さて、毎度おなじみの素人試乗インプレッション。今回は最近フルモデルチェンジした「メルセデス・ベンツCクラス」とトヨタのハイオーナーカー「マークⅩ」を比較するという企画である。あくまで、素人ドライバーの私の主観が大きく入っていることを、まずお断わりしておきましょう。
まずは、新型メルセデスCクラスである。試乗したグレードは「C200コンプレッサー・アヴァンギャルド」(5AT・税込車両本体価格460万円)。
ドライバーズシートに座ると、いい角度で立っているAピラーと、目視できるボンネットフードにより、大いに視界は良好。私の愛車レガシィ2.0iから乗り換えても、まったく違和感は無い。
インテリアに目をやると、メーターパネルは最新のクルマらしく「マルチファンクションディスプレイ」が目を引き、なかなか斬新。だが、助手席に座ると、プラスティックの質感等は、レガシィ2.0iとそう大きくは変わらないというのが、率直な私の感想。
走り出してみると、スロットルが重めで、しっかりと踏まないと加速しないようなセッティングになっている。この辺は、軽く踏んだだけでスッと走り出すトヨタ車等とは大いに違うところである。だが、全体的な印象としては、昨年の暮れに乗ったBMW320iは、走り出したとたんにステアリングのガッシリした重さ等で「ドイツ車」を感じさせたのだが、メルセデスC200は、意外にもフツーなフィールであった。
私のレガシィ2.0iと比較すると、「スロットル一定で走っている時のフラット感はCクラスがやや上回るが、エンジンノイズ等の静粛性はやや劣る」といったところ。レガシィ2.0iとメルセデスC200には約2倍の価格差があるが、試乗コースのような「左折を4回繰り返す市街地走行」では、メルセデスには価格差ほどのアドバンテージは無く、レガシィ2.0iとの差はごく僅かだと私には思えた。一番の大きな違いはトランスミッションで、5MTの私のレガシィの方が、5ATのメルセデスよりも明らかに楽しかった。
やはり、メルセデスの価値は、高速走行時のスタビリティや、不幸にしてクラッシュした時の安全性にあるのだろうと想像できる。今回の試乗では、メルセデスの真価を確かめることはできなかった。
さて、お次はマークⅩ。試乗グレードは「250G Four Lパッケージ」(5AT・税込車両本体価格344万5050円)である。
このクルマ、私の想像と違って、ステアリングの効きもしっかりとして、なかなか好印象。一見では使いづらい空調のコントロールには閉口したが、インテリアや走りの質感は「わかりやすい高級感」を醸し出していて、私の親くらいの年代の方であれば「おっ、このクルマ、イイね!」と、きっと気に入るであろう。
ただし、クルマ好きの人であれば、スカイラインの方が、走りに緻密なフィールがあるので、そちらをオススメしたい。私だったら、スカイラインを選ぶであろう。だが、マークⅩの安楽なフィールを好む人がいても、反対をする理由はないとはいえる。
さて、ここで自販連のデータを確かめてみよう。マークⅩの2006年の販売台数は4万6298台。そして、レガシィの販売台数は5万2108台。この両車、セダン不況の時代の中で、なかなか健闘しているといえる。スカイラインも、もっと売れてもいいと思うのだが・・・