強風の箱根駅伝往路だった。
年末から元旦にかけて関西方面に家族と旅行に出かけるとき,バッグに入れた文庫本が2冊。
そのうちの一つが箱根駅伝を題材とした小説で,ぜひ駅伝をテレビでみる前に読み切ってしまいたいと思っていた。
650ページを超す分量で,結局読了したのがスタート1時間前,自宅での朝風呂の中だった。
内容は長距離経験者の少ない10名のメンバーで箱根を目指すという,いわばマンガチックな設定だが,なかなか面白いところもあった。
売れっ子作家の有名な小説なので,知っている人も多いことだろう。
それにしてもこの題名かと,今日のレースと若干意味合いは異なるがあまりの偶然にちょっと驚いた。
『風が強く吹いている』(三浦しをん 新潮文庫)
天賦の才能と走ることへの情熱を持つ主人公「走(かける)」は,それゆえの葛藤や軋轢を抱えたまま大学進学し,「清瀬」と出会うことで成長を遂げていく。
この物語の肝となるのは,長距離や駅伝を走るために必要なことが「速さ」ではなく「強さ」ということには違いない。しかし,そのようなあり方は結構言い古されていて,具体的に「強さ」がどういうことか示されている部分こそが興味深い。
主人公「走」が語ったのは次のことだ。
俺に欠けていたのは,言葉だ。
思いを言葉で表現すること,自分の心にある考えや感情をしっかり見つめて言語化すること…作者はそれこそ強さだと認識していて,他の駅伝メンバーが走っている時にそれぞれをクローズアップし語らせていることも,その証しだろう。
これは今まで何度か書いてきた,スポーツ選手と言葉の関わりと深く重なり合っている。
今さらながらに教育としての「言語活動」は何のためかを振り返ったりする。
強風の中で疾走する一人一人の選手は,どんなことを思っていたのだろう。
サポートする部員たちの思いは,どれほどのレベルにあるのだろうか。
画面には映らないドラマも結構あるだろうな…今日はいつもより,想像力を膨らましてみた気がする。
明日の復路も楽しみたい。
そして何より,明日のレースでは以前勤めた学校でひたすらマラソンに励んでいた子が,ある大学の7区走者としてエントリーされている。
多くの人と一緒に雪深い故郷から応援したい。
年末から元旦にかけて関西方面に家族と旅行に出かけるとき,バッグに入れた文庫本が2冊。
そのうちの一つが箱根駅伝を題材とした小説で,ぜひ駅伝をテレビでみる前に読み切ってしまいたいと思っていた。
650ページを超す分量で,結局読了したのがスタート1時間前,自宅での朝風呂の中だった。
内容は長距離経験者の少ない10名のメンバーで箱根を目指すという,いわばマンガチックな設定だが,なかなか面白いところもあった。
売れっ子作家の有名な小説なので,知っている人も多いことだろう。
それにしてもこの題名かと,今日のレースと若干意味合いは異なるがあまりの偶然にちょっと驚いた。
『風が強く吹いている』(三浦しをん 新潮文庫)
天賦の才能と走ることへの情熱を持つ主人公「走(かける)」は,それゆえの葛藤や軋轢を抱えたまま大学進学し,「清瀬」と出会うことで成長を遂げていく。
この物語の肝となるのは,長距離や駅伝を走るために必要なことが「速さ」ではなく「強さ」ということには違いない。しかし,そのようなあり方は結構言い古されていて,具体的に「強さ」がどういうことか示されている部分こそが興味深い。
主人公「走」が語ったのは次のことだ。
俺に欠けていたのは,言葉だ。
思いを言葉で表現すること,自分の心にある考えや感情をしっかり見つめて言語化すること…作者はそれこそ強さだと認識していて,他の駅伝メンバーが走っている時にそれぞれをクローズアップし語らせていることも,その証しだろう。
これは今まで何度か書いてきた,スポーツ選手と言葉の関わりと深く重なり合っている。
今さらながらに教育としての「言語活動」は何のためかを振り返ったりする。
強風の中で疾走する一人一人の選手は,どんなことを思っていたのだろう。
サポートする部員たちの思いは,どれほどのレベルにあるのだろうか。
画面には映らないドラマも結構あるだろうな…今日はいつもより,想像力を膨らましてみた気がする。
明日の復路も楽しみたい。
そして何より,明日のレースでは以前勤めた学校でひたすらマラソンに励んでいた子が,ある大学の7区走者としてエントリーされている。
多くの人と一緒に雪深い故郷から応援したい。