心の高さを示したシンポジウムでした。

 お話を聞くかぎり相当に有効な治療法のようであるが、現状では特殊な治療法のため保険治療の対象ではないということだ。我が家でもがん保険の特約を検討することにした。

 トークセッションの方は、藤田教授の方ががんの発生のメカニズムについて遺伝子レベルでの研究を進め、発生原理にメスを入れることで発生そのものを抑えようとする研究をされているということだった。
 一方、田中教授は病理診断を専門とされていて、道内各地の中核病院をオンラインで結び道内各地の患者の病理を診断し、がんの早期の発見、治療法の指導などに務められているということだった。

 素人には理解が難しい部分もあったが、北大が世界に発信できるような研究を進めていることを知り心強いものを感じた。
 “がん”というと一昔前は不治の病と考えられていたが、これからは治癒する期待も大きくなってきたと云えるのかもしれない。

※ 本日の記述の中で、私の理解が不十分なため、あるいは間違った記述があるかもしれないことをお断りしておきます。