すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

自嘲で自己完結

2008年10月09日 | 読書
 『脳を活かす勉強法』(PHP 茂木健一郎著)
 去年の12月初版でもう31刷となっているので、かなりのベストセラーだと思う。大型書店では平積みであった。脳科学の知識も少しは欲しいなと軽い気持ちで読んでみた。

 そんなに目新しいことが書かれているわけではないが、自身の経験や仕事で出会った一流人たちのエピソードがあり、読みやすい本となっている。
 ドーパミンをいかに分泌させるか、ということが全体のテーマとなっているが、要は「楽しむ」感覚で学習に向かうということだ。その楽しむための頭の使い方が、様々な側面から語られている。

 見落としていけないと思った文章は、これだ。

 気をつけなくてはならないのは、自己完結したものには意味がないということです。価値ある「知」を手に入れるには、人と人とのかかわりの中で育てていかなければなりません。

 ネット上の知識、情報の素晴らしさを語り、存分に活用している著者が、その点を強調することはかなり重要である。
 そしてここでのかかわりは、実際に出会うことの大切さを述べていて、そこで伝わるものの大きさはやはり決定的なのだと改めて思う。

 本当に知識の深い人とのかかわり

 出かけて学ぶこと、招いて直に話を聞くこと…自分でも心がけてきたことではあるが、時々後ずさりしていることに気づく。今年は明らかにペースが落ちた。自己完結にも及ばぬレベルで寂しく冬は迎えたくないものだ。

 となんだか自嘲で終わってしまった。