安倍首相のIOC総会等での発言3件;
① 『状況はコントロールされており、東京にダメージは与えない。』
② 『健康問題は今までも、現在も、将来も、まったく問題ないと約束する。』
③ 『抜本解決に向けたプログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手している。』
9月10日現在の東北地方太平洋沖地震での死者と行方不明者は18,537人(死者:15,833人、行方不明者:2,654人)
避難者:289,611人
被災3県の仮設住宅での孤独死者数:81人
みなさんはもう読んでますか? まだの方がいらっしゃたら是非とも読むことをお勧めします。 悲しいけど今回の大震災が生んだ、忘れないための記念碑とでもいうべき小説だと思います。
河出書房新社発行で、定価は1400円(税別)です。
きょう9月11日であの日から2年と6カ月が経過してしまいました。 去る9日には気仙沼市内に打ち上げられた大型漁船 第18共徳丸 の解体作業が始まりました。 私としては是非ともこの漁船は後世に語り継ぐべきものとして残しておいてほしかったのですが、市民の7割のひとが解体することに賛成したために、残そうと思っていた市長もやむを得ず解体することに同意せざるを得なくなってしまいました。 (詳しくはこの8月15日のブログを見てください。)
もうあの日から2年6か月も経ってしまいました。 風評被害は至る所で残っているようですが、肝心の 地震・津波・原発事故はどうなのでしょうか。 まだまだ忘れるべきではないのに、忘れ去られつつあるのではないかというところに、2020年の東京でのオリンピックの開催が報じられ、日本中嫌と思うほど、オリンピック オリンピック で沸き立っています。
あの忌まわしいことを忘れ去るためにも、経済効果数兆円ともいわれるオリンピック関連の事業に熱中しているかのようにも感じられます。
今回の福島第1原発の汚染水漏れについても、政府やマスコミの意図的な報道規制?があったためか、日本よりも外国の方での危機感が強いという、何ともいかにも日本人らしいということの表れということになるのでしょうか。
忘れることは得意な日本、および日本人、いまこそそこから脱却して行かなければ世界中の笑い者になってしまいます。 「忘れないこと」 と 「想像力を働かせること」 これが今求められていることです。
≪ 死者と共にこの国を作り直して行くしかないのに、まるで何もなかったように事態にフタをしていく僕らはなんなんだ。この国はどうなっちゃたんだ ≫
≪ いつからかこの国は死者を抱きしめていることが出来なくなった。 それはなぜか? 声を聴かなくなったんだと思う ≫
≪ 亡くなった人はこの世にいない。すぐに忘れて自分の人生を生きるべきだ。まったくそうだ。いつまでもとらわれていたら生き残った人の時間も奪われてしまう。・・・。亡くなった人の声に時間をかけて耳を傾けて悲しんで悼んで、同時に少しずつ前に歩くんじゃないのか。死者と共に ≫
≪ ・・・そう考えると今まで僕が想像力こそが電波と言ってきたのは不正確で、本当は悲しみが電波なのかもしれないし、悲しみがマイクであり、スタジオであり、今みんなに聴こえている僕の声そのものなのかもしれない。つまり、悲しみがマスメディア。テレビラジオ新聞インターネットが生きている人たちにあるなら、我々には悲しみがあるじゃないか、と。 だから亡くなったけれども悲しみを持つ余裕が今はないという人には僕の声は残念ながら届かないし、逆にひょっとしたら生きて悲しんでいる人にもこの番組は届く。 届く、と思いたい。 ≫
≪ 彼ら(家族)が僕のことをどんな風に悲しんでいるか。今となっては知っても仕方ないけど、僕にして欲しかったことはなんなのか。それを僕はやっぱり知りたい。知って悔しい思いを一緒にしたい。歯がみしたい。僕の思い出を話す時、奥さんは息子に何を話すか、息子は奥さんに何を言うか。もしもこうなってしまった僕を憎んでいるのなら、その憎悪の言葉を激しい炎を受けるようにして聴きたい。まだ混乱したままなら、どうか二人の心が風のない日の湖面みたいに落ち着きますようにと、ぼくはここから祈りたい。彼らが近くにいてほしいと思えば僕はいつまでだって近くにいたいし、浄土へ送りたいと思えば遠くへ旅立ちたい。 ≫
想ー像ーラジオー
想像力の中だけでオンエアされる 想像ラジオ 、DJは38歳の妻子のある男性。 津波でクレーンの届かない、人から見つけられない高い杉の木の上に打ち上げられ亡くなってしまった男性が主人公の、静かな夜の聴こえる人にしか聴こえない 想像ラジオ
ものの見事に2年6か月前の悲劇を、死者の思いを静かに語りかけてきます。こういう小説があるんだとあらためて感銘を受けた次第です。 秋の夜長、ひとり静かに心を落ち着けて読んでみることをお勧めします。
こちらの小説の主人公が亡くなった人であるのに対し、今生きている人を主人公にした小説もありました、天童荒太の「悼む人」です。「悼む人」は大震災前に書かれた小説ですが、大震災を経験した著作者はそれをどういう形で小説にするのか楽しみでもあります。
そういえば、『花は咲く』 という心に染み入る歌も、亡くなった人からの生きている人を励ますメッセージの歌ですよね。