すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

進化するのは読書か

2008年10月21日 | 読書
 相変わらずのミーハーで、『読書進化論』(勝間和代著 小学館101新書)を手にした。

 この本でそんなに目新しい視点はなかったが、改めてこうした類の本のターゲットになっている層がわかる気がした。
 私のような年代、こんな職業や環境にいる者は、あまり手にはしないだろう。
 興味が示す読者の条件は、文中にある言葉でいえば、

 雇用流動性がある環境にいる

ということになるだろうか。
 だからこそベストセラーになった『年収10倍アップ勉強法』という表現に、自己啓発意欲を沸き立たせる者も結構多いだろう。
 だが、いみじくも著者も書いているように、実際に「努力すれば報われる環境」にいるのは

 東京のごく一部の、専門職に近い人たちだけでしょう

が現状だ。
 少し悲しい気持ちも湧いたりするが、その現実は簡単には変わらない。

 もちろん、だからといって読書が無駄なわけではない。本に価値がないわけではない。
 その本が目指しているもの、説いていることを、いや本だけではなくウェブ上の情報も含めて、それらを早く見抜き効率的に処理していく、ツールとしていかに活用できるか、ということにつきる。もっとも本のジャンルによって「処理」の仕方は違うし、そのことも意図的でなければならない。
 そんなことがわかりやすく書かれている本だ。(「もっと本買って」という体裁を取りながら)

 従って?この本のサブタイトル(というよりコピーみたいなものだが)

 人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか

という問いに対して答えてみれば、それは「変わらない、負けない」…という意志を自分が持つことが全てとでも表わしてみようか。

 「読書進化論」という意味はなかなか深い。