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アウェー比率を高める

2013年01月25日 | 雑記帳
 楽しい時間はあっと過ぎる、というが、それは良いことか悪いことか。
 いや、やはりこれは問いのたて方がまずいかもしれない。

 限られた人生の中で、速く時間が過ぎるように感じることは、なんだかもったいない。
 けれど、「楽しい」とか「夢中」とかの連続であるならば、苦しい時間が長いよりどれほどいいことなのか。

 ところが、ある雑誌の連載に脳科学者茂木健一郎氏が、こんなことを書いていた。

 ホームの活動ばかりやっていると、「時間泥棒」が出現する。

 ここでの「ホームの活動」とは、特に仕事において「自分が慣れ、親しんだ、いわば得意分野」のことだという。

 いやあ、できれば得意分野だけで仕事ができないものか、などとしょっちゅう妄想している自分などは、もはや時間泥棒の餌食となっているのかもしれない。


 確かにこの齢になれば、時間の経つのがはやいような気もする。齢を重ねた人間というものはみんなそうなのか、一人一人訊いたわけではないが、結局年配になるにつれ、自分が慣れ、親しんだことに時間を費やすことが増えているから、そう感じるのだとすれば、なんとなく納得である。

 茂木氏は書いている。

 ホームだけでなく、アウェーに挑戦することで、小学一年生の一学期のような、充実した時間の流れを取り戻すことができる

 振り返ってみても、自分が一年生のその時の感覚を思い出すことはできないが、目の前にいる子どもたちの時間の流れがゆっくりであろうことは、想像できる。

 教員は数年ごとに職場が変わるので、その度に一種のアウェー感覚で仕事に対することができる。しかし半年過ぎてしまえばもう完全にホームになっているのかもしれない。

 そのあたりの意識の持ち方、意図的に「アウェー比率」を高めていく自らの設定など、ちょっと新しい視点を持つべきかなと、厳寒の季節に考え始めている。