その日最後に向ったのは、スズキのお店。
お目当ては、この「アルト ターボRS」(5AGS:税込メーカー希望小売価格129万3840円)である。
素のアルトも軽量でキビキビ走るクルマだっただけに、インタークーラーターボエンジンを積むこのRSは、それ以上に俊敏である。
私・尾車氏・セールスマン氏の大人3名乗車だったが、気持ちよく加速し、その走りにまったく痛痒は無い。
乗り心地も、素のアルトよりも、このRSの方が若干良かったような、そんな気がする。
とはいえ、やはり静粛性は、無いに等しい。だが、このクルマにそういうモノを、求めてはいけないのだろう。
MTとATの利点を組み合わせたという、新トランスミッションAGS。
シフトレバーのマニュアルモードゲートが「押してシフトダウン・引いてシフトアップ」というロジックなのも、加減速Gの観点から行けば理にかなっている。
私は最初から最後までマニュアルモードで走ったのだが、この手の2ペダルMTとしては、変速のタイムラグも小さく、なかなか愉快であった。
このトランスミッション。さすがに「VWのデュアルクラッチDSG」には負けているかもしれないが、加減速をダイレクトにスロットル&シフトワークでコントロールできるので、トルコンATやCVTよりは、ずっと面白い。
私が適切なドライビングポジションを取った時の、後席のニールームは、こんな感じ。
シートバックが平板で、座面もはっきりと短いのだが、必要にして十分な広さである。
ラゲッジルームも、実用的な広さを持っている。
このクルマ1台あれば、とりあえず日常生活に困ることは、無さそうだ。
私がもし若かったならば、このアルトRSを選んだかもしれない。
昭和の時代に免許をとった、アラフィフオヤジの私としては、こういうクルマにこそMTをラインナップしてほしいのだが・・・まあ、それは、今後の展開に期待したい。
また、余談だが、尾車氏は白いボディーに赤のアクセントのこのクルマのカラーリングについて、「これはフィアット・アバルトのパクリじゃないですか!こういうのは、いただけませんな」と語っておられた。
その辺の可否の判断については、読者の皆様に、委ねたいと思う。