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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

鳥の祖先は恐竜だった!?

2015-12-12 23:35:33 | 大学公開講座
 ちょっと刺激的なタイトルを付けたが、今や研究者やマニアの間では常識のことらしい。今をときめく恐竜学者の小林快次氏の講義に講義室が溢れるほどに受講者が詰めかけ、かなりの方々が立ったままの受講を強いられるほどだった。 

               
               ※ 土曜市民セミナーの開催告知ポスターです。             
  
 北大総合博物館の土曜市民セミナーが今日(12日)午後開講された。
 今回のテーマは「恐竜の鳥化―脳、内臓、翼、子育ての進化―」と題して、古脊椎動物学の小林快次准教授が担当した。
 小林准教授はまだ44歳という若さだが、日本を代表する恐竜学者として名を馳せ、NHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも取り上げられるなど、今や相当な有名人である。
 そんなこともあってか、ふだんの土曜市民セミナーはシニア層を中心とした受講者が多いのだが、今回は若い人たちの姿が目立ち(子どもも多かった!)、定員の212名を遥かに超える受講者が詰めかける事態となった。

            
            ※ 小林氏の顔写真はウェブ上から拝借しました。

 そのような熱気の中で始まったセミナーだったが、マニアにとっては小林氏のひと言一言が垂涎のような言葉の数々だったのだろうが、残念ながら私には難解な内容だった。
 そうした中で、かろうじてまとめてみると次のようになるだろうか。
 巨大な恐竜が鳥類に進化したと結論づけたのは、科学者たちが詳細な系統図を作成する中で、獣脚類の仲間が枝分かれして、やがて翼を獲得し、そして空を飛べる能力を身に付けた。その結果、地球に巨大隕石が衝突して地上の生物が滅亡の危機に瀕したときに、空を飛べたために唯一生き残ったと考えられているそうだ。

     
     ※ 恐竜から鳥類に進化する過程の概念図です。

 小林氏は特に触れなかったように記憶しているが、獣脚類(ティラノサウルスやスピノサウルスなど)が翼を得、空を飛べる能力を獲得する過程において、彼らは他の恐竜より早い速度で体を小さくする進化を遂げていたという。
 小型化を図りながら、一方で羽毛も獲得していったようだ。中国において羽毛恐竜の化石も発掘されているという。

 小林氏は恐竜が鳥化するために、脳や、内臓、翼がどのように進化していったかを話してくれたが、それらを逐一理解する力は私にはなかった。
 その中から一つだけ、内臓の進化について触れたい。獣脚類の化石を調べていると、内臓は化石として残らないものの、消化器官にあたる部分から「胃石」が発見されたそうだ。「胃石」があるということは、草食の証拠である。つまり肉食だった獣脚類が、雑食あるいは草食に進化していったことを表す証拠であるとした。

               
               ※ 小林氏の著書の一冊です。

 その他にもマニアや興味ある方には、たまらない話が満載だったのだと思われるが、私にはネコの小判的であった…。
 それでも自分の興味の対象外の話にも出会えるのが、博物館土曜市民セミナーの面白みなのかもしれない…。