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ほめてくれよ、George

2011年10月14日 | 雑記帳
 ネットニュースを見ていたら、柳ジョージの訃報が載っていた。

 えっと思った。お気に入りのシンガーの一人だ。
 全てのアルバムを持っているわけではないが、時々無性にあの渋い歌声が聴きたくなることがある。

 一度だけ、レイニーウッドのステージを観たことがあった。
 強い印象が残っている。

 名前が知れ渡ってヒット曲もあった80年代の前半だったと思う。近くの市にやってくるというので、チケットを買い求めた。
 当日、コンサートが始まって『雨に泣いている』など続けざまにシングル化されたヒットが3曲演奏される。

 なんで最初からこんなに流行っているのばかり続けるんだろう、という思いが出てきたとき、ジョージが口を開いた。

 「実は、喉にポリープができて手術をしなければならなくなった。しばらくステージができない。みんなに逢いたくてやってきたが、今日はあと一曲で勘弁してほしい。今日のチケットで替わりのコンサートを入ってもらい、存分に歌うから…」

 そんな話をして、最後の演奏に入っていった。
 たった4曲だったけれど、エネルギッシュな音とともに誠実さがよく伝わってきた記憶がある。

 全国ツアーを待っていたファンの気持ちに精一杯応えようとするプロの心意気が感じられた。
 残念ながら再演には行けなかったが、十分すぎるほどのシーンを見せてもらった気がする。

 好きな曲はいくつもあるが、一つだけと言えば、月並みだけど『青い瞳のステラ、1962年夏…』になるだろうか。


 ♪ほめてくれよ、しゃがれた声で
  芝生の下で 眠っていずに
  ほめてくれよ、BlueEyes細めて
  芝生の下で 眠っていずに♪



 この詞がやけに沁みる夜となった。
 この後も長く聴き続けるシンガーだと思う。合掌。