さて、ここ最近の注目すべき(カタログを貰うべき)輸入車といえば、やはりプジョー207と新型BMWミニであろう。我々ミーハー的取材班3名は、本日も家族サービスをないがしろにして、ディーラーさんにお邪魔させてもらった。
まずは、プジョー207。この「ラセルタ・イエロー」というカラーが粋な、1.6Lターボ(150ps)・5MTの「GT」に乗らせていただく。パノラミックガラスルーフが、車内を明るくしてくれて心地ヨイ。
そしてその乗り味は、キビキビ感というよりは、しっとりとジェントルな印象が強かった。インテリアもかつてのフランス車とは違って、質感も高く、私はもうウットリ。右ハンドル仕様の弊害か、フットレストとクラッチペダルの隙間が狭く、左足が干渉しがちだが、オーナーになって慣れてしまえば、ノンプロブレムであろう。
ラゲッジ下には、近年では珍しく、応急用ではなく、205/45R17の純正サイズのスペアタイヤが収められている。ここ数年はコスト削減や軽量化のためにテンパータイヤすらも廃止して「パンク修理セット」にする傾向が強いが、プジョーのこの選択を、私は大いに支持する。というのも、最近私は職場のクルマで出張中にパンクの憂き目に会ったからなのだ。やはり「パンク修理セット」では、心もとないと私は考える。
それにしても、新しい207。とてもスムーズでいいクルマであり、私は大いに好感をもったのだが、価格戦略には疑問が残る。一番安い「207」(1.6L:4AT)の車両本体価格は239万円。「307フェリーヌ」(1.6L:4AT)は233万円で6万円安いのだ。ファミリーカーとして使うなら、リアシートやラゲッジのスペースははるかに307の方が広大で使いやすいと思われる。
やはり207については、1.4Lで200万円を切るモデルを待ちたいというのが私の本音だ。そんなこともあってか、暫くの間は206の廉価モデルも併売される模様である。
さて、お次は欧州車としては早いタイミングの5年でフルモデルチェンジされたBMWミニである。上の写真2枚は新旧のミニなのだが、まるで新聞の日曜版の間違い探しみたいに、よ~く目を凝らしてみないと、その違いがさっぱり分からない。
イシゴニスの時代の「オリジナル・ミニ」を運転した経験はあるが、BMWミニを運転するのは初めての経験であった。試乗グレードは1.6Lターボ(175ps)・6MTの「クーパーS」である。メロー・イエローと呼ばれるソリッドのカラーが素敵だ。
基本的にはプジョー207と同じエンジンのこのクルマだが、その印象は207とは大きく異なっていた。エンジンのチューンが違うためか、207GTより明らかに速い。
このミニと言うクルマ、非常にダイレクト感が強く、悪く言えばやや粗っぽい。なんというか、ドライバーのインプットに対するアウトプットが如実に出る。それは、どんなにアクセルワークやクラッチワークがラフであっても、アウトプットがソフィスティケートされて同じ走りになってしまう、某国産車とは大いに異なる部分だ。
なかなか面白いクルマだったが、価格は295万円。やはり、コイツと暮らしを共にするには、若さと、なによりも家族の理解が、必要であろう。