この日立製トランジスタラジオ TH-660の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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朝から雨です。このため、トランジスタラジオの修理をしました。日立製トランジスタラジオ TH-660ですが、多少はガリ音が出るものの、あとはトラッキング調整するだけですのでもう一息です。どのラジオもそうですが、製品出荷時にトラッキングがずれないように、ろう付けしています。このろうを溶かすことから始めました。
アンテナコイルのろうを溶かす 半固定コンデンサのろうを溶かす
ろうは、熱で溶けるため半田コテを使って溶かしました。溶かしたろうは、ティッシュに浸み込ませるようにして取り除きました。OSCコイルや中間周波トランスは、ろうが奥まで浸み込んでいるのかうまくとれません。その結果、トラッキング調整に使えるのは、バーアンテナコイルと、バリコンに付いた半固定コンデンサ(トリマーコンデンサ)です。
アンテナコイルは上下に動かして、トリマーコンデンサは回して調整
OSCコイルは、調整棒が穴に届かないため調整できません。また、中間周波コイルはろうが奥まで浸み込んでいるため調整できません。おそらく、OSCもろうが浸みこんでおり、仮に調整棒が届いても調整できないのではないかと思います。無理に動かそうとして、コアを破損するかも知れません。動かせる部分だけでトラッキング調整してみることにしました。
低い周波数600KHzを発信 アンテナコイルをスライドして調整
最初、低い周波数600KHzでよく受信できるようにバーアンテナのコイルを動かしました。出力電圧を測るパルボル(真空管電圧計)が無いため、振幅変調した1000Hzの音量を耳で聞いて調整しました。次に周波数を1000KHzや高い1600KHzに変えて、今度はトリマーコンデンサを回して調整しました。
1000KHzの電波を発信 1600KHzの電波を発信
そして、600KHz,1000KHz,1600KHzの3点で何度か繰り返して調整しました。すると、全域でよく受信するようになりました。OSCコイルやIFTコイルは、調整しなくても済みそうです。 トラッキング調整をして、よく効いたのはバーアンテナコイルとOSCコイルと共振するバリコンのトリマーコンデンサでした。この二つを特にこまめに調整しました。次回、受信周波数範囲を調査した上で筐体を磨くなどして、このトランジスタラジオの修理を終わろうと思います。
感度調整がよく効く、OSCコイルと共振するバリコンのトリマーコンデンサ