教育現場を離れて9年が経とうとしている。今、子どもたちの生活がネットやゲームに浸食され、大変なことになっているらしい。北海道は特に深刻らしい。そうした子どもたちの実態を知る研修会に参加した。
今や世の中はスマホを代表とするネット社会に席巻されているといっても過言でないのかもしれない。電車に乗れば、ほとんどの人がスマホに夢中である。歩きスマホやながらスマホが社会問題化もしている。かくいう私の生活も今やネットに接触する時間かなり多くなっていることも事実である。
それでも成人の場合は、どこかで行き過ぎを自制しようとする働きが期待できるが(そうでない人も目立つようになった?)、子どもの場合はそうはいかない。自らの欲望にブレーキがかからず、今の子どもたちの生活は大変なことになっているらしい。
12月4日(金)、北海道心の教育推進会議というところが主催する「心の教育推進フォーラム 兼 人権教育指導者研修会」という、なんとも厳めしい名称の主催者、研修会名を掲げる集いに参加した。フォーラムのテーマは「ネット社会に生きる子供たちのために~課題と向き合い、今、何をすべきか考える~」だった。
フォーラムは、午前と午後の2部構成なっていた。
午前が講演、午後がパネルトークだったが、ここでは旭川赤十字病院第一小児科部長の諏訪清隆氏からうかがった講演の内容を中心にレポートすることにする。
諏訪氏の講演題は「ネット社会でどう生きていくか」というものだった。
諏訪氏は話の初めから衝撃的なデータを次々と私たちに提示した。
まず、「子どもの体力低下が止まらない」という。例えば50m走のタイムを過去と比較してみると、1986年当時と比べ2014年のデータでは男子も女子もおよそ0.6秒劣っているそうだ。わずか30年あまりで50mにおけるタイムが平均で0.6秒劣ったということは大変な体力の低下と受け止めねばならない。
その中で、北海道の子は全国都道府県の中で男子世共に全国47位と最下位ということだ。
体力の低下の度合いを年度別に示してくれたが、それが世の中に「ゲームボーイ」、「スーパーファミコン」、「プレステ」、「DS」、「PSP」などのゲームが出現した年度と見事に相関関係にあり、出現の度毎に体力が低下して行っていることが分かる。
さらに、全国の小中学生のネット使用時間、ゲーム使用時間の都道府県別順位を調査した結果も示された。それによると、悲しいかな小中学生とも北海道の子どもたちは全国トップクラス使用時間を誇っている(?)という結果である。
このことがまた、マスコミなどで度々話題になる全国学力テストの結果ときれいな(?)相関関係にあることも示してくれた。
北海道の子に限らず、現代の日本の子どもたちのネット依存の状況はかなり深刻だという。メディアに接触する総時間数を調べた調査によると、実に11%の子が一日に10時間以上接触しているという。この子たちは睡眠時間、学校生活時間以外はほとんどメディアに接触しっぱなしという実態である。中には、そのため睡眠不足に陥っている子も相当数いるということだ。
諏訪氏はメディアに長時間接触する子どもの傾向を次のように指摘した。
(1)自己中心的
(2)自分を大切に思わない。
(3)命を特別なものだと思わない。
(4)攻撃的、否定的
(5)自分で新しいことを思いつかない。
諏訪氏は次のようなことも強調された。「ネットに早くから触れさせモラルを身に付けさせる」というのは大きな間違いだと…。そして「スマホ・ネット利用には高い社会力と自己コントロール力が必要」である、強調された。子どもに「対話する力」、「自分の体と心を守る力」が育つまでは、親がメディアとの接触時間をコントロールする必要があるとした。
また、韓国において全児童・生徒にタブレット端末を用いた授業を導入したが、◇学力に目立った成果が表れていない。◇問題解決能力が落ちた。◇理解したつもりでも、学習内容が身に付いてない。◇読書量が減った。というような報告がなされているという。
このことについて、諏訪氏は目に直接訴えかけるスマホやタブレット端末などから情報を受け取る脳の部分(後頭葉)、文字から情報を受け取り、感ずる脳の部分(前頭葉)の違いがあるため、視覚から入った情報は記憶として定着する割合が少ないとした。(この辺りは私の解釈に誤解があるかもしれないが)
そういえば、私にもそのことを感ずることがある。最近の講座においては、ほとんどの講師の方がパワーポイントを準備してくれ、丁寧な講義をしてくれる場合が多い。そうでありながら、私の記憶に残るのはその一部分のような気がしている。多分に私の年齢のせいなのだが、あるいはそうした脳の働きも影響しているのかもしれない。
長々と書いてきたが、諏訪氏はこの他に、ネットトラブルやネットいじめについても触れられた。
聞けば聞くほど、子どもたちの間のネット問題は深刻のようだ。
何時の世にも「光のあるところに影が存在する」
便利な機器、快適な仕組みが現れると、必ずそこに使用や利用の仕方によって負の部分が存在する。その際にそれらを無批判に受け入れようとする子どもたちがいつも一番の被害を蒙るという現実がある。
子どもを守る。そして健全な成長を促すのは、何時の世も大人の責任であるはずだ。
そこがしっかりと機能していれば…。
最後に、諏訪氏はこうした現状の対策の基本として次のように提示した。
(1)私たちが正しい知識を持って手本となる。
(2)子どもの話を聞き、対話する。
(3)子どもたちの様子を注意する。(気分の乱れ、寝不足)
(4)メディア利用について話し合う機会や使用状況を見直す機会を作る。
(5)学校や家庭でアウトメディアへの具体的な取り組みを始める。
明日は、アウトメディアへの具体的な取り組みを始めた例をレポートする。
今や世の中はスマホを代表とするネット社会に席巻されているといっても過言でないのかもしれない。電車に乗れば、ほとんどの人がスマホに夢中である。歩きスマホやながらスマホが社会問題化もしている。かくいう私の生活も今やネットに接触する時間かなり多くなっていることも事実である。
それでも成人の場合は、どこかで行き過ぎを自制しようとする働きが期待できるが(そうでない人も目立つようになった?)、子どもの場合はそうはいかない。自らの欲望にブレーキがかからず、今の子どもたちの生活は大変なことになっているらしい。
12月4日(金)、北海道心の教育推進会議というところが主催する「心の教育推進フォーラム 兼 人権教育指導者研修会」という、なんとも厳めしい名称の主催者、研修会名を掲げる集いに参加した。フォーラムのテーマは「ネット社会に生きる子供たちのために~課題と向き合い、今、何をすべきか考える~」だった。
フォーラムは、午前と午後の2部構成なっていた。
午前が講演、午後がパネルトークだったが、ここでは旭川赤十字病院第一小児科部長の諏訪清隆氏からうかがった講演の内容を中心にレポートすることにする。
諏訪氏の講演題は「ネット社会でどう生きていくか」というものだった。
諏訪氏は話の初めから衝撃的なデータを次々と私たちに提示した。
まず、「子どもの体力低下が止まらない」という。例えば50m走のタイムを過去と比較してみると、1986年当時と比べ2014年のデータでは男子も女子もおよそ0.6秒劣っているそうだ。わずか30年あまりで50mにおけるタイムが平均で0.6秒劣ったということは大変な体力の低下と受け止めねばならない。
その中で、北海道の子は全国都道府県の中で男子世共に全国47位と最下位ということだ。
体力の低下の度合いを年度別に示してくれたが、それが世の中に「ゲームボーイ」、「スーパーファミコン」、「プレステ」、「DS」、「PSP」などのゲームが出現した年度と見事に相関関係にあり、出現の度毎に体力が低下して行っていることが分かる。
さらに、全国の小中学生のネット使用時間、ゲーム使用時間の都道府県別順位を調査した結果も示された。それによると、悲しいかな小中学生とも北海道の子どもたちは全国トップクラス使用時間を誇っている(?)という結果である。
このことがまた、マスコミなどで度々話題になる全国学力テストの結果ときれいな(?)相関関係にあることも示してくれた。
北海道の子に限らず、現代の日本の子どもたちのネット依存の状況はかなり深刻だという。メディアに接触する総時間数を調べた調査によると、実に11%の子が一日に10時間以上接触しているという。この子たちは睡眠時間、学校生活時間以外はほとんどメディアに接触しっぱなしという実態である。中には、そのため睡眠不足に陥っている子も相当数いるということだ。
諏訪氏はメディアに長時間接触する子どもの傾向を次のように指摘した。
(1)自己中心的
(2)自分を大切に思わない。
(3)命を特別なものだと思わない。
(4)攻撃的、否定的
(5)自分で新しいことを思いつかない。
諏訪氏は次のようなことも強調された。「ネットに早くから触れさせモラルを身に付けさせる」というのは大きな間違いだと…。そして「スマホ・ネット利用には高い社会力と自己コントロール力が必要」である、強調された。子どもに「対話する力」、「自分の体と心を守る力」が育つまでは、親がメディアとの接触時間をコントロールする必要があるとした。
また、韓国において全児童・生徒にタブレット端末を用いた授業を導入したが、◇学力に目立った成果が表れていない。◇問題解決能力が落ちた。◇理解したつもりでも、学習内容が身に付いてない。◇読書量が減った。というような報告がなされているという。
このことについて、諏訪氏は目に直接訴えかけるスマホやタブレット端末などから情報を受け取る脳の部分(後頭葉)、文字から情報を受け取り、感ずる脳の部分(前頭葉)の違いがあるため、視覚から入った情報は記憶として定着する割合が少ないとした。(この辺りは私の解釈に誤解があるかもしれないが)
そういえば、私にもそのことを感ずることがある。最近の講座においては、ほとんどの講師の方がパワーポイントを準備してくれ、丁寧な講義をしてくれる場合が多い。そうでありながら、私の記憶に残るのはその一部分のような気がしている。多分に私の年齢のせいなのだが、あるいはそうした脳の働きも影響しているのかもしれない。
長々と書いてきたが、諏訪氏はこの他に、ネットトラブルやネットいじめについても触れられた。
聞けば聞くほど、子どもたちの間のネット問題は深刻のようだ。
何時の世にも「光のあるところに影が存在する」
便利な機器、快適な仕組みが現れると、必ずそこに使用や利用の仕方によって負の部分が存在する。その際にそれらを無批判に受け入れようとする子どもたちがいつも一番の被害を蒙るという現実がある。
子どもを守る。そして健全な成長を促すのは、何時の世も大人の責任であるはずだ。
そこがしっかりと機能していれば…。
最後に、諏訪氏はこうした現状の対策の基本として次のように提示した。
(1)私たちが正しい知識を持って手本となる。
(2)子どもの話を聞き、対話する。
(3)子どもたちの様子を注意する。(気分の乱れ、寝不足)
(4)メディア利用について話し合う機会や使用状況を見直す機会を作る。
(5)学校や家庭でアウトメディアへの具体的な取り組みを始める。
明日は、アウトメディアへの具体的な取り組みを始めた例をレポートする。