すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

永遠の謎は希望に…

2013年12月12日 | 雑記帳
 先週末、家族で近場の温泉へ出かけた。のんびりするつもりでいたが、ちょっとばかりの非日常は、なかなかいい人間観察の場になった。雪深いし、そんなに有名ではない場所だが、やはり週末となるとそれなりの人数が集まる。小学生とおぼしきチビッコギャングがいて、少しざわついた雰囲気をじっと見つめた。


 露天風呂に入ってきた少し小太りの男児。子ども用の小さく黄色い風呂桶を、「頭」にかぶっている。そして、やおら「おかあさあん!」と叫ぶ。塀で仕切られている隣の女風呂をめがけて発したわけだ。年長か低学年か。このぐらいが親同伴風呂の境目年齢かもしれないなあ。しかし、まだ声で確かめたい年頃。


 その子はなぜか「機関車トーマスゥ♪」と陽気な調子で、すぐに内風呂へもどっていく。もう一人、父親と一緒の男児がいた。年齢は少し上か。お決まりのパターンで泳ぎ始める。父親が注意されるが、少し範囲を狭めただけ。「あがるぞ」の声も無視して、近くの石の上に裸で立って「修行する!」と叫ぶ。いいぞ!



 脱衣所へもどり、体重計に乗る。あれれっ、こんなに減っている。普段より5キロ減だ。しかし、すぐに目盛調節の問題だとわかる。元に直すと確かにいつも通りだ。体重計から離れ、服を着始めたとき、風呂から上がってきた恰幅のいいおじさんが、体重計へ乗った。しばらく目盛りを見つめ、さかんに首をひねる。


 おじさん、降りる。乗る、目盛を見る、首をひねる。降りる。乗る、片足を上げる、目盛を見る、首をひねって降りる。乗る、別の足を高く上げ…「おかしい!」、首の角度が一層急に。おそらく、風呂の前に調節間違いの体重計に乗ってインプットされたデータが頭から離れない。永遠の謎は希望に支えられている。