goo blog サービス終了のお知らせ 

田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 145 幸福の黄色いハンカチ

2015-12-15 16:25:00 | 映画観賞・感想

 ご存じの今は亡き高倉健主演の映画としてあまりにも有名な映画である。何度か観た映画であるが、主演はもちろん高倉健であり、倍賞千恵子なのだが、今回観て脇役の武田鉄也、桃井かおりの存在がとても効いていた映画だと率直に思った。 

                

 12月14日(月)午後、めだかの学校の12月学習として「映画の中の北海道-昭和編」で山田洋二監督・脚本の「幸福の黄色いハンカチ」が取り上げられた。 
 「幸福の黄色いハンカチ」は名作だけにDVDはもちろんのこと、TVでも何度か取り上げられ、私も何度か観ていた。しかし、映画は大画面で、辺りを暗くした中で観るもの、というある種の固定観念が私の中にはあるので、やはりこの日のような環境で観て初めてその映画の良さに触れられたと思うのである。

               

 ストーリーについては今さら説明するまでもないが、ちょっとしたはずみから殺人事件を起こし、網走刑務所に服役していた勇作(高倉健)が出所したところに、北海道を旅行中の欽也(武田鉄也)と朱美(桃井かおり)が偶然にも巡り会い、そこから3人の北海道横断の旅が始まる。
 旅する中で、勇作は服役中に愛する妻・光枝(倍賞千恵子)に離婚を言い渡して成立していたが、勇作は光枝を忘れられないでいることを欽也と朱美は知ることとなる。勇作は出所した直後、光枝に「もしまだ待っててくれるなら、黄色いハンカチをぶら下げてくれ…」というハガキを出していた。そして、その結果…。
 言わずもがなである。映画のラストシーンは黄色いハンカチが満艦飾のごとく、夕張の空にはためいているという感動のシーンを映し出してエンディングとなる。

              
               
 映画を観ている途中から、「この映画は、高倉健の映画というより武田鉄也と桃井かおりの映画ではないか」と思い始めていた。確かに高倉健は翳のある難しい役を好演していた。しかし、それ以上に武田鉄也はコミカルな役に、桃井かおりは少々軽薄な役を、それぞれ好演しながら、勇作と光枝が再会するための重要なキューピット役を務めていたのだ。
 オーバーに言えば、高倉健はただ立っているだけで良く、高倉健の周りを賑々しく動き回る二人が実はこの映画の良さを決定づけていたように思えたのだ。

 高倉健のファンからはお叱りを受けるかもしれないが、特に武田鉄也のあざとく見えるほどのコミカルな演技が観客の苦笑を誘い、それが独特のアクセントとなって、高倉健の良さを引き出していたようにも思えた。
 聞くところによると、武田鉄也にとって映画出演第一作目だということだ。この後、彼は「三年B組金八先生」などドラマ、映画に大ブレイクしたことは多くの人の記憶にあるところだ。

 同じ映画を何度も観る、という経験はそれほどないが、少し見方を変えると、そこからまた別の良さや面白さを感ずることができる映画とは、やはり名作なのだと思う。