※ ご覧のように堂々たる建物の外観だった。
白石清掃工場は札幌市と江別市との境界に近い豊平川沿いの白石区東米里にあった。遠くからでもその白い外観は目立つ建物だが、近づいてみるとまるで白亜の殿堂を思わせるような大きな建物だった。
平成14年から稼働しているということだから、およそ10年が経過しているのだが、建物は内外ともにきれいに整美され、ゴミ処理施設のイメージを払拭する不断の努力がうかがえた。
最近の工場見学はどのような工場であれ自動化されて一般人が見学するところは限定されがちであるが、白石清掃工場も例外ではなかった。
私たちが唯一その現場を見ることができたのは、ごみ収集車が市内から集めてきたゴミを投入する[ごみピット]と呼ばれる巨大な貯蔵庫に貯留されたゴミを巨大なごみクレーンで定期的に持ち上げてかくはんするところを見るだけだった。
[ごみピット]内はおそらく相当な悪臭が漂っているのではと想像されたが、ガラス越しからの私たちには少しもその臭いを感ずることはなく、厳重に密閉されているようであった。
※ [ごみピット]のごみは巨大なごみクレーンで持ち上げられかくはんされる。
※ ごみクレーンを操作しているところです。
そして私たちがもうもう一ヵ所見ることができたところは、[中央制御室]だった。
清掃工場の全てがこの部屋に設置されたモニターや監視機器で監視・制御されているとのことだ。モニターにはごみ収集車の投入口、ごみピット内のかくはんの様子、焼却炉内でゴミが燃焼する様子などが写し出されていた。
※ [中央制御室]でスタッフがモニターや機器を監視しています。
見学前に工場内にある集会室において、工場の概要を説明するDVDが放映され、さらにスタッフから説明を受けた。
その中から印象に残ったことを記すことにする。
白石工場は全国の清掃工場の中でも7番目に位置する規模の大きさを誇るとのことだ。
その最大処理能力は3基の焼却炉で1日900トンのごみを処理できるとのことだが、焼却炉のメンテナンスが必要なため常時2基を稼働させ、一日約500トン前後のごみを処理している。
次に建設費だが、土地は別にして建設費用は実に570億ということだった。それだけの費用をかけながらも耐用年数が25年しか持たないということに驚いた。各種の公害防止設備を整え、高温で処理し続ける施設はやはり耐用年数にも限度があるのだろう。
別の資料を見ると、施設建設費だけでなく、ごみ処理費用に札幌市では年間296億もかかっているということだ。
※ ごみクレーンの大きさをごみ収集車と比較し、その大きさを実感してもらう表示です。
ごみ収集車も一つかみで持ち上げられてしまいそうな大きさです。
現代のような快適な生活を維持するために、ごみ処理に相当なコストがかかっていることを実感させられた。
ごみの減量に一人ひとりが意識しなくちゃいかんぜよ!と思わされた今回の見学だった。