私は、クレージーキャッツの全盛時代をリアルタイムでは知らない。植木等氏に関しては、どちらかというと、昔TBSで放映されていた長渕剛主演の「親子ゲーム」の警官役の俳優としてのイメージの方が強かった。
だが、免許を取った頃。「スーダラ伝説」ブームとともにクレージーキャッツ再評価の動きがあり、そういうことに感化されやすい私は、ホンダ・シティにクレージーキャッツのカセットテープを積んで、よく聴いていた。その歌詞のナンセンスでありながらもなにか核心をついている部分に心打たれたのだ。
これは、’91年5月28日に札幌で催された、植木等氏のコンサートのパンフレットである。当時恋人だった現在の妻と観たこのコンサート。植木等氏も還暦を過ぎているとは思えないほど、とても若々しく、唄い、踊っており、非常に楽しいコンサートであった。
ハナ肇氏・青島幸男氏に続き、植木氏も逝ってしまった。古き良き昭和の時代が、少しずつ失われていく。そんな淋しさを感じながら、人は年を取っていくのだなあ。